できることならスティードで Trip7「時空」/加藤シゲアキ (読書感想文)

冒頭に出てくるのは
NEWSのファンの中で人気の曲
「U R not alone」という曲の話。

エッセイの中で書かれている歌詞の部分は
私にとっても目頭が熱くなる部分だ。

『ああどうか 力を貸してくれないか 昨日までの僕よ
 共に乗り越えてきたじゃないか』

『自信を無くした時に
 拠り所になるのが
 過去の成功体験。』

そうエッセイでは続く。

そして、テレビ番組で落語をした話へ。
ロケに行って話を聞いて
それを元に自分で落語を作って
演者となって落語を披露するという企画。

その頃まだシゲちゃんのファンではなかったが
関ジャニ∞の村上くんが司会をしていたので
その番組を見ていた。

本人は手ごたえがなく
裏では葛藤していたようだけれど
私的にはちゃんと落語になってたし
マクラもサゲもちゃんとしてると思った。

その落語の内容は割愛するけれども
このエッセイやどこかで知ってもらえるといいなと思う。

あ。でもその落語の中に出てくる
象の声色というか
セリフまわしが個人的に好きです。

このテレビ番組の落語が
シゲちゃんにとっての初落語ではなく
20歳を過ぎた頃にしたひとり舞台
「こんなんやってみました。」
の中でも、落語をしたことがあったそう。

シゲちゃんが当時書いていたエッセイをベースに
構成作家の方と一緒に作っていたそうです。

その時の落語「愚問」のマクラは
「弥生」という名前の友人に
「何月生まれ?」と聞いた際
「愚問だよ」と言われた実体験を元にしたらしい。

ここを読んだ時に
私の本名と誕生日を知ってる人は
納得だと思うんですけど
私の場合成り立たないなと思ったのでした。
愚問ではなく説明が必要になってきます。(笑)

この「愚問」という落語
当時他のコントや芝居や朗読の中で
もっとも好評だったので
今回の企画の落語に
自信をなくしていたシゲちゃんは
自信を取り戻すために「愚問」を見ます。
過去の成功体験が
現在の自分に自信をもたらすと思ったから。
しかし、過去の自分の落語は下手だったと感じたらしい。
でも、あの時の自分よりは格段にうまくやれるという
予想外の自信だったらしい。

『今の自分にはあの頃よりも多くの経験がある。
 彼よりは絶対にうまくできる』

そう思ってシゲちゃんは高座に座ります。
その前に鏡を見て
過去の自分=彼に話しかけます。
この会話もいいなと思いました。
マクラが活きてきている気がしました。

『自信を無くした時に
 拠り所になるのが
 過去の成功体験。』

これは必ずしも「成功」した出来事ということではなく
多くの経験ということなのだと思う。

何らかの目標に向かってしてきたこと
その過程でしたこと
感じたことなどが
現在の『僕』を助けてくれるのだ。

大きな目標を掲げていなくても
目の前に起こった出来事を
受け容れて
ひとつひとつ解決してきた
その道のり全てが経験になるのだと思います。

1度ホントに苦しい体験を乗り越えられたら
あの時あれほどのことができたのだから
今回はあの時よりは辛くないから
きっと乗り越えられる。
そう感じたこともあります。

また、
今までよりも辛い事と感じた出来事が起こって
なんとかして乗り越えないといけない時は
これを乗り越えられたら
次に何かあった時に
これを乗り越えられたのだから
乗り越えらえると感じることができるだろうと
目の前の事に取り組んだこともありました。

この体験は
私にとって強みだなぁと思ってます。

まだまだたいした辛い事では
ないかもしれませんが。。。(;´∀`)

あと、思うのは
興味を持ったことや
頭に浮かんだことは
できるだけしてみることが大事な気がします。

その時はそんなつもりはなかったけれど
時が経って
その時にしたことが
自分を助けてくれることがあります。
その時にそれをしていなかったら
現在の『私』はそれを受取れてなかった
みたいなことが起こりました。

なので
何が未来に花を咲かせるかわからないので
過去になる『僕』や『私』に
たくさんの経験を与えてあげるといいと思います。

時空を越えて
過去の『僕』や『私』が
きっと助けてくれると思います。
動くのは『現在』の『僕』や『私』ですが。
その『僕』や『私』もいずれ
過去の『僕』や『私』になるわけですし。。。


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