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ELVES FALATH EVO 2023

自分だけが自転車に乗っていると、一人で走るのは時々寂しいと思うものだ。
特に休日、単独で出かけるともなると、夫婦で違う行動をすることになる。
休日の選択肢の中に「自転車に乗る」を入れている自分と入っていない妻、そもそもスポーツバイクを持っていないのだから妻の選択肢に最初からないのは自明の理であった。

また同時に一級品のエアロロードバイクを CANYON で注文したわけだが、ELVES という新興メーカーの何やらメカめかしくて写真を見るだけで心がうずうずしてしまうエアロロードがラインナップされているではないか。
ICAN や Yoeleo や WINSPACE など、(生産地的な意味で)中華系と呼ばれるメーカー各社のフレームやホイールを眺めていると、メジャーとなったメーカーとの値段の差に驚くことになるが、まあそれは台湾の自転車業界が世界最大の生産地になった構図とよく似ているので、歴史が繰り返されているだけなのは間違いない。
それら中華系のフレームの中で一際安く、そして妻の好きな色合いを選べるとなると ELVES が選択肢になった。

検討していた時期に ELVES でディスクブレーキのフレームは FALATH EVO しかなかったが、妻のためのロードバイクとなると2024年春のラインナップを眺めたらディスク化されている AVARI や VANYAR を選んでいたとは思う。

90%くらいまでバラ完したろ、という気持ちは CANYON Aeroad の購入を経て、勝手に妻の自転車のためにスライドすることとなった。

コンポーネント

当然ながらバラ完となると全てのパーツを検討しなくてはならない。
ホイールは幸い、同メーカーで OROME ブランドのホイールが出ているため、ハンドルと合わせてチョイスすることができた。ただし50mmもハイトは要らないな、とは思うので完全にこの辺は猫に小判だが、深くは考えないことにした。いざとなったら自分が使うかもしれないし、ということも考慮に入れた。
ハンドルも OROME で一体型エアロハンドルバーが出ているのでチョイスは簡単だった。ただ芯芯で 380mm の幅は迷わなかったが、妻の身長に合わせてステム長はフレームのジオメトリと睨めっこでかなり迷ったが、90mm とした。
サドルはフィジークの女性向けサドルの程々のものを選び(どうせ合わないとなると買い替えなので最初は抑えめで入ったが結局継続して使っている)、主要コンポーネントは Shimano 105 Di2 で行くことにした。

なぜ初心者が 105 なのか

当然、初心者レベルのライダーに Di2 など猫に小判 part2 であることは重々承知している。レースに出るわけでもない。ほとんどゆるぽたのような走りしかすまいし、一年に数度チームのエンデューロで広いサーキットを走るくらいだろう。
だからこそ、変速がバシッと決まって時間が経っても調整がほとんど不要、掃除と注油だけしとけばいきなりでも乗れて、ストレスフリーなのが電動変速なのだ。
何よりギアがきっちり決まらないという心配がいらない、というストレスのなさは経験者ならなおさらわかることだろう。
それに右手の操作だけで一番軽いインナーローからアウタートップまで変速が完了できてしまうシンクロナイズドシフトの楽さは言うまでもない。

ギアの「もっと軽く」「もっと重く」を直感的に操作できてこそ前方視野を確保し、自転車そのものを楽しむために必要ならば Di2 は必須だと考えた。そもそも旦那の私が電動で楽さを享受し、初心者の妻がしんどい変速をしていると実力差だけでなく機材差まで出ると一緒に走ろうという気がどちらも失せることになってしまう。

そんなわけで方針が決まったら、こっそり妻に隠れて全てを揃えるだけである。

組み立て


開封

自分の CANYON Aeroad が届いて2週間後くらいに深圳から大きな箱が二つ送られてきた。カラーオーダーした妻の FALATH EVO である。
最初から自転車屋に頼む気が無かったので、コツコツと組み上げることにした。おおよそ1週間くらいかけて、フレームの脱脂・ガラスコーティング、各種組み上げと調整を行なって完成した。

組み立て直後

まあハンドルのコラムカット量はフレームとツライチにしなくてもよかろう、ということで少し長めにしている。
しかしハンドルバーにケーブルを通すのは思った以上にめんどくさいので、普通にケーブルガイド(磁力で引っ張るやつ)はあったほうがいい。あれでだいぶ余計な時間を使った。

とりあえず妻が自転車に乗ることをめんどくさがることはあっても、嫌がらないので自転車の素性としては良い形で組み上がったのではないかと思う。
なお、妻の自転車を買ったと言ったら黙って買うなと叱られたが、しばらく完成した己のロードバイクを数十分眺めていたので喜びはあったようである。

総コスト

大雑把に計算すると、

  • フレーム 15万円

  • ホイール 15万円

  • コンポーネント 16.5万円

  • その他 5万円

で、だいたい50万円を超えるくらい、という感じ。まあ完成品でも同じような値段になるので、特別安くも高くもない金額に落ち着いた。
ただ完成車では妻の望む黄色のフレームで同じようなスペック、となるとそもそも買えないか長期待ちになってしまった可能性が極めて高い、と考えると悪いチョイスでも無かったかなと思っている。

ただまあ初心者にエアロロードはアンマッチかもしれぬ、とは思っていたが見た目は厳ついけど格好はよろしいのでヨシとする。

乗り味

ワイのではないのでワカラン。
ただヒルクライムもギア比を F50-34、R34-11 の12速としてあるのでギア比1:1の恩恵か、わりとすんなり登っている。(早いとは言っていない)
やはり軽いギアは正義であった。

ホイール

https://jp.elvesbike.com/products/orome-valar-th50d-carbon-road-disc-brake-wheelsets,-disc-brake-carbon-wheels-superlight-carbon-disc-brake-wheelsets?VariantsId=10411

OROME VARAL TH50Dの性能ということになるのだが、比較対象になるのは以下の3つ。

  • DT Swiss ARC1400 DICUT DB - F50mm R62mm

  • ELITEWHEEL DRIVE 40D

  • FFWD F6R アルミリムモデル

現在的なホイールは2種、リムブレーキ用の1種である。いずれも40-60mmくらいのディープリムに分類されるホイールたちだ。
これらは妻の FALATH ではなく己のバイクに装着して試していることを前提としている。

まず漕ぎ出しだが、どっちかというとこの中では重い部類に入る。剛性感もこのグループの中では高くはない。しかし脚力のない人にとっては当たりが優しいとも言え、25km以上の平坦路を走る状況などでは十分にディープリムの恩恵はあるだろうし、初心者から中級者くらいまでが利用するホイールとしては、十分すぎる性能だとは思う。
しかしながらヒルクライムを主目的で使うのは厳しいだろう。
あとディープリムにありがちな話ではあるが、横風には極めて脆弱なので扱いには注意してもらいたい。
縦剛性は必要十分で不足に感じるような人はよっぽどの剛脚だろう。ただ横剛性には若干の心もとなさが、気になる人は気になるかもしれない。
個人的には100km以上のロングライド、特に山岳が少なめの人にはいいんじゃないかな、と思っている。
ARC1400は主フレームのAeroadと相まって平坦ではめっちゃ早いし(そして脚へのダメージも一番来るし)質の高さを感じる。言葉では表現が難しいが、その最後の人間のエモーショナルなところへの響かせ方が、まだOROMEは新興メーカーなのだな、と思ったところではあるが、私も含む普通の人は性能自体は十分に出ているので使い潰すまで乗り倒せばよいかとは思う。

なお、とがった性能もしていないので面白みも無い。

余談ながら後日、妻の自転車に DRIVE40D を履かせたら、軽くてよいと思いのほか良いフィードバックが返ってきたので DRIVE40D を取られないか心配。

なお、とある理由(いずれ書く日は来ると思われる)により、後輪だけ GOODYEAR の EAGLE F1 という最高級グレードのタイヤが装着されている…

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