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ストーリーを変えられるなら


夜中に、ソファーの上でチョコレートアイスをむさぼりながら思い出した。


大学3年生の春、友人たちと約10分間のショートフィルムを作ったなと。


そうそう、まさに下の画像みたいな感じ。
ずっしりと重たいカメラと三脚を担いで。ロケハン暑い〜〜って言いながらみんなわいわい楽しかったな。



受講者は50人くらいだったと思う。それぞれのグループで自由にテーマ決めから完パケ化までぜ〜〜んぶやって!っていう夢のような講義。3ヶ月くらいかけて脚本、演技、撮影、編集、作品と予告編合わせて15分間で納品し、上映会で、点数化して評価を可視化し順位付けまでやる。作品さえしっかり提出できれば、学校来なくて良い、教授何もしなくて良いという先生と生徒がWin-Winなやつ〜〜。ただし、単位が取れるかどうか厳しく審査されるため、真剣に取り組まねばならない。(4単位は貴重)


その講義ににどんなねらいがあったのかはさっぱり覚えてないけど、

「決められたテーマ(枠組みの中)で、決められた問題の解となるような作品を作りなさい」ではなく「自分たちの課題意識(社会や自己に内在する)に気づき(設定し)自分たちが作品を通して観客に投げかけなさい。もしくは、答えを見つける過程をみせなさい。」これだなと思った。大枠でもテーマがある方が、作る側も見る側もラクだと思うし、より正解に近い作品の点数が高くなるからみんな納得して講義を終えられる。しかし、そうではないから面白い。


問題設定を自分たちでやりんしゃいと。
ええやないかいと思った。


それで私たちが設定した作品のテーマが

自由個性

作品名は

イロ・イロ・イロ


グループのメンバーは自分を含め5人。わたしは「カメラに映りたくないから」というめちゃくちゃ自己中な理由で、脚本を書くことに決めた。とは言え、LINEとGoogleドキュメントを駆使し、「ああでもない。こうでもない。」とみんなでわいわい言いながらリモート編集してた気がする。わたしを筆頭に、みんな学校にきたがらないのだww


チームのみんなには公表していなかったが、宇多田ヒカルさんの「COLORS」という楽曲からインスパイアされて脚本を作った。
わたしは彼女が大好き。



主人公(M子)は、将来に悩む大学3年生の女の子。普通と違うところが、その女の子は、視界がモノクロであるということ。写真を生業として生きていきたいが、自分の生まれつきのコンプレクスと父親との意見の衝突で進路選択に葛藤している。


そんなM子はある日、父親と大喧嘩し、身寄りがないまま家を飛び出してしまい、たまたま見つけたシェアハウスに転がり込む。シェアハウスの住人はM子を含めて4人。1人目は風景描写好きな画家、2人目は売れない地下アイドル、3人目はオヤジダンサー(演じたのはわたしww)。みんなそれぞれ将来違った夢を持っている。


ちなみに、わたしは散々カメラに映りたくないと主張しながら、人数が少ないからという理由で、結局、役を持つことになる。それも、世界平和のために踊るダンサーで、常時サングラスとキャップを身につけ踊りながら「LOVE&PEACE」しか言わないおじさんw。スーパー大クセ人間である。
チームの誰からも何もツッコまれなかったけど、今考えたら、設定おかしくない??


そういえば、これにはたしか、一理あったのだった。
この作品自体、「モヤモヤ感が残る」あまりスカッとしないものに仕上げたかった。と言うか、正解を見ている側に作って欲しかったのはあって。
それと、主人公の視覚・感情と連動して映像の明度・彩度を変えていくものであったため、「ほぼ白黒フィルム」であったから。パンチの効いたDJ KOOさんのような人物が必要だと考えた。(当時、DJ KOOさんのことは知らなかった。)


ああ、でも結局、M子の夢の背中を押すために、割とちゃんと喋った記憶がある。サングラスとキャップを外して、「LOVE&PEACE」しかしゃべれないと思われていたおじさんが、まともなこと言うというオチ。


そのおじさんがきっかけで、M子は夢へ一歩踏み出し、有名な写真家になり、個展をひらき、成功するというハッピーエンドな結末。



結局映像だけ単純につなぐと1時間超になってしまい、だいぶカットすることになった。ネタをモリモリに盛り込みすぎた。編集の細かい部分は、得意な男の子に全部丸投げするという。。


今、もし同じようなテーマで作品を撮るとしたら

・恋愛の要素を足す(女子が共感できる)
・視覚がカラー→モノクロへの暗転(逆Ver)
・写真から感情が読み取れる(何かしらの特殊能力が手に入る)

などなど。

結果として、1位は取れないというこれまたモヤモヤとした結果になったのだけれど。久しぶりにヒューマンドラマ系の作品が見たくなったな。


スマホ片手に手首がそろそろ痛い。


アイスも溶けそうなので、今日はこのへんで。














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