見出し画像

一人旅のススメ

私は一人旅が大好きで大嫌いだ。全部のプランを考えるのもめんどくさいし、予約するのもめんどくさいし、一人でご飯を食べるのだって別に好きじゃない。仲の良い友達と行く旅行の方が気楽で楽しい。でも一人旅をすると毎回、忘れられない経験をする。

台湾

私が初めて一人旅に出たのは23歳の時だった。選んだ場所は台湾。近くて安くてお手軽という理由で決めた。ゲストハウスに三泊した。

現地の事は全くわからないので、現地のガイドをお願いした。と言っても旅行代理店とかではなく、MEETRIPというSNSを通じて知り合った同い年のケリーという台湾人の女の子にお願いをした。ケリーはベルギーでワーキングホリデーを経験していて流暢な英語をしゃべった。一日台北観光をお願いしていて、一人では決して入れないようなローカルなレストランに連れて行ってくれて、台北のことを沢山教えてくれた。夜市に行ってカキオコみたいなのを食べた。ガイドは一日だけお願いしていたが、仲良くなり、次の日九分に行くことを伝えると”私も行く!”と言うことで次の日も一緒に九分に行った。九分を訪れた日は大雨で、二人で傘が折れそうなほどの大雨強風の中を歩いたのを覚えている。

現地ガイドとして出会ったけど、二人でたわいもない話をしながら台湾の町を歩いたのはとてもいい思い出になった。そして彼女は私の話にしっかり耳を傾けて、ものすごく応援してくれた。最後お別れした後さみしくて少し泣いたのを覚えている。

他にも、鼎泰豊にて一人小籠包を決めていると隣のテーブルの二人組の女の子に声をかけられた。”日本人か?”台湾人は親日家が多いと聞いていたが、本当にそうらしい。その後テーブル越しに少しおしゃべりをしていると、うち一人が次の日休みなので一緒に台北101に行こうよと誘ってくれた。(101は台北にあるタワーである)旅中の私はYESマン。次の日ナナちゃんという名前のその女の子と一緒に101に上った。超絶曇りで何も見えなかった。その後ナナちゃんは台湾料理を食べに行こうといって、高級台湾料理ランチを奢ってくれた。

この二人はその後日本にも遊びに来てくれて、一緒に大阪を回って空中庭園に上った。(101には負けへんでぇ)夜ご飯はナナちゃんのリクエストで鳥貴族に行った。なんかごめんってなった。

金沢

一人旅が気に入った私は、21世紀美術館と九谷焼と魚を目的に金沢に行った。今回もゲストハウスにお世話になった。一日目に美術館を堪能した後ゲストハウスに併設されたバーに立ち寄った。あまり忙しくない時間帯だったのでオーナーさんが金沢のことを沢山教えてくれて次の日のプランを一緒に考えてくれた。このオーナーさん、すごく素敵な方で、もともと別の仕事をされていたけれど海外の人とか友達に金沢のおすすめを教えているうちに自分でゲストハウスを始めたいと思い現在に至ったとのこと。印象的な言葉は、”僕、海外に行ったときは必ず現地の図書館に行くんです” なんかずるいわぁ~!

プランを一通り考えてもらった頃にふらりとバーに一人の男性が入ってきた。カウンターに座りバーテンダーと英語でしゃべっている。カウンターに私と彼しか座ってなかったので自然と喋る形になった。彼は同い年のシンガポール人で、東京で働いているけど今回は金沢に旅行に来たらしい。(ここではシンガポールと呼ぶことにする)彼、とにかくチャーミングで面白い。私もシンガポールに行ったことがあったので、話が盛り上がった。その日は沢山のんで、シンガポールもかなり酔っぱらっていた。私もいい時間になってきたので千鳥足でそのバーを後にし、宿に戻った。

翌日、オーナーのおすすめ通りおいしいランチを食べに開店前にお店にならんだ。人気店だがカウンター席しかない魚がおいしいお店。ご家族で経営されていて、ご主人がずっと面白い話をしていたからなんだか客にも一体感が生まれて、横の人と自然と会話が生まれるようなお店だった。魚も超新鮮でご主人手作りの練り物が絶品だった。

私は雨の中着実にオーナーのおすすめを制覇して行き、最終目的地に到着。とても禅な雰囲気で心が現れる建物。そこを堪能していると、目の前にシンガポールが現れた。あ!逃げようと思ったけど見つかった。だって昨日あんなに酔っ払ってウエーイしてたけど、実際の私は根暗で恥ずかしがり屋。ありがとうお酒の力。素面で会うのは恥ずかしいが出会ってしまったのだからしょうがない。もちろん同じバーで同じオーナーにお勧めを教えてもらっていたのだから、会う確率は限りなく100%に近い。結局一緒に館内を回り、とてもフォトジェニックなその場所でお互いに写真を撮りまくる。で、そのまま一緒に金沢駅まで歩いて帰った。

でも何だかんだこういうのが良いんだよね。旅の恥はかき捨てである。

その後もふらりと一人旅することはあったが、今までの一番ビッグな一人旅はヨーロッパだった。下記参照


人には「一人旅とか強いな」と言われることもあるが、知らない所に行くととってもヒヤヒヤ、ドキドキ、観光客と思われたく無くて平然とした顔をしながら必死でGOOGLEマップをチラ見し、ココ地元ですけど感を出しながら歩いてしまう。

そういえば、西加奈子さんの舞台という小説を読んだ。29歳の男性がNYで初海外一人旅を経験する話だ。旅行1日目に所持品を全て盗まれ、どうしようもない状況なのに、ダサいとかかっこ悪いとか思われたく無くて最後まで周りに助けを求めることができない彼。彼の心理が痛いほどわかって、ああわかる〜!と心の中で叫んでしまう。変なプライドが邪魔して、こいつダサいと思われたく無くて、1人飯かよって思われるのが恥ずかしくて。でもそれでは楽しめないので結局勇気を出して行動に移す。たまに失敗するけど、とってもいい経験をすることもあった。ゲストハウスで誰かと喋ろうと思って、勇気を出して声をかけた相手が旅行客では無く警備員だったことがあった。少し誰かと喋りたかっただけだったのだが、彼が週末に出かけよう!カフェに行こう!としつこくなってきた。少し怖くなってきた私は、彼の警備をくぐり抜けるために彼があっちを向いている隙を見て毎度ダッシュで宿に駆け込むというすごくスリリングな体験をした。でもふらっと(勇気を出して)入ったレストランの食事が美味しかったり、喋りかけた人がとってもいい人だったり、いい経験も多々ある。

一人旅に興味のある人は、少しの勇気とお金を持ってぜひどこかにふらっと行ってみてほしい。宿は断然ゲストハウスがおススメ。パブ併設だと尚良い。荷物は少なめに。毎日違う人と会うから毎日同じ服でも大丈夫。私はその土地を自分の目で見て、歩くことってすごく意味があることだと思っている。フランス人は旅行客に冷たいなんて聞いていたけど、実際にはとっても優しい人が多かったし、オーストラリア人とイタリア人は似た所があった。(フレンドリーで適当)シンガポール人と日本人は感覚が似ていると思うし、ドイツ人は常識を持った喋りやすい人が圧倒的に多かった。もちろん自分の経験や出会った人による偏見はあるが、自分のものさしで測ること、これからも大切にしていきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?