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新規 胆道がん治療薬!

こんばんは、うしくんです。

今日も1日の最後に薬のお勉強です。

今日は昨日と同じく「がん」のお薬、ペマジール錠2.5mgです。

適応は、「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治療切除不能な胆道がん」

ケモ(がん化学療法)をやった後の患者さんに使う薬ができたってことですね。

補足:抗がん剤の一般的な流れ
術前ケモ 手術 術後ケモといった流れになります。が術後ケモで悪化する場合があります。そういった場合に、使うお薬ができたってことです。

今回も、基本的な知識をおさらいしてから、説明の仕方を考えましょう。

1.FGFR2融合遺伝子について

2.胆道がんについて

1.FGFR融合遺伝子について
まずは、FGFRってなに?線維芽細胞増殖因子受容体の略語ですね。

簡単に言うと、新しく皮膚を作り出す細胞を動かすためのスイッチ。このスイッチ(受容体)を作動させると皮膚の合成が動き出すイメージです。

FGFR融合遺伝子というのは、がんの原因となる遺伝子のことです。正常ながんにならない遺伝子は、FGFR遺伝子と言います。

つまり正常な遺伝子に融合してがんの原因となる遺伝子になったということですね。

FGFRは、皮膚を作り出すスイッチと言いましたが、働く場所によって種類があります。今は、4種類見つかっているので、番号でFGFR1、FGFR2・・・と読んでいます。安直ですね。

つまり、FGFR2融合遺伝子は、主に肝内胆管がんに認めれている遺伝子と言うことになります。(適応から推測すると)

2.胆道がん
そのまま字の通り、胆道にできるがんのことです。胆道は、胆嚢から胆汁を放出するための道になります。そのため、胆道にがんができると道が塞がれるので、胆汁(ビリルビン:黄色くなる原因)を放出できなくなります。

胆道がんは初期は無症状なことが多いです。ただ、進行していくと黄疸やみぞおちや右の脇腹の痛み、吐き気や嘔吐などが出てきます。

黄疸が出ている状態ではすでに進行していることが多いので、早期に発見することが重要となります。

基礎知識は、ここまでにして、ペマジール錠についてです。

いつもと同じように、患者・医師・看護師に分けて考えていきましょう。

1.患者
胆道がんの治療薬です。異常ながん細胞を作る遺伝子のスイッチを止めて、がん細胞を増やすことを防いでくれます。

副作用で注意して欲しいのは、目の病気があります。視力・視野・色など見え方が変わってきた場合は、網膜剥離の可能性もあるので、眼科を受診してください。

リンが増えることがあるので、タンパク質を控えたり、インスタント、加工食品、アーモンド、ピーナッツなどは控えるようにしてください。必要であれば、栄養士による指導も受けられるので、医師に相談してみてください。

爪や手のひらに痺れや発赤が出ることがあります。物理的な刺激・熱刺激を避けて、皮膚の保護を行ってください。

急性腎障害が起こることがあります。おしっこが少なくなった、全く出なくなった場合は、医師の診察が必要になるので受診してください。

2.医師
EGFR阻害薬の胆道がん治療薬です。2週1休で投与します。
重篤な副作用は、脳膜剥離、高リン血症、爪障害、手掌・足底発赤知覚不全症候群、腎障害があります。定期的な検査お願いします。

3.看護師
胆道がんの治療薬です。休薬期間があるので、スケジュールに沿って飲ませてください。食事の影響は受けません。
副作用に、爪障害・手のひらの発赤などがありますので、こちらも行いますが、看護師の方からも保湿指導をお願いします。

用法及び用量
成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを14日間経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。 なお、患者の状態により適宜減量する。

チロシンキナーゼ阻害剤:-tinib

作用部位・作用機序 :ペミガチニブは、FGFR のチロシンキナーゼ活性を阻害する低分子化合物である。ペミガチニブは、 FGFR 融合タンパク等のリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することによ り、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。

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