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#028 懐かしいバリトン・サウンド『ドリーム・ア・リトル・ドリーム』

高校時代 #ブラスバンド 部に所属していたことは以前述べたが 、 最終的にはバリトンサックスを吹くようになりバンドの低音部を支えることになった。

そして同じサックスを吹いている #ジェリーマリガン の音楽に出会い、好きになった。

ジェリー・マリガンは とても知的なミュージシャンという印象を持っている。

フォーマットを作るのが上手く、例の #チェットベイカー とのピアノレス・カルテットを始め #アストゥル・ピアソラ と組んでみたり #コンサート・ジャズ・バンド を組んでみたり、 #アート・ファーマー らと、アンサンブルを組んだり、まぁ、 とにかくいろんな企画を立ち上げてくる。そして、そのいずれも、(商業的には今一つでも)ファンの心に刻まれているのだから、立派である。

 そんなマリガンが、晩年、本職のバリトン・サックス一本で挑んだのが この作品である。

バリトン・サックス一本で挑んだ作品は他にもあるのだが、印象には残りずらい。アドリブがうまくないわけではないのだけれど、やはり、バリトン・サックスという音色的にメリハリが出ずらい楽器であることや、フレーズのひらめきなどは、一歩を譲るところがあるのかもしれない(だからこそ、彼は「フォーマット」にこだわったのかもしれない)。

バリトン・サックスという楽器を選んだのも、テナーやアルトでは、勝負する相手が多すぎると思ったからかもしれない。

しかし、ここでは、すこし過去を回想するような、味のあるいい演奏をしている。ジャケットがあまり中身を語っていないのが残念だけれど、テラークというレーベルのいい録音(バリトンサックスの「むつかしさ」をよく捉えている)も相まって、堪能できる。

「マイ・シャイニング・アワー」を聞きながら朝を迎えることが多かった。ちょっと仮眠をとって、さぁ、朝練の時間だ。


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