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初めましてモノカタリです。物語書いてます𖠚ᐝ 初めての方はぜひ、自己紹介記事を読んでく…

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初めましてモノカタリです。物語書いてます𖠚ᐝ 初めての方はぜひ、自己紹介記事を読んでください♡

最近の記事

ショートショート『君となら』

緑あふれる五月の公園。 「こっちだよー」 「まってー」 公園に響き渡る笑い声 無邪気に走りまわる子供たち 読書をするひと 写真を撮るひと 散歩をするひと 思い思いに過ごす大人たち。 新緑が芽吹くこの季節は カナールの水面に反射する光が キラキラと輝きを放ち 緑の美しさを一層に際立たせる。 かなえは今日も芝生にすわって お気に入りの本を読んでいた。 すると、 「それ、おもしろい?」 どこからやって来たのか かなえに声をかける男の子。 「うん、おもしろいよ

    • ショートショート『金継ぎ』

      時を超えて繋がる 思い出とご縁。 金継ぎは壊れたものに 新たな息吹を宿していく。 優子は、テレビで見た金継ぎを 自分もやってみたいと思った。 台所へ行き、食器を探す優子。 すると食器棚の奥に、 使われていない 古いお皿を見つけた。 白を基調に青やピンクの 小さなお花模様が並んだお皿。 「使ってないんだからいいよね」 そう言って優子は 手に持っていたお皿を床へ落とした。 ガシャーン! 家中に鈍い音が響き渡る。 大きな音に驚いた母が 急いで台所へやって来た。

      • ショートショート『レモンケーキ』

        山の麓の小さなお店。 レモンケーキしかないお店。 だけどここには、いろいろなところから 多くの人がやって来る。 レモンケーキに使うたまごは ご近所にある養鶏場のあかりさんが 毎朝、採れたてのたまごを持ってきてくれる。 今日も両手いっぱいのたまごを抱え あかりさんがやって来た。 「つぐみちゃーん、卵持ってきたよ」 「あかりさん、いつもありがとうございます!」 「こにらこそ。そういえばつぐみちゃん、  市内にお店を出店する話、断ったんだって?」 「はい…声をかけて頂

        • ショートショート『春恋』

          桜舞う春のころ、 人は出会いと別れをくり返す。 人々が動き始めるこの季節、 凪(なぎさ)が勤める結婚相談所にも 出会いを求める人たちがやって来る。 「よろしくお願いします」 人生のパートナーを求めて  この日、初めて相談所にやって来た20代男性。 彼の名は葉山 蓮(はやま れん) 蓮は、身長が高くて顔立ちも綺麗だ。 歩いているだけで声をかけられそうなくらい モテそうな彼が、どうして結婚相談所に登録したのだろうか。 初めて蓮を見た凪は疑問に思った。 何か理由があるのだ

        ショートショート『君となら』

          ショートショート『木こりの家』

          都会の喧騒から逃れるように 私は山へやってきた。 木の温もりを感じられるログハウス。 ひと目惚れだった。 おひとり様の私は いつどこにいようと 誰かに縛られることもない。 毎日が自由気ままな人生だ。 それでも 誰もいない山の中で 暮らしてみたいと思った。 毎朝、散歩がてら木の枝をひろう。 大自然を感じながら、焚き火をする。 キーンと張りつめた 真冬の空気を感じながら パチパチとはじく焚き火の音を聞く。 お湯をわかし、 豆から挽いたコーヒーを淹れ 香りを楽しむ。

          ショートショート『木こりの家』

          ショートショート『おでんと若者』

          すっかり日も暮れて、 通りを行き交う人たちが少なくなった頃。 街灯の灯りが点々と、夜道を照らしている。 そこへ漂ってきたお出汁の良い香り。 おでん屋さんだ。 すると、店内から、 話し声が聞こえてきた。 店内には、店主と若者が一人。 「この店を、たたもうと思う…」 店主が若者にこう切り出した。 「えっ…急にどうしたんですか⁉︎  こんなに美味しいおでん  食べられなくなるなんて、残念すぎます!」 突然の訃報を受け取ったかの如く、 若者の表情は、 驚きと喪失感に溢

          ショートショート『おでんと若者』

          ショートショート『おばあの台所』

          「はあ……」 「綾子さん、どうしたんですか?」 給食調理の綾子さんは 肩を落とし、何か困ったようにため息をついた。 「夏海先生、これ見て。  最近、給食の残飯が多いのよ」 「お休みの人数も把握して作ってるはずですし、  給食は残さないように先生達にもクラスでの  指導をお願いしているんですが…」 「そおなのよ。一生懸命作った給食が、  こんな形で戻ってきたらさすがにへこむわ…」 「すみません」 「夏海先生が謝ることじゃないわよ。  でもね、やっぱり子供達に美味し

          ショートショート『おばあの台所』

          ショートショート『女神のわすれもの』

          湖のほとりで星を眺めていた私。 そこへどこからともなく現れた美しい女性。 「隣、いいかしら?」 その女性は、私に話しかけてきた。 どこから来たのだろうか、 私は、不思議に思いつつ その美しさに思わず見惚れていた。  まるで女神だ… 「は、はい、どうぞ」 私はたどたどしく返事をした。 「星がきれいね」 女神の目にはきらりと光るものが… 「大丈夫ですか?」 「…どうして?」 「だって泣いてるから」 「私ね、わすれものを探してるの」 「わすれもの…?」 「

          ショートショート『女神のわすれもの』

          monokatarii自己紹介

          はじめまして、monokatariiモノカタリです。 読んで頂きありがとうございますᵕᴥᵕ 私は、シングルマザー(1児の母です) monokatariiの世界観なんかいいな、 なんか好きだな♡と感じてもらえるお話を これからも書き続けたいと思っています‼︎ 自分の出来ることで、誰かのために そして私のために。という思いで もの書きを始めました。 パートしながら、子育てしながらではありますが これからも更新し続けますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします‼︎😊 ここ

          monokatarii自己紹介

          ショートショート『ノストラダムス吉田さん』

          ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 日給1万円 10:00〜18:00(休憩60分) 完全週休二日制(土日) 社会保険完備 《募集条件》 忍耐力のある方 採用担当:橋本 TEL:××-×××-××× ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 紗栄子は先日、10年勤めた会社を辞めた。 もうすぐ33歳。 やるべき仕事を片付け、定時で帰る日々。 紗栄子はそれで良いと思っていた。 しかし、 その日は突然やって来た。 「

          ショートショート『ノストラダムス吉田さん』

          ショートショート『煮干しのきもち』

          はぁ〜、極楽極楽。 良い湯加減ですね。 良いだしは湯加減大事ですから。 今日はお味噌汁ですか、 だし友の鰹節さんもご一緒です。 私は昨日まで、スーパーの乾物棚に 並んでいました。 「奥さんいかがですか〜  煮干しはここですよ〜  良いだし出しまっせ〜  おやっ、何だかみなさんお疲れ顔ですね。  おっ私ですか?  手が伸びそうだ、どうだ、、  おーっと毎度ありがとうございます!  私にもようやく出番がやって来ましたよっ」 ✳︎ 「うぇー、何これ⁉︎」 「煮干しよ、栄養

          ショートショート『煮干しのきもち』

          ショートショート『涙のホイッスル』

          高校サッカー選手権、決勝戦。 A校vsB校の試合。 前半、A校の一点リードで折り返し後半へ。 ハーフタイム中のA校、ロッカールーム。 「絶対に最後まで気を抜くな!  お前達なら絶対に優勝出来る!  自分を信じて、仲間を信じて!」 チームを鼓舞するのはキャプテンでも、監督でもない。 ✳︎ 3年生最後の大会。 達也は、エースとして今日という日を迎えるはずだった。しかし大会直前、練習中に足を負傷してしまった。 全治3週間。大会出場は絶望的となった。 本当に悔しか

          ショートショート『涙のホイッスル』

          ショートショート『路地裏マイホーム』

          就職して初めて一人暮らしをする事になった壮亮。実家にいた頃は、料理はおろか洗濯すら自分でやったことはなかった。 人見知りで恥ずかしがり屋な壮亮は、毎日晩ご飯をコンビニ弁当かスーパーの総菜で済ませていた。一人でカフェに入ることすら出来ないのだ。 入社して半年が経つのに、なかなか職場にも馴染めないでいた。同期会では、みんなのノリについていこうと頑張ってみたものの見事に空回りした。 ある日、晩ご飯を買いにスーパーへ向かっていると、魚を焼く香ばしい匂いが漂ってきた。匂いにつられ

          ショートショート『路地裏マイホーム』

          短編小説『ハルカゼに恋して』

          https://novel.daysneo.com/sp/works/3b09dccc8f55d22858a7bb38b3ea2c51.html 読んでくれる方が、読み終えたあとにほっこりとした温かさを感じてもらえるよう書いた作品ですᵕᴥᵕ ⁡ 物語を通して伝わる感覚を大事にしたいと思っています✐✐ ⁡ monokatariiの世界観を楽しんで頂けたら幸いです♡よろしくお願いします𖠚ᐝ

          短編小説『ハルカゼに恋して』