Caminoでは、本当にいろいろなことが起こります。ぜんぶが私の中で起こっているわけなのですが。今回は、ジブリがいっぱいコレクションとWalt Disneyとの（勝手に）コラボ作品をお楽しみください。

・feat.もののけ姫

森の中を歩いていると、左前方遠くのある一点に目を奪われ、なぜかそこから目が離せなくなった。30秒間ほど、その場所を見つめていると、木の陰からそろ〜りそろ〜りと牛のような生き物がゆっくりとした足取りで「お通り」をはじめた。「きた…！」。後方からは西日が差しており、本当に息を飲むような神々しさだった。たぶん150mほどの距離があったけど、なんか目が合う気がして、まばたきしたいのをグッと堪え、その場所を見つめ続けた。結局、彼は一度も首の向きを変えることなく、ただひたすらに前を見続けて、過ぎ去っていた。アシタカが森の中で遠くにシシガミ様を見つけ、シシガミ様と目が合って動けなくなってしまうシーンが脳内再生された瞬間。

・feat.ジャングルブック①

森の中の植物アーチの中をくぐるように歩いていると、頭上をカサコソとなにかが走り抜けた。その姿を捉えようと、いくら目をこらせど、ぜんぜん見つからない。リス？サル？ジャングルブックのモーグリが【自称森の王様 ボス猿】の元に連れ去られるシーンが脳内再生された。小枝の間からにゅっと長い手が伸びてきて、アーチの上に引っ張り上げられるんじゃないかとドキドキしながら歩いたのでした。

・feat.ジャングルブック②

明け方、真っ暗な森の中を1人で歩いていて、めちゃくちゃこわくなった。ヘッドライトの明かりだけが頼りだが、せいぜい足下50cmぐらいしか照らせない。いつなんどき、茂みの陰から虎のシアカーンが現れるか分からない。ライターの一本ぐらいポケットに入れておけばよかった。火があれば、なんとか戦えるかもしれない。身を守れるかもしれない。森の中でのパワーバランスが入れ替わる瞬間。それはきっと人間が火を手に入れた瞬間。（だから【自称森の王様 ボス猿】もモーグリを誘拐して、なんとか人間が手にした「火」の秘密を聞き出そうとした。）いよいよ本格的に怯え出したとき、暗闇の向こうから、黒豹バーギラ（に顔がよく似たナイスガイfromバングラディッシュ）が現れた。ふー、助かったぜ。ジャングルはとても安全で楽しい場所に変わった。バギーラが一緒だからね。

・feat.千と千尋の神隠し

夕方4時頃にアルベルゲ（ピルグリムたちが泊まる宿）に着くと、ベッドを求めるピルグリム（巡礼者）たちでごった返していた。早く着いたピルグリムたちは、色のついた番号札を首から下げて並んでいる。赤、黄、緑、、全部で6色の札があるらしい。色でグループ分けされたピルグリムたちが、順番にチェックインをしている様子。アルベルゲの人にどうしたらいいか尋ねると、もう今日の分の札は配り終わったから、空きベッドはたぶんないとのこと。「たぶん」ない。もしかしたら、あるってこと？次のアルベルゲは、6km以上も先。もう歩く気力はない。とりあえず、待ってみることにしよう。なんかいける気がする。いずれにせよ、足を休めないと、これ以上前には進めない。

後から来たピルグリムたちは、どうにかこうにか札を獲得しようと、あらゆるところで交渉している。私も何度か試みたが、のれんに腕押し感があったのですぐに諦めた。それに、数時間先の安らぎよりも、いまこの瞬間に、ベンチに座って足を休めていることの方が大事だった。しばらくすると、ボランティアスタッフらしきおじさんが近寄ってきて、なにも言わず、無表情のままに、赤い札を私の首にかけてきた。まさにその赤い札を巡って「大交渉」がなされているのを横目に休んでいたら、あまりにもスッとゲットできてしまった。嬉しいよりも先に、なんだかとても可笑しくなって、1人で笑った。千が湯屋で一番汚い風呂場の掃除を言いつけられ、汚れを落とすための薬草札をゲットしようとするも、意地悪されて中々もらえないでいるときに、突然カオナシが現れて、めちゃくちゃたくさんの札をくれるシーンが脳内再生された瞬間。（この赤い札はベッドをゲットするために必要だが、それだけでは十分でないことを知るのは、もう少し後のこと。）

・feat.不思議の国のアリス

例によって、森の中を歩いていると、様々な植物たちがそれぞれの個性でもって主張をはじめます。大きな花たちが口を開いて意地悪なことを言ってきたり、大きな芋虫がたばこをふかしながらAEIOU（え〜いあいおゆ〜）の歌を歌いはじめたり、コロコロコロって何かが転がり落ちてきたと思ったら、ハンプティダンプティだったり。なんてことは現実には起きませんでしたが、まるで不思議の国に迷い込んだ少女アリスのように、不思議な気持ちでいっぱいになりながら、森の中を歩いたのでした。

・feat.101匹わんちゃん

公園のベンチに座って休んでいると、ダルメシアンに似た大きな犬を連れた紳士と、種類はわからないけどメスっぽい犬を連れた若いマダムが目の前をすれ違っていった。紳士の方の犬が、一度は通り過ぎたマダムの犬の後ろを追いかけ始めた。それをきっかけに、飼い主たちの間で会話がはじまった。101匹わんちゃんのロジャーとアニータの出会いのシーンが脳内再生された瞬間。こういうので生まれる恋愛、現実でも結構多そうだな。ポンゴみたいに、あえてやっている犬もいたりしてね〜。

さいごに

  ナウシカとラピュタもあったはずなんだけど、忘れちゃったな…これだとディズニーの方が多いね。

【Camino Day3】
前半は、Pamplonaへ向かう途中のカフェにて。後半は、Pamplonaで無事チェックインできたアルベルゲJesus Mariaにて。

おしまい♪