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最速の及第点企画立案法1

商品企画は難しい、商品企画には入念な下調べがいる、そんな簡単にできるものじゃない。
そんなことはありません。
簡単ではないけれど、ポイントを押さえると劇的に企画立案が速くなる方法があります。
但しそれは及第点。
本式のものには敵わないかもしれません。

及第点ということは満点でも高得点でもないけれど、合格ラインに届かせることができるということです。
合格ラインはビジネスとして成り立つことなので、ビジネスとして成り立つ見込みが立つのであればそこが及第点です。
大きなポイントは一つ、勝ち筋が見えるかどうかです。

勝ち筋という言葉の通り、どこかを負かせるから勝ちを得られます。
この時点で価値ではなく勝ちを選択しているので高得点を狙う考え方ではありません。
勝ち筋という状況によって変わるものをもう少し具体的に表現するなら、競合との違いです。
違いがあること自体に大きな意味はありませんが、違いに意味を与えることで勝ち筋を見出すのです。
全く同じものではどう表現を変えても瞬時に追随されてしまいますし代替性が高くなりますが、違いを武器に変えることができれば少しだけ追うのが難しくなります。
少ししか難しくなりませんのでやはり及第点止まりです。

違いに意味を与えることは、違いをポジティブに捉えるということです。
その違いが一見後ろ向きに見えても、ポジティブに表現すれば独自性に変わります。

例えばホットプレートの例で考えてみましょう。
ホットプレートは鉄板が重い為、手入れがしやすいようにヒーターの上にプレートを乗せる構造になっていました。
かつては作りやすさを重視してプレートの中にヒーターを鋳込んでいましたが、手入れ性と軽さを重視して別体になってきた歴史があります。
完全着脱式という表現が一つのメリットとして定着したのです。
ところがある会社が「ヒーターが一体だから加熱が速い、重さで分かる蓄熱性能」と表現して市場を盛り上げました。
構造の歴史でいえば逆流ですが、逆流したことによって違いを手に入れ、そこに意味を与えた結果、高い付加価値として演出したのです。
もちろん枯れた技術なので難しいことは何もありません。
違いに意味を持たせて勝ち筋を作ったのです。

勝ち筋とは分かりやすいものです。
分かりにくいことを勝ち筋と言っても納得感が得られません。
スペックの数字が何%良いかを説いてもその差を理解するのは難しいですが、あるものとないものの違いは明白です。
勝ち筋があって、分かりやすければ商品企画は及第点が得られます。
勿論費用対効果が悪くて否決されるということも出てきますが、考え方が全否定されるということはないでしょうか。

最速の企画立案法は違いに意味を持たせて勝ち筋に見せることです。
思考トレーニングのつもりでお試しあれ。

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