大きな店ができたとき

大きな店が近所にできました。

もともと倉庫が立ち並んでいた駅前の土地に、大型店舗が来るという報せを聞いて、僕は「使ってやるもんか」と思いました。スーパーは2店舗あったし、八百屋もありました。大きい店なら、せめて美味しい(と思っている)お店と居心地のいいカフェを作ってほしい、とは思っていました。

計画がわかってくる中で、その2つの願いは叶わない事がわかり、歯医者やクリーニング店、美容院などすでに近所にあるお店の出店が決まって行きました。そして、残念なことに、頻繁に使っていた八百屋が閉店してしまったのです。

そして、開店。

スーパーは若干高級路線で、ほかには貴金属買取、保険紹介、コインランドリーなどのお店が並びました。どれも僕たち家族には縁がないような、大型店と銘打っているのに残念な思いもありつつ、いつでも行けるからと、たまにスーパーだけ利用する程度でした。

しばらくして、大物の洗濯物を毎日のように洗濯しなければならない事態が発生し、徒歩で行ける、しかも24時間営業のコインランドリーは、文字通り重宝しました。ただ、乾燥機の使い方に明るくなかったので、布団カバーがかなり縮み、布団がまっすぐ入らなくなってしまいました(笑)。

楽しみにしていた飲食店は、ボリュームが自慢の丼もの屋。店内のお客さんを見て、失礼ながら、なんとなく油っぽくてご飯が多いだけという先入観がありました。

しかし、妻が友人に薦められて買ったテイクアウトが、美味しかったのです。意外と優しい味で、困ったときにはこの店がある!と安心すらしてしまいました。

スーパーの上階は家電量販店でした。あまり家電なんて買う機会ないから、なんてたかをくくっていましたが、かの自粛期間においても素知らぬ顔で営業してくれて、こちらもすまし顔でお店に行きました。5月のただ中に、バリカンや扇風機が買えたのは、とてもありがたかったです。

そんなこんなで、高級路線で敬遠していたスーパーも、売り場が圧倒的に広く、レジも多いので、密を避けられるという利点が見いだされ、ほかのスーパーは敵わない存在となりました。

開店前に、説明会で住民から危険だと意見があったという、スーパーの敷地につながる狭かった道路も、歩行者通路の幅を減らす工事をして、車の通行がより安全になりました。

大きな店というと、なんだか開発的な地元がおびやかされていくような、そんな不穏なイメージでしたが、生活が便利になるというのを実感しています。

変化を嫌がっていたのは、ほかならぬ僕でした。

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