オカルトは暗いのか明るいのか

(これは10年以上前に書いたものです)

 私はアメリカ人がうらやましい。アメリカにはタブロイド紙と呼ばれるモノが有る「ウィークリー・ワールド・ニューズ」だの「ナショナル・エンクワイアラー」だの「ザ・サン」だの、名前を挙げれば「ああ、あれか・・」という人の多い大衆紙である。「水槽で飼えるミニクジラ登場」、「空母ニミッツに円盤が着陸」、「日本のカニ料理店の看板、通行人を襲う」、「4歳で大人になってしまった娘」、「ロビンフッドの遺体発見」・・もういい加減にしてくれと言いたい位のヨタ情報が毎回毎回トップを飾る、彼らの文化を象徴するような新聞なのだ。よく「東京スポーツ」や「ムー」に転載される事があるあれだ。馬鹿にするつもりはない。本気でこのバカ新聞を愛せる彼らが心底うらやましいのだ。

 私もバカは大好きだ。もう30過ぎになるが、「水面を歩くキリスト人形」なんていう記事に関係無いところで接すると心がなごむし、理屈抜きに楽しい。もはや私は倫理だのきまりだのに縛られた、「正しい情報」や「確かな紙面」という言葉には飽き飽きしている。一つで良いから、毎回ウソや出任せやハッタリばかりぶちかます雑誌や新聞が、日本でも出てこないものかと腹の底から思っている。日本だってその昔、「かわら版」の頃はどう考えてもおかしい、実在の事件を勘違いしたような紙面があったではないか。もっとも今の日本人はこういう遊びが苦手なのかもしれない。ネット上でこういった試みはあるものの、やっぱり手詰まりになるのが早いような気がする。

 そんな中、ひそかに何かやってくれると思っているのが、兵庫にある某UFO撮影団体だ。龍やスカイフィッシュの姿を捕らえ、天女型異星人と接触したという彼らのその姿は、時折テレビや雑誌でも見ることができるという。まったくもって怪しいが、どこかすっとぼけているようにも感じる。これからに期待したい。

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