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「あなたたちは私たちのギフト」

1「あなたたちは私たちの大切な宝物」
デンマークのフォルケホイスコーレでは、留学生も一定の割合を受け入れることで、より多様な学びができるとしています。私の通っていたフォルケフォイスコーレでも、毎回留学生が10人程度いて、日本人も割と多いです。留学生は20代30代の若者が多いですが、デンマーク人の年齢層は幅広く、50代60代の人もいます。もう何年もこの学校に通っている生徒もいます。そんな彼ら彼女らにとって、日本からやってくる生徒たちは、嬉しいことに、かなり良いイメージのようです。あるデンマークの人からこんなことを言われました。

「あなたたちは私たちがもらったとてもありがたいギフトだと思うの。
 
私たちにとっても、この地域にとっても、とても良い影響を与えてくれる。あなたたちは私たちの大切な宝物。大事にしなきゃ。」

なんて美しい感性で私たちのことを思ってくれるのだろうと、感動しました。デンマークにやってきた私たち自身のことを「ギフト」だと考えてくれるなんて、そんな言葉をもらったら、嬉しくて泣けてきました。

そう思ってもらえるのは、これまでこの学校に通った留学生たちのおかげでもあります。何か特別なことをしたわけではなくても、日々のちょっとした交流を通しての一人一人の言動が、その人の持つ個性に加え、その人から醸し出される良い雰囲気や文化を伝えていくのだと思います。

2 私たちが還元できること
私たち自身がギフトならば、私たちはその地域の人たちにどんな還元ができているのでしょう。
一つには、その地域に少しばかり異文化の風を吹かすことができているのではないかと思います。

学校の近くの埠頭には小さなサウナ小屋があり、はじめにシャワーを浴びてサウナに入ったあと海に浸かるというサイクルを3・4回繰り返すデンマーク式サウナを気軽に楽しむことができます。サウナ小屋では地元の人と交流できるチャンスでもあります。地元の人から、あのフォルケホイスコーレはどんな学校か、生徒は何人いるのかとか、どんなことを学んでいるのかなど、学校の中身のことを聞かれることがありました。地元の人にとって、自分たちの地元にあるフォルケフォイスコーレが、どんな学校なのか興味を持ってみている人も少なからずいるのだと思いました。学校では主にアーユルヴェーダのことを学ぶのですが、アーユルヴェーダに興味があって自分も学んでいるという人と話がはずんだこともありました。日本の漫画好きな人もいて、あれ知ってる?これ知ってる?と漫画のタイトルを聞いてくる人もいました。デンマーク式サウナ小屋で、汗をかきスッキリしながら交わす会話で、ちょっとした異文化交流をお互い楽しむことができたと思います。

サウナからの景色


そのほか、地元で行われる月1回のジャズライブに行って、地元の人と楽しく歌ったりお酒を飲んで交流する機会もありました。(学校では禁酒ですが。)散歩中によく出会う地元のお婆さんと挨拶を交わすうちに、お家にお呼ばれする間柄になるようなほのぼのした交流を深めていく人もいました。

3 まとめ
ちょっとした異文化間交流から何を感じ得るかは人それぞれです。
他の地域から新しい人たちがやってきて交流することで、今までの生活では感じ得なかった新しい気づきがお互いにあるかもしれません。
その地域に、少しでも異文化の風を吹かせ、お互い良い影響を与えることができれば、こんなに嬉しいことはありません。国と国の違い、地域と地域の違い、長期滞在でも短期滞在でも同じことが言えると思います。
私たちのことを「ギフト」であり「宝」だと思ってくれるその気持ちに応えるために、私たちができることは、異文化の風を日々良いバイブスで運ぶことではないでしょうか。たとえ短いひと時でも、一緒にいる時間を楽しく誠実に過ごしていきたいものだと思います。



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