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恋するモミアゲと角刈り

~皆様、スポーツジムに通ったことはありますか?~


便利な世の中になるにつれて
運動不足の人が増えた今
急激にスポーツジムなどの需要が
高まり利用する人が増えました。




私も利用することもありますし
大学生の頃、スポーツジムでアルバイトしたこともあります。




そんな、私がスポーツジムで
アルバイトしていた時
恋愛大戦争をしました。


その時の甘酸っぱい青春のひととき
どうか皆様聞いていただけないでしょうか?








私は当時、
同じスポーツジムでアルバイトしている
アズマさん(仮)という年が2つ上の先輩に
恋をしていました。


アズマさんは
大人っぽくて包容力があり
いつも私に優しく仕事のことを
教えてくれて
当時ちょろかった私はすぐ好きになりました。





しかし、そんな私の恋路を邪魔する
ライバルがいました。

それは同じくスポーツジムで働く
角刈りのテラグチくん(仮)です。




テラグチくんは私と同い年で、
アズマさんを狙っているのが
バレバレでした。


シフトが入っていないにも関わらず
わざわざアズマさんが働いてる日を狙って
かっこつけて運動しにくるのです。


私は普段、まりもっこりのような目つきをしていますが
テラグチくんが
プライベートでジムに来る時だけは
目を全力で開き、睨み付けていました。


テラグチくんも
そんな私を見ると
白目を剥いて威嚇してきます。


そんな感じで
私とテラグチくんは
いつもバチバチにいがみ合っていました。






そんな、ある日
私とテラグチくんが

アズマさんから
施設の社員しか入れない小さな個室に
呼び出されました。



テラグチくんと私は
なぜ呼び出されたか知りません。




私は、(テラグチくんを除けば)
好きな人と密室にいるという
何かドキドキするような
シチュエーションに緊張しました。


テラグチくんさえいなければ
告白されるシチュエーションです。


テラグチくんを見ると
目をギュっと閉じて
自力で二重を作ろうとしていました。


テラグチくんも告白されると
思っていたのか往生際の悪いことをしていました。






私とテラグチくんがドキドキしている中、
アズマさんが
とても気まずそうに
こんなことを言うのです。







「お客様からね。

2人のどちらか
夜の閉店間際に、まだ1人運動中で
残っていたのに電気消した人がいるって
お叱りを受けたんだけど


心当たりある?」






私は全く心当たりがありませんので
強く否定しました。

テラグチくんも心当たりがなさそうで
強く否定していました。




すると、テラグチくんが
「モンキーパンツがやったんだろ」
罪を擦り付けようとしてきます。


私も負けじと
「いや、テラグチくんのほうが怪しいね」
と応戦します。


少々の小競り合いをした後
テラグチくんがアズマさんに聞きます。


「その犯人の特徴は、お客さんは何か言ってませんでしたか?」



アズマさんは、
またものすごく気まずそうな顔をして
答えます。











「女性にモテなさそうな人だって言ってた。」






その瞬間、さっきまで小競り合いをしていた私とテラグチくんは固まります。




どうやら、アズマさんは
お客様から聞いた犯人の特徴を聞いて
数ある男性社員がいる中

真っ先に私とテラグチくんが
思い浮かんだみたいです。








私は、やれやれとため息をつきながら
やってもいない罪を認めました。


とにかく、一秒でも早く
この場を終わらせて
テラグチくんと飲みに行きたかったのです。


テラグチくんも、早くこの場を終わらせたかったのか「アズマさん!モンキーパンツを責めないでください!」と私の肩を抱きながら一生懸命庇ってくれました。





それから
私は、テラグチくんを
目を全力で開いて睨むことをやめましたし
テラグチくんも私に対して
白目を剥いて威嚇することは無くなりました。



私達の恋は終わりを迎えましたが
その代わり、固い友情が生まれたのです。


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