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「未来の子供達」に託された1冊:戦争中の暮らしの記録

歴史の教科書ではわからない庶民の生活が知りたくて思わず手にとった。
1968年に暮しの手帖社から出版された第1世紀96号の保存版である
戦争中の暮しの記録』。今でも販売されている超ロングセラーだ。


一般公募作品の中から選出されたもので、戦時中の日本人の素の姿が垣間見える。どちらかというと、女性目線のものが多い。歴史家や専門家によって書かれたものではなく、庶民が体験し、感じたままの言葉だから読みやすくもある。

核家族で育った私は、祖父母から戦争中の体験談を聞いたことがない。あの当時小学生だった両親は、食事の状況や学校でのことなど子供目線のことしか記憶にない。彼らの娘である私は、次の世代に語れるほど戦時中の話を知らない。こうして風化していくのは時間の問題といえる。


日本も5年以内に軍事費を対GDP比2%に引き上げると公式表明された。世界情勢が大きく変わってきている中で、今回の件は必要なことかもしれない。その一方で、先の大戦のことを知らぬ存ぜぬでいるのはいち国民として無責任な気がしてしまう。

この本には、第二次世界大戦を戦争を経験した一般人の体験や想いが記載されている。戦後生まれの人々の感想文も追加されている。年代や性別によって受け止め方が違って興味深い。

未来の子供達に読んで欲しいという気持ちが込められていた一冊。
その想いに気づかないまま、平和な世の中で半世紀を過ごしてきた。
暑い夏になりそうだ。




#熟成下書き  に少し手を加えて投稿しています。
旧盆前だからか、ふと生死のことを考えてしまうのかもしれません






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