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なんだか腑に落ちなかった話

「ただ今気流の悪いところを通過しております」

前日の夜から関東、東北、北海道一帯が荒天になる予報が出ていた。
離陸後30分経ってもシートベルト着用サインが点灯したままだった。客室乗務員も席を立たない。時折、ふわっと身体が浮くような揺れまで感じる。
隣の席のカップルは手を握り合っていた。

しばらくして、2度目の機内アナウンスが英語とフランス語で流れた。

「機長からの情報によりますと、あと20分ほどで乱気流から抜けられるようですから、今しばらくリラックスしてお待ちください。ご協力ありがとうございます」

続いて、日本人客室乗務員によるアナウンスが流れた。

「ただ今気流の悪いところを通過しております。シートベルトをしっかりとお締めください」


常日頃からそうなのか、客室乗務員本人による独自の判断なのかわからないけれど、機長からの情報が日本語ではまるごと省略されていた。
言語による情報格差という言葉がふと頭に浮かんだ。


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