約2年半ぶりに、一部の観客席限定で「声出し応援」が再開された7月2日、栃木SC戦。ユニバーサルスポーツ体験コーナーにはビッグゲストが来場し、いつも以上の盛り上がりを見せていました。

火ノ玉JAPANが来県! パラリンピアンと交流・対戦も！

ユニバーサルスポーツ体験コーナーは「ボッチャ」でした。東京パラリンピックで話題を集めたこともあり、同コーナーには何度も登場し、毎回たくさんの方にご参加をいただいています。
さらにこの日は、日本ボッチャ協会とのコラボが実現し、2022年度公益財団法人日本財団パラリンピックサポートセンター助成事業「ボッチャキャラバン2022 in 山形」を実施。東京パラリンピック teamBC1,2銅メダリストの廣瀬隆喜さんと、蛯沢文子さんの2022年強化指定選手2名が来場しました。参加者は、廣瀬選手や蛯沢選手、日本ボッチャ協会のスタッフの方にルールや戦略を教わりながら、試合形式で楽しんでいました。

参加者の中には車椅子ユーザーのサポーターの姿も。「日本代表選手と試合ができるなんて、そうそうできないこと。目標に向かって正確に投げられるのはもちろんですが、ストレートに投げるだけではなく、テクニックや戦略が素晴らしかった!」と、試合後に興奮気味に話してくれました。
選手のお二人は、試合だけでなく、サポーターと雑談をしたり、ときにはテレビで活躍を見ていた参加者からサインを求められたりする一幕もありました。

対話を重ねて、お互いを知ることにより広がる世界

コーナーにいらした方には、家族や友人同士、ときには知らない人同士で即席チームを組んでもらい、2チームで試合を行いました。戦略を考えなければならないので、ついさっき出会った人同士でも、すぐに打ち解けているようでした。また、今回は、山形大学の学生ボランティア5名からもお手伝いをいただきました。学生らは、協会の方にルールを教わった後、実際に参加者に説明をしたり、試合をしたりと大活躍でしたが、「テレビで見て思っていたよりも、実際にやると難しいと思いました。シンプルだからこそ、戦略も幅広く、短時間でしたが奥深さを感じました」と感想を話してくれました。また、「今日、体験してくれたみなさんは、年代も性別もさまざまで、車椅子の方もいましたが、一緒に試合をすることで、交流が生まれていました。多くの人が同じように楽しめるのが魅力ですね」とも。

「ボッチャキャラバン」は、ボッチャ競技の啓発と地域での競技力向上のために、年に2回行っている事業です。今回も、モンテディオ山形での体験会のほか、山形県内の小学校や養護学校での体験授業、体育館でのサポーター講習や公開練習を行いました。蛯沢選手は「小学生には体験したことがあるという人が思った以上に多かったです。モンテディオ山形のサポーターのみなさんにも、興味をもっていただきました。今後は、パラリンピック出場を目指して、自分も練習に励みたいと思います」と今回の来県を振り返ります。また、廣瀬選手は、「今回はサッカーの会場でさせていただきましたが、スポーツの垣根を超えて、普及に努めていければと思います。はじめはルールもわからなかった方が、最後はとても盛り上がって『もっとやりたい!』と言ってくださることもありました。また、わざわざ、私に会いに来てくれた人もいてとても嬉しかったですね」と笑顔で話してくれました。

昨年から毎ホームゲームでユニバーサルスポーツ体験コーナーを行っていますが、今回のようにたまたま同じ時間に体験した、見ず知らずの人同士で即席チームを作って、ミニゲームをしてもらうこともあります。お互いに遠慮したり、人見知りをしたりしてしまって、盛り上がらないかと思いきや、サッカーが好きな人同士、すぐに打ち解け、楽しんでいる姿がよく見られます。なかには、職場や学校で関わらない年代同士や、障がいの有無などに関係なく、日常では出会わない相手のこともあります。また、今回のゲストの2名のようなパラリンピアンとの交流も、なかなか機会がないことでしょう。
キックオフ前の、ほんの少しの時間かもしれませんが、ユニバーサルスポーツを通して交流を広げる機会になればと思います。
 
2022モンテディオ山形SDGsコーナー体験記 vol.11
2022/7/2（Sat）
第24節
vs 栃木SC
 
ライター
松田 陽

●SDGsパートナー