アニメ思い出し語り 31 Dr.スランプアラレちゃん

 ポップな電子音、軽快なイントロ、マンガ的な「走っている人」の表現、続いて女の子、羽の生えた小さな子、そして男性が現れ、タイトルが映し出される。

♪ きったぞ〜きたぞ ア〜ラレちゃん〜

 水森亜土タンの歌うこのオープニング曲「ワイワイワールド」は、自分にとっては何よりも1980年代はじめを象徴する曲なのである。
 なお、タイトルのDr.スランプとはここに映る男性、千兵衛さんの事なのである。本当は千兵衛さん主役で、発明品によるドタバタコメディになるはずだったのが、担当編集者の助言により、女の子のロボットアラレちゃんが主役になった。それがアニメにも持ち込まれた訳である。

 担当のマシリト氏の見る目はさすがであり、千兵衛さん主役では、社会現象となるまでの大ヒットにならなかっただろう。

 社会現象といえば、「おはようナイスデイ」だったと思うが、「アラレちゃん人気で、こちらのお店でもお菓子のアラレが売り切れ、センベエさんしかありません」とかやっていた。本当かよ。

 そして低年齢層にもウケたのは、このアニメ版の存在が大きいのは間違いないが、一方で「いや、アニメ版はちょっと……」という人もいる。

 それは主に低年齢層への配慮によるもので、他の諸々の制約による変更、尺の関係で原作より1つの話の長さを引き伸ばしたり、セリフを増やしたり、こういった事で原作の持っている味とは違うものになってしまったという。

 自分も「イチゴパンツ大作戦」の「みっちゃんみちみち」の部分が改変された所など、非常に残念だった覚えがある。代わりに「ハートで勝負!」の「う〜ちの親父はハゲアタマ〜」は印象に残ったものだった。

 あれ? 「おつかいガッチャン」ってアニメ版ではセリフはどうだったんだろう。

 あ、「パニックイン散髪屋」の回に出てくる図々しいテレビレポーター、原作だとスッパマンとは(知識がないと)分からないよなあ。

 アラレちゃんのCVの小山茉美さんにしても、初期アラレの「はかせ、とべません!」もこなせる人なので、初期原作に近いバージョンだったらどうなったかとも思う。

 なぜか原作だとずっと後のエピソードが、アニメ初期に出てきた事もあった。お手伝いロボットのアキコさん登場回がそれだ。

 先に「制約」の話を書いたが、逆にアニメ版が暴走気味だったエピソードもある。「都会からの転校生」はなぜかスター・トレックの登場人物に似ているスコップくん登場回なのだが、原作だとスター・トレックのエンタープライズ号の第2船体っぽいスコップくんの家が、アニメ版では第1船体と第2船体が接続された形だったのである。いいのか? 
 さらに言うと、千兵衛さんがスコップくんを「みらいカメラ」で撮ると、将来宇宙船の乗組員となる事が判明。ここで「宇宙大作戦」のテーマっぽい曲が流れるのだった。いいのか?


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