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朝のティータイム

 まだ少し眠気があるなか、カーテンを開けて窓の外を眺める。綺麗なブルーアワーだ。
 今朝はいつもより寒い。ルームウェアの上にパーカーを羽織り、キッチンへ行って朝食のパンと紅茶を用意する。
 今日は、いくつかある種類の紅茶の中からピーチティーのパックを選ぶ。他にもアップルやストロベリー、ダージリン、ディンブラ、アールグレイなどがある。その日の気分で選び、カップにパックを入れてお湯を注ぐ。今日はストレートで飲もう。
 リビングのテレビをつけて少し待ってから、パックをカップから取り出す。猫舌の私は息を吹きかけて、ピーチティーを一口飲んだ。
 ホッとする瞬間だ。
 これは私にとっての重要な時間。これから始まる一日の最初に紅茶を飲むと、心が落ち着く。昨日あった嫌なことも、今日これからある仕事の緊張も一瞬忘れられる。ざわつく心をリセットしてくれるのだ。
「おはよう」
 夫が起きてきた。大きく欠伸をしている。まだ眠いんだろう。
「おはよう。何飲む?」
「ん~……俺も紅茶飲もうかな。」
「何がいい?」
「任せるよ」
 私は夫のマグカップにダージリンのパックを入れた。私はミルクティーとして飲むこともあるけど、夫は紅茶を飲むときは必ずストレートで飲む。
 私はダージリンを夫の前のテーブルに置いた。
「ありがとう」
 二人で紅茶を飲む穏やかなひとときだ。

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