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312【学校の勉強は、大人になったら何の役に立つの?】

算数の文章問題をしていると、どうしても分からないと困っていた子が、こんなことを言っていました。

「どうせ、大人になったら、こんなこと、もうやらないんでしょ。出来なくたって・・・」

やりたくないんだろうなあと、そんな想いが伝わってきます。小学校の文章問題は、何を言っているのかよくわかりづらいものが多く、大人でも困惑してしまいます。小学生のとき、「どうして?」という経験は、私もありますので、よくわかります。大人になっても役に立つ、使う学習って、どんなものなのでしょうか。

よく「読み書きそろばん」が出来れば良い、ということを耳にします。これは、読み→文字・文章を読むこと、書き→内容を理解して文章を書くこと、そろばん→計算することです。読む力を鍛えれば、人とのコミュニケーションはもちろん、算数の文章問題もスラスラ解けるようになります。文章問題とは、筋道を立てて考える力や文意を読み取る力を狙ったものとも言えます。読むことは、様々な場面に影響します。SNSやスタンプ機能など、書く場面は失われつつあり、読み取ったことを書くことで、判断力を養うことができます。読むと書くはセットなのです。計算をミスなくすることは、家計管理、体調管理をはじめ、仕事に関わることはすべて数字で測ることを考えると、計算が出来るということは、大きな利益につながります。

そんな中、近年注目されているリベラルアーツ教育という言葉を知っていますか。

リベラルアーツとは、ギリシャローマ時代に人が持つ必要があるとされた自由七科目のこと。具体的には、文法学・修辞学・論理学・算術・幾何学・天文学・音楽です。東京大学をはじめ、埼玉大学、東北学院大学、東海大学などで取り上げられています。読み書きそろばんに加えて、教養と言われる幾何学、天文学、音楽も含まれていて、こうした学問を整理するものとして哲学と組み合わせる大学もあります。

子どもたちに将来生きて働く学問として、リベラルアーツを意識した科目の見直しが必要な時代のように感じます。総合的な学習の時間、道徳科、プログラミング教育、外国語などさまざまな教科や学習が増える中、今度は、何を削り、残していくのかを考える時期に来ています。こうした教育内容の議論は、たびたび繰り返し行われていますが、急激な変化に慣れていない私たちは、疑問を感じながらも、無理を強いてしまいます。

「子どもたちにとって、いま何が一番最善なのか?」常に意識しながら向き合いたいですね。ちょっと涙を見せながら、文章問題を見事にクリアした子どもたち、勤勉さや忍耐、そして達成する喜び、何より理解することを学んでいるようです。良かったね。


おすすめ本紹介
「ぼく、学級会の議長になった。小中学生から始める ファシリテーション入門」三神英彦
「せんせいのつくり方“これでいいのかな”と考えはじめた“わたし”へ」岩瀬直樹
「算数の呪い(世界の絵本コレクション)」ジョン・シェスカ

 読み書きそろばんについて。三冊ともグッときますよ。

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