マガジンのカバー画像

moni communication

16
アーティスト、クリエーターへのインタビュー集と展示レビュー。 Articles on interviews with creators, Exhibition reviews.
運営しているクリエイター

記事一覧

【展示紹介】栗原亜也子 「星空のつくりかた」(2024年 伊豆大島)

アーティスト 栗原亜也子が伊豆大島で個展「星空のつくりかた」を開催横浜を拠点にするアーティスト栗原亜也子の個展「星空のつくりかた」が、2024年3月30日から伊豆大島「星の発着所」にて開催される。 アーティストのこれまでの活動や、展示に先立って行われた島での滞在制作の様子などをお伝えする。 伊豆大島は伊豆半島東側の沖合30kmに位置する活火山の島。江戸時代の噴火でできた三原山など、火山活動が生み出すダイナミックな風景、シュノーケリングなどのマリンレジャーに適した透き通った海

【展示レポート】 細見美術館 「集う人々 描かれた江戸のおしゃれ」展

今日は友人Kさんのご好意で、細見美術館で開催中の「集う人々 描かれた江戸のおしゃれ」展を鑑賞しました。 細見美術館は京都の岡崎、平安神宮やロームシアターのすぐそばにある私設美術館。明治生まれの実業家、細見良に始まる同家三代に渡るコレクションが基礎となり、日本の美術工芸のほとんどの時代と分野を網羅しています。本展も同館の所蔵品をベースに企画され、洛中や洛外を描いた屏風や風俗画などから江戸のファッションを読みとっていきます。 自分なりにあれこれ思い巡らせて鑑賞した、一鑑賞者の自由

Clémentine Sandnerの2020年展示によせて

フランス人デザイナー クレモンティーヌ・サンドネール 作品展 Réincarnation- Upcyclung Story by Clémentine Sandnerバッグを中心に着物をアップサイクルしたアクセサリーのブランド<Mikan>の創始者でデザイナーのクレモンティーヌ・サンドネールの、作品展のレポート。展示風景と共に展示に至った経緯、クレモンティーヌの着物やアップサイクルに対する思いなどをご紹介しています。 *記事は敬称略で執筆しています 四方有紀がクレモンティ

【展示予告】陶芸家 Tina Kentner "silence"

2020 年6月 19・20 日、京都・五条にて、京都在住のドイツ人陶芸家 Tina Kentner の初個展 “silence”が開催される。 Tina Kentner は母国ドイツで建築を学んだ後、パリで 15 年に渡り建築家やデザイナーとして活躍してきた。 本業の傍ら、手仕事への愛着から数年前にパリで陶芸を始め、2018年京都への移住を機に本格的な作陶に取組んでいる。 これまで大きなプロジェクトで多数の実績を積んできたが、陶芸家としてゼロからスタートを切

【インタビュー】 引き染め職人 中嶋健

2021年6月の浴衣受注会に引き続き、京都で「中嶋健 染展」を開催中の引き染め職人・中嶋健。 前回の記事では、グラフィックデザイナーからの転身という経歴を紹介したが、今回はどのようにして新しい分野での方向転換をはかったのか、詳しく語ってもらった。 大学卒業後、洋楽への憧れからCDショップの勤務を経てニューヨークへ渡った中嶋。一年間の生活の中で、海外の文化に傾倒するだけでは現地の人々と対等に渡り合えないことを痛感したという。外国への関心とともに、自国の文化への意識が芽生えるき

【展示予告・京都】I Asked the World and the World Asked Back

2020年11月14日(土)〜15日(日)、Garden Lab Kyotoにて、京都在住の三人の外国人アーティストによるインタラクティブ・イベント[ I Asked the World and the World Asked Back ] が開催される。イベントを主催するのはマルチメディアアーティストのサミュエル・アンドレ、アニメーターのジョナサン・ハガード、そして詩人のイクダ・アユ・ドゥゴール。異なるジャンルで活躍する三人に経歴と、イベントの概要について語ってもらった。

【インタビュー】 おべんとうや 西 : 方法は一つじゃない

京都の鞍馬口で週末だけの「おべんとうや 西」を営む西川教子(にしかわ のりこ)さん。旬の地元野菜を中心にグルテンフリーで弁当やカレーを提供する。お姉さんと二人で全て手作りしているメニューは、家庭料理みたいに優しい、だけど一品一品よく考えられ丁寧に味付けされているのが魅力。 平日は企業で企画職に就いている西川さんに、会社勤めをしながらお店をオープンするまでの道のりや、食や食卓への思いについて語ってもらった。 「会社に勤めていると、大きい規模のプロジェクトで人やお金やモノが

【展示レポート】 中嶋健 たゆたう – 自分で選ぶ染物 – at Len Kyoto Kawarmachi

きのう(2021年10月30日)から京都・四条河原町にあるホステルLenではじまったポップアップイベント「中嶋健 たゆたう – 自分で選ぶ染物 –」。刷毛で直接生地に色や柄をいれていく引き染めの職人、中嶋健さんが同施設のために製作した作品の展示と販売が行われる。 初日の様子を中嶋さんや、同展を企画したLenの野上千由美さんとの会話を交えながら紹介する。(記事中は中嶋さんの敬称を省略しています) まず空間に入ると、天井を大胆に行き交うブラウンベースのテキスタイルに目を奪われる

【展示予告】 中嶋健 浴衣展示/受注会 2021

↑中嶋健インスタグラムより 2021年6/19(土)〜6/27(日)、日本の引き染め職人・中嶋健による浴衣生地の受注会が京都の烏丸御池で行われる。 中嶋は京都を拠点に活動し、2019年より年一回の受注会を開催。グラフィックデザイナーの経歴を持ち、伝統的な色やデザインの枠に囚われない、鮮やかで自由な色彩が特徴。 もともと大学で建築を学んでいた中嶋は洋楽やデザインが好きだったこともあり、卒業後渡米。海外生活の中で、自分の強みとして自国の文化をきちんともつことの大切さを痛感し

【Event Info & Interview】 Mikan Sewing Workshops Spring 2021 in Kyoto

This April, Mikan invites you to join one of her Sewing Workshops in Kyoto. Mikan is a bags and accessories label, specialized in the upcycling of antique Japanese kimono textiles. Clémentine Sandner, the founder and designer of the brand,

【予告&インタビュー】Mikan バッグ ソーイング ワークショップ

Mikan が2021年4月、京都にてバッグ作りのワークショップを開催する。(イベント詳細は記事の最後を参照) Mikanは古い帯や着物をスポーツテイストのアクセサリーにアップサイクルするブランド。ブランドの創始者クレモンティーヌ・サンドネールは日本を拠点に活動するフランス人。日本の古い布地に魅せられ、単なる再利用でなく付加価値をつけて蘇らせる<アップサイクル>に取り組んでいる。また環境配慮への意識の高く、近年はDIY (Do It Yourself=自分で作る)の提案も積

【展示レポート】 栗原亜也子個展

2020年10月10日(土)から11月21日(土)まで京都のHRD Fine Artで開催されている、栗原亜也子個展 <I Am Here, There and Everywhere: Mind Games 2020>。横浜出身の栗原氏は国内外で10年以上に渡りオセロゲームをモチーフに製作を続け、様々なコミュニケーションを提案してきた。本展ではギャラリー滞在に加え、これまでの活動の延長であるオセロの遠隔対戦、制作風景のライブ中継などを通じ、来場者・観覧者と様々な交流の試みがみ

【インタビュー】アーティスト・栗原亜也子:私はここにいる_2

京都市上京区にある現代アートギャラリー HRD Fine Artでは、2020年10月10日(土)より、栗原亜也子個展 <I Am Here, There and Everywhere: Mind Games 2020>が開催される。 横浜を拠点に活動する栗原氏は国内外でオセロを用いた作品群を制作・発表してきた。今春アトリエにこもって制作された大型作品についてや、その間活発に行ったSNS発信に込めた思い等、ステイホーム中の様子を語っていただいた。 インタビュー①はこちらから

【インタビュー】アーティスト・栗原亜也子:私はここにいる_1

京都市上京区にある現代アートギャラリー HRD Fine Artでは、2020年10月10日(土)より、栗原亜也子個展 <I Am Here, There and Everywhere: Mind Games 2020>が開催される。 横浜を拠点に活動する栗原氏は国内外でオセロを用いた作品群を制作・発表してきた。ゲームの性格上、他者の存在を必要とする本シリーズは、一対一でのゲームの他、不特定多数の大規模参戦、遠隔対戦等、様々なコミュニケーションの試みが行われきた。時代が大きな