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君だけが‥ 閑話 カレーの香り

先輩から休みを変わって欲しいと直前に言われたせいで暇をもて余す俺。

普段は、仕事とバイト以外は殆ど寝てるんだけど‥

今日は仕事のつもりだったから早起きしたのに‥

仕込みついでに何か食べる予定だったから腹へってきたな。

買い物がてら何か食べに行くか。

部屋着のジャージを脱いで、適当なTシャツと濃紺のデニムを手に取り着替え、眼鏡をかけた。

仕事の時はコンタクトなんだが、家では断然眼鏡だ。

眼鏡最高!

鏡で確認すると髪の毛の調子が悪い‥

起きた時に直したはずなのに‥爆発している。

これは‥

雨降るな‥

俺の気まぐれなくせ毛は、湿度が高いと爆発するんだ。

爆発した頭をどうにかするのはやめて、キャップを被ってごまかす作戦に変更。

財布とスマホとエコバッグをポケットに突っ込んで準備完了だ。

俺の住んでる街は、大学があるせいか安い食堂や定食屋がたくさんあるから飯を食うのに困る事は全くない。

今日はどんな気分かな?と考えながら歩いているとカレーの香りが漂ってきた。

カレーの香りは危険なんだ。

この香りを嗅いだら‥

もう‥

カレーを食べずにはいられなくなるからね。

前を歩いてた男性ふたりはカレーの香りに吸い寄せられたように目の前の店に吸い込まれていった。

日替わりカレーってのがあるんだな。

今日は、カツカレーなのか‥

これは‥食べるしかない!

俺もふたりに続いてカレーの香りが漂う店に吸い込まれていくのだった。

カツカレーは男の浪漫なのだから。

食べずに通り過ぎるわけにはいかない。

熱い漢たちがひしめく店内。

既に、戦いは始まっているようだ。

俺も参戦しなくては‥

カウンターの端に案内された俺は目の前に水が置かれた瞬間、目をカッと見開いてオーダーを告げた。

「日替わりカレーランチ、大盛。食後にアイスコーヒー」

これで、完璧だろう。

オーダーを取りに来た無駄に爽やかな男子が、

「日替わりカレー大盛、食後にアイスコーヒーで宜しいですか?」と確認してきたので頷いた。

これで、いいのだ。

カレーよ‥

早く来い!

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