0-2-0の謎

 鉄道模型のKATOがHOナローで「ヘンシェル0―2―0」というのを出す予定というのが、ちょっと話題になった。実際に出るときには大騒ぎになるんじゃないかという話だった。
 もちろん、自分達で作るんじゃなくて、他の会社の製品を取り扱うんだろうけど。

 ここで、わからない人の為に「軸配置」の話をしておく。
 機関車の動輪及び先輪、従輪の並べ方については、その用途に応じて各種あり、国によって呼び方や表記が違う。

 あのトーマスはCタンク。この「C」ってのはドイツ式の言い方で、イギリスでは0―6―0(タンク機だからTを付ける)、アメリカでは「シックス・カップルド」になる。
 パーシーは「B」、イギリスでは0―4―0(サドルタンクなのでSTを付ける)、アメリカでは「フォア・カップルド」になる。
 ヒロは「1D1」、イギリスでは2―8―2、アメリカでは「ミカド」になる。「ヒロ」が「ミカド」ってのはあまりに出来すぎなウィットである。知らない人に解説はすると、今上天皇は英国留学中、「ヒロ」と呼ばれて親しまれた。

 では0―2―0ってどうなる? これは「A」になるのか、真ん中に1軸の動輪しかないことになる。倒れるだろ。今こんな機関車を模型で作れる人は多分、日本では、まさきさんという人しかいない。

 実は他にフランス式というのがある。アメリカ式で言う「パシフィック」はフランス式では「231」になる。先の「0―2―0」もどうやらフランス式の「020」の間違いだったようなのだ。イギリスでは0―4―0になる。

 但し、先のような騒ぎが起こる可能性が無くなった訳じゃなくて、これはスチームトラムなのだ。スチームトラムというのは「天空の城ラピュタ」に出てくる鉱山鉄道の機関車や「きかんしゃトーマス」のトービーのような機関車である。ナローとはいえ新しく完成品で出るのはちょっと珍しい。

サポートありがとうございます。 はげみになります。