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理系を辞める後ろめたさともさよなら

せっかく成績もいいし、研究もできるのに、理系じゃない就職もったいないよね

って言われるし、自分でもそう思う。
努力して理系に進んだし、これだけ勉強が身になっている人も少ないと思う。

でも、これ以上、研究したくないがとうとう勝ってしまった。


〇●〇


研究はもちろん簡単に上手くいかなくて、いや、ほとんどのことが上手くいかなくて大変。でも、だからこそ上手くいったときの感動や達成感はただ勉強するよりもずっと大きいし、なにより私は勉強したことが活きているって実感できる研究が好きだった。

でも、それよりも研究室の環境とか、この分野じゃなくていいよなって思いから就活して、就職も決まって、それでもたまに「やっぱり研究したいな」って思う瞬間は多々ある。


でも、もう、そんなことすら思わないかも。

今、学会発表前だ。
でも発表原稿すら真っ白。なんならまだ研究している。
「ここまでできないと発表はできないよね」
のここまであと一歩、届かない。
学会前ギリギリだというのに、「あなたばかり見ていられないから」と他の子を見る先生。先生の言っていることは分かる。でも、今までだって全然見てくれてないじゃないかな。いつでも後回しで結局「遅い」と言われる。
今回の学会も、初めての学会での発表なのに「あなたの発表見に行かなくても大丈夫だよね?できるよね?質問も…まあ大丈夫でしょ。」と来ないらしい。

仕方ない。私はここでも “できる子” なのだ。

要領いいし。他の子の2.3倍は早く資料作りできれば、発表練習しなくなって最低限は発表できる。とりあえずはクリアラインにのる。
勉強もできる。だって一生懸命勉強したもん。理解が早い。他の子より複雑な計算ばかりなのに。

今までは時間があったからまだ良かった。でも、今は切羽詰まってるじゃないか。「あなたばかり見ていられないから」という予防線を張られてしまっては、私から聞きに行くのもはばかれる。だって忙しいんでしょ?私より他の子たちの面倒を見ないとダメなんでしょ?私だって研究は1年目なのに、要領が良いからって放っておき過ぎじゃない?他の子には声をかけるのに、私にはほんっっとうに必要最低限しか声掛けないし。


そんな感じで、月火と朝から夜まで複雑な式とプログラミングに齧り付く。大学を出るのは22時。10時間もパソコンを見てると気持ち悪くなってくる。睡眠不足だけど頭は使わないといけない。頭よ動けとがむしゃらな2日間だった。

そして水曜日。朝から気持ち悪かった。そういえはご飯もまともに食べてなかったっけ。朝ごはんも少ししか食べれず、大学へ向かう道のり、吐き気が無くならない。そしてとうとう、学会は断念せざるを得なかった。


〇●〇


睡眠時間はぎりぎり6時間は取ってた。
他の理系大学生が見たら「今まではそんなに遅くなってないじゃん」って言われてしまいそうな気がするけれど、要領が良いのと、自分の限界ラインを超えた活動は効率が悪いのである程度で切り上げていたからだ。

追い詰められているストレスなのか
寝不足なのか、パソコンや画面の見すぎなのか
心に蓋をして機械となって動くことがだめなのか

どれが私の身と心に負担をかけているのか分からないけど、いやたぶん全部なんだろうけど、もういっぱいいっぱいだ。はやくこの、理不尽な独裁制の研究室からおさらばしたい。
そんなことより今は、なんだかずっと気持ち悪い。

こんなところに居続けるのなら、ブラック企業でも働いているほうがお金が入る分マシだ。早く論文書き上げて、さっさと終わらせてしまおう。こんなところで身を粉にして研究し続ける必要性が感じられない。どれだけ研究テーマが魅力的であってもだ。

あとは “できる子” の称号も金輪際持ちたくない。
できるのに、理不尽に扱われて。これこそ能力搾取だと思う。

研究の本当の終わりまで、あと1ヶ月。

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