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平日デーゲーム「エデュケーショナルデー」はクラブの可能性を広げた

平日デーゲーム「エデュケーショナルデー」。観客動員数は6,432人。
多方面から反響をいただく興行となったこの日のことを振り返りたいと思います。
エデュケーショナル開催の背景は別noteでもまとめているのでそちらをご覧ください。今回は補足的な要素も組み込んでいます。

平日の昼 こどもたち3,000人がスタジアムに来場

構想は昨年末にスタート

2023シーズンの集客計画をしていた時、代表の相田から「平日昼間にエデュケーショナルデー」をやってみないか?という打診がありました。
高校生マーケティング探求しかり、U23マーケティング部しかり、若年層を巻き込んだ取り組みに積極的な投資をするクラブの考えとして妥当性も感じたので、二つ返事で「やりましょう!」と言った記憶があります。
そこからはすぐにコンセプトと付随するコンテンツの計画をし、営業と連携したスポンサー商材も同時に進めました。各部署の動きがとてもスムーズだった印象があります。

こどもを集めるだけでは「エデュケーショナルデー」ではない

サッカーを観る行為そのものがもたらす好影響というのはあれど、それだけが主となってしまうとエデュケーショナルデーとは言えません。
コンテンツ先行ではなく、こどもたちにどのような教育的価値を提供できるか、したいかを逆算した上で中身を決めていきました。詳しくは上記のnoteに記載していますが、【知的好奇心の向上】【子どもたちの健康課題の解決】【他者への理解を深める】【コミュニケーション機会の活性】を4つを切り口にしました。
すべてのコンテンツはクラブ単独では実施できないため、各パートナー企業・団体様の協力のもとに実施しました。
中でも、初期段階から共に構成を考えていただいた教育企業ワンダーファイ株式会社様には本当に助けていただきました。

今回実施したコンテンツを写真で紹介します。

ワンダーファイ社考案知育アプリ「シンクシンク」のリアル版
SDGsカルタ
ユニバーサルスポーツ体験「ボッチャ」エリア
元なでしこリーガーによるジェンダー・ダイバーシティ講演会

これ以外にも、シンクシンクその他コンテンツ、ウォーキングサッカー、ブラインドサッカー、モルック、ドッヂビーなどが実施されました。

どのようにして平日に3,000人のこどもたちを集めたか

1月に教育委員会、校長会、自治体に今回の趣旨を提案しました。開催日から逆算するとやや遅いかなとも思いましたが、天童市をはじめ非常に協力的な反応をいただき、予想よりもスムーズに話が進んでいきました。大本から承諾をいただいた後は、ローラー作戦で各学校に提案を進めていきます。ここはホームタウン担当の人間が本当に素晴らしい働きをしたと思っています。
週に2回、こどもの数を随時報告してもらい、不足分へのアクションの明確化と、人数を加味したコンテンツ供給の調整も行っていました。
ホームタウンを担当していた2人は間違いなく成功の立役者です。

試合中は麦茶のタンクを持って走り回る

5-0の大勝を収めたチームですが、私たちフロント側の人間は全く試合を観れていません。試合時間の気温は30℃を超え、熱中症の危険性が高まっていました。とにかく水分がなくなる状態は避けないといけないため、麦茶のタンクを常時補給し、こどもたちに提供をしました。それもあり、熱中症や重度な体調不良を訴える子もなく、安心・安全な試合観戦が提供できました。

事業部長の発案でバックスタンド中央に急遽補給スペースを設置

家と学校の会話の中心はモンテディオ山形

少なくとも試合が終わったその日の家庭内、翌日の学校での会話の中心になるのは「モンテディオ山形」でしょう。ある種、学校行事という強制的なきっかけですが、そのきっかけが3,000人の口コミをつくりました。
これだけも強烈なマーケティングインパクトがあります。
このこどもたちをどのようにファンへとリフトさせていくかはこれからの重要課題です。まずは学校経由で配布するアンケートを踏まえて、戦略を考えていきたいと思います。

こどもたちは未来の宝です

月並みな表現ですが、「こどもたちは未来の宝です」。そんなこどもたちには頑張っている大人をちゃんと見せてあげたい。憧れる存在をつくってあげたいと強く思っています。その点、今日は選手たちの頑張りもあり、こどもたちに夢や憧れが芽生えた瞬間になったのではないでしょうか。
数人の選手と話しましたが、「これだけのこどもたちに応援されたら絶対勝たせてあげたいと思いました」とか「自然と気持ちが高まりました」ということを言ってくれました。

一番重要なのは新しいことにチャレンジする組織風土

最後に個人的な感想です。エデュケーショナルデーは確かに良い取り組みだと思います。今回を経て、いくつかのクラブから同様の企画を進めたいというお言葉もいただきました。是非、他クラブでも実施していただきたいですし、参考にしていただくことは嬉しいことです。一方で、これは我々にも言えることですが、事業や興行をつくるのは人・組織です。新しいチャレンジをできるマインドがあるか、同じ方向をみて進んでいるか。エデュケーショナルデーに限らずここがもっとも重要なことだと考えています。私は、今回の戦略が秀逸だったとは全く思いません。決めたことを全員が共通認識として持ち、日々進捗を追っていけたことに成功の要因があると思っています。


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