ラジオから流れてくる、音と声とが美しいと感じたのは生まれて初めてかも知れない。

音楽家の原摩利彦氏と坂本美雨氏の語らい、父である坂本龍一を共に慕いながら一音楽人である両者のやりとりが楽しい。原摩利彦氏のアルバムpassionへのコメント、それを朗読する坂本美雨氏の言葉が何度も頭の中で渦巻き続ける。

ラオスの日の入とともに

passionは炎のような情熱を連想することが多いだろう。20歳の僕も、そんなpassionに焦がれ、憧れ持ち続けることが善であると考えていた。そして、その落差とに縛られていたようにも思える。

彼はいまのpassionを地下水脈で静かに湧き出るものと表す。受難という意味も持ちあわせるpassionが根底で繋がっていることを感じとり、押しと引きとも言い表す。

なるほど、以前にも心の奥で静かに宿るものもpassionであると聞いた気がするが求めている時の巡りがいま丁度重なったように僕の心に響いているのだ。

passion is what makes you soft

passionは人を柔らかくする、という。ああ、少しはpassionが僕の一部となって帰ってきてくれているかな。