つきしろ

本と短歌とまほやくが好き。 専攻は文学部日本語日本文学、卒論は上田秋成「雨月物語」。 …

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本と短歌とまほやくが好き。 専攻は文学部日本語日本文学、卒論は上田秋成「雨月物語」。 神保町PASSAGE by ALL REVIEWSで棚書店主してます。 推し出版社は笠間書院と国書刊行会です!

最近の記事

【まほやく考察】フィガロの名前と音象徴

音象徴(おんしょうちょう)、という言語学の学問分野がある。 ――こんなことを考えたことはないだろうか? 悪い人物や強いキャラクターの名前には濁点が多く、爽やかな好青年キャラの名前は清い響きが多い。ゴジラ、ガンダム…etc. このように、音そのものがある特定のイメージを連想させるような事柄のことを「音象徴」と呼ぶ。「ちいかわ」も「ポムポムプリン」も、なんだか文字も丸っこいから、おどろおどろしい怪物を連想することはないし、事実可愛い。 では、本題の「フィガロ=ガルシア」という

    • 【雑記】東京カフェ巡り#2「KAFEE MAMEYA」

      2回目にして書くのを非常に迷った…。というのは多分ここ、知る人ぞ知る名店なので誰かに教えたい気持ちと教えたくない気持ち、ふたつの心がある~~~。 週末、大学時代の後輩達と3人で表参道カフェ巡りを実施した。1日で3軒まわったが、こちらは2軒目。後輩が以前トライして並んだものの、時間切れで入れなかった店。 表参道通りを一歩入って住宅地をしばらく歩いて行き、さらにしばらく歩いて行くと、上品な洋風割烹料理店の如き雰囲気の、看板は掲げていない者のしかし人が沢山並んでいる店があり、そ

      • 1DKで数千冊蔵書がある社会人の引越し

        しいたけ占いの結果がでた。 まるで私の人生を見透かすかのようなテクスト…。私は来年早々海外旅行の予定がある。 修羅の1年だったけど、忙しい時にさらに多忙を重ねるのが私の業なのである。理屈としては「忙しいからもっと忙しくしても脳みそは分からんやろ」みたいな。そんなことあるわけない…!けど、つらつら2023年を思い出していたときに多忙だったのに昨年引越しをおこなったことを思い出したので、春先にきっと進学や就職で引っ越す人もいるだろうし、役立てればと思ったので記します。 前提と

        • 【雑記】東京カフェ巡り#1「ミロンガ・ヌオーバ」

          神保町にある喫茶店が纏う、あの重厚な空気感に分け入るたび、私は母校の国語科職員室を思い出す。薄明かりに透けて空気を踊る細かいほこりと、何だか判らない革張りや上製本の全集が観音開きのガラス窓付きの古く深い焦げ茶をした本棚にずらりと並んでいる、心地よい智の圧である。 ――「ミロンガ・ヌオーバ」という奇妙な響きの喫茶店が神保町にある。ミロンガもまた、その例に漏れず、好きな要素の乗算で出来た空間だった。 老舗の気配を漂わせているのにどこか新しい空気も揺蕩っているのは、1953年創業

        【まほやく考察】フィガロの名前と音象徴

          神保町で小さな本屋を始めたはなし

          読書を毎日、白米のように日常に取り入れて呼吸しながら、いっぽうでレゴブロックとシルバニア遊びが好きな子どもだった。今はYouTubeのルームツアー動画が好き。映画や海外ドラマで登場する間取りも好き。「自分が納得する、心ゆくまで手を入れた好きなものだけの空間を創る」という気持ちの強い人間である。 その延長線上にあるのが、昨年から取り組み始めた趣味で、私は神保町のPASSAGEbyALLReviewの一画に棚書店を出店している。 いわゆる「共同書店」と呼ばれる場所で、一区画を

          神保町で小さな本屋を始めたはなし