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ゴールデン日和

ここしばらく、犬猫さんへのトキメキから少し離れていた。

冬にはネコはあまり外にいないし、犬の散歩をしている人はいるものの、わたしの方があまり活動的ではなかった……ということもある。とにかく、目にはしていても、わたしの注目度が下がりぎみだったのだ。

そんな折、名前を知らないご近所さんのところのステッラと偶然会って、少しその感覚を思い出した。

ステッラはメスのゴールデン・レトリバー。
昨年は4歳と聞いたので、今年は5歳になるのだろう。
明るく元気で人懐こいコで、よく知らない人間のところにも「遊んでーーー!!!」とばかりに駆け寄って来る。
はじめて会ったのは2年前ぐらいかと思う。その時はまだ名前は知らなかった。
ただ、遅まきながら、ゴールデン・レトリーバーはわたし好みだとは、ここ何年かで気が付いていた。そのため、散歩中に寄って来た際に「ゴールデン・レトリーバーですか?」と飼い主さんに確認したら、「そう、ゴールデン・レトリーバー」と。
他の別の犬種だったら、あえて尋ねることもなかったかもしれない。

ステッラは、ボール遊びが好きなようだ。
それは、たいていの犬の習性なのだろうけれど、嬉々として走り回っている時の表情が、本当に楽しそうで、嬉しそうなのだ。それを目にすると、犬でもそれぞれ表情が異なるものなのだなぁと気付かされる。そして、そういった彼女のポジティブな雰囲気は、わたしのような長らく動物と距離があった人の懐にもスルッとすべりこんで来て、心くすぐられる。それは、元々の犬好きさんだったら、なおさらかわいくてたまらないのだろう。

たいてい、近所で放して遊ばせているのだが、人が来ると、遠くからでも飛んで来るので、飼い主さんは声をあげて静止させようとする。
今回は、ボールは咥えていなかったものの、50メートル走でもするかのように突進してきた。
「ダメ!ダメだよ!」と言われて、わたしの足元で止まり、鼻先がつくかつかないかの距離で匂いを感じていたの……か?
「ただ、挨拶したいだけなんだ」
ステッラの行動を代弁するように、飼い主さんは言う。
その言葉を受け、わたしは彼女の顔を見下ろしながら「チャオ」と言った。
すると、飼い主さんも「チャオ」と言った。

うん?わたしの「チャオ」はステッラへの挨拶だったのだが、飼い主さんはもしかして自分への挨拶だと思って「チャオ」と返答したのだろうか?



ちなみに、リンク内↑の飼い主さんと、この文に登場している飼い主さんは異なる(家族なのかな?と想像していますが)ので、ゴールデンはゴールデンでも、ゴールデン違いの可能性はなきにしもあらずです。

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