よく知っている人や、その人が置かれている状況を知っている場合、今はおそらく元気ではないだろうな、元気ではないかもしれないな……と想像でき、声をかけるにしても、「元気ですか？」と尋ねず、別の言葉を選ぶことができる。

毎回、「元気ではない」「疲れている」「まあまあ」という返答を返す人たちに、それは、身体的なことなのか、それとも、気分やメンタル面でなのかと尋ねてみた。そういった質問は、それほど近い関係ではない人には聞いてもよいものなのか……という問題もあるが、イタリアの人は尋ねてくる人も多いので、ここは郷に入っては郷に従え。
尋ねても、その後の話を聴く余裕がない場合はやめておいた方がよいが。そして、尋ねられても応えたくない場合には、人は応えないものであるので、そこはそれほど気にせずに。

先のわたしの問いかけには、「身体も気分的にも、両方とも疲れている」という返答が返ってきた。
身体の疲れは、よく休んだり、どこか悪いところがある場合は治療する必要があるだろうけれど、そこは、専門家に任せるとして、気分的に少し……という点において、視点をそらす質問として「元気がない時に、何をすれば気分が上がりますか？」と尋ねてみた。(あくまでも「気分的に少し……」ぐらいの人の場合で、重度の場合はやはり、専門家に助けを求める方がよいと思われる)
「旅行をする」と言う人もいれば、「犬と遊ぶ」と言う人もいた。
旅行は日常的にすぐに行けないこともあるだろうけれど、近場に足を運ぶだけでも気分転換にはなるだろうし、刺激になると思われる。実際に、五泊六日の旅行から帰って来たばかりだと言っていた。
「犬と遊ぶ」のは、まさにペットテラピー。特に、身近に愛犬がいるのならば癒やされるのだろう。犬のことを思うだけでも、少し気が晴れたようで、携帯の待ち受け画面にしている愛犬のダルメシアンの写真を見せてくれた。

メンタル面で少し元気がない場合、それに原因があるのならば、それを取り除ければそれに越したことはない。
そう簡単には取り除けない場合は、その問題と共存しつつ、自分が少しでもよい状態でいられる方法をいくつも持っている・知っていると、きっとより楽でいられると思う。

元気がない時には、何をしますか？