見出し画像

イタリア男の典型とは思わないでほしいのですが...

イタリア人の友人の友人に、なんと言うか……よく言えば、コメディ映画かリアリティーショーの登場人物のような言動をする人がいる。
どう考えても笑いを取れてしまうのだが、本人はねらっているわけではないようで、いたって普通にそうしているとのこと。良くて3枚目だろうけれど、実生活で2枚目役であるかのように振る舞っているのが、本人知らずのうちに、なんとも他の人の笑い/失笑を買ってしまうのだ。

仮に彼の芸名(ニックネーム)をここでは「スイート99」とする。

スイート99が頼りにしている友人Aは、友人Bからスイート99から受け取ったというボイスメッセージの転送を受け取る。

スイート99→友人B→友人A→わたしたちその他の人

スイート99:B、ひとこと言わせてもらうけどさ、俺は今でも女を惹き付けちゃう魅力があるんだよ。それは、ミラノでも外国でも証明されているんだ。俺は、女の扱いが分かる男。もうそれは備わっている能力だからさ……あっ、でも、オトコ女たちはダメだ。
(注:maschioマスキオは「男性」の単数、maschiマスキは「男性たち」と複数、maschieマスキエという単語は存在しないものの、女性形・複数の語尾の定形eを付けて、「男性のような女性たち」を表す造語を作ったようである)

BはこのメッセージをAに転送した後に、この発言に対する自分のコメントをAにボイスメッセージで送る。

B : なんて自己評価が高いヤツなんだろうね。


以下に、スイート99のエピソードを紹介する。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

その1:スイート99と友人Aがイータリーに行った時のこと。

(※Eataly : 選りすぐりのこだわり食材を販売する小売店で、イタリア国内でも、その店舗のある地域によって、地元食材・メーカーの食品やメニューに特化もしているので、どこでも同じものが入手できるわけではない)

ちなみに、友人Aはイータリーのヘビーユーザーで、良顧客。一般的なスーパーと比べると割高であるが、普通のスーパーで買い物するかのように週3回ぐらいは来店する。

ある日、ふたりは席について、食事をするところだった。スイート99は、ある女性店員が目に留まり、視線を送った。すると、その女性店員は、彼らのテーブルに来て「何かご注文ですか?」と尋ねた。そこで、スイート99は「いや、なんでもないけど」と返答。女性店員は、スイート99の視線をオーダーしたいのかと思ったのだが、違った。スイート99は、友人Aに「見たか?彼女、俺に気があるんだよ」と。友人A曰く「いや、それ、違うだろって!お前がじっと見てるから、オーダーしたいのかと思ったんだろっ!」

それほど間を置かず、その次にふたりがイータリーに足を運んだ際に、スイート99は、薔薇を1輪持参していた。そして、件の女性店員を見つけるとその薔薇を差し出し、「キミに」と渡そうとした。女性店員は「はっ?なんで?もらう理由がないわよ!」と断る。「いやいや、いいから受け取って!」と続けるスイート99。「いえ、結構よ!」と再度断る女性店員。「だったら、これを……」と、自分の名刺を渡そうとするスイート99。「ちょっと、何なの??それもいらないし、もう、ヤダーーーッ!」と、ストーカーにつきまとわれているかのように怒る女性店員。その場で一部始終を見ていた友人Aは、スイート99の連れであったばかりにその仲間(ストーカー/ナンパ仲間?)のようにとらえられたと、ほとぼりが冷めるまで、イータリー来店を自粛しなければならなかった……

その2:スイート99がバスでたまたま乗り合わせた女性の乗客との会話を、友人Aに告げた話。


ある日、スイート99は、偶然バスで乗り合わせたある女性の乗客に、揺れた瞬間に足を踏まれる。スイート99はその瞬間に、あ、俺と接点が持ちたくて、わざと足を踏んだな!と思い込み、「ごめんなさい」と謝る女性に、「いや、大丈夫。ところで、名前は?電話番号、教えてよ」と言う……「え、いや、わたし、結婚しているので」と、遠回しに断る女性に、「そう?でも、これは言わせて欲しいんだけど、キミはキレイだ」と言うスイート99。
友人A曰く、「いや、マジで、それ、ホントに足踏んだだけだし!」


一事が万事、スイート99的には、周囲の女性の多くは自分に気があると思えるらしい。。。
自分に自信があるということは、まあ、幸せなことではあるけれど。。。


こんなことを書くと、読まれた方に、イタリア男はプレイボーイ・軽い・ナンパ説のステレオタイプを確信させてしまいそうなのだが、こういう人は、わたしの知っている人の中では稀である。
そして、その他大勢のイタリア人男性たちは、こういう言動をする人と同類にされるのは、おそらく心外であろう……と思われる。

面白いことは面白いけれど、それは、端から見ている分には、ということで。

to be continued…(?)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?