mopa

田中友絵(モパ)です。旧姓は下原。→シモハラ→モハ→モパです。 こんにちは。 作品の…

mopa

田中友絵(モパ)です。旧姓は下原。→シモハラ→モハ→モパです。 こんにちは。 作品のレンタルをご希望の方はcasie.から。よろしくお願いします。 https://casie.jp/artists/106

マガジン

  • モパのメガネ 創作文庫

    モパが書く文章用のマガジンです。ときどきですが、浮かんでしかたのない書き物をここに載せています。お楽しみください。

  • モパのメガネ 油絵の館

    モパ、油絵用のマガジンです。奥深い森への入り口です。お気をつけて進まれますように。

  • 緑雨手文庫

    2018年10月9日-15日 恵文社一乗寺店ギャラリーアンフェール 「緑雨手文庫」WEB版です 詩人の綴った詩は 描けば そのあじわいを濃ゆくまし いくつかの絵となりました 詩と絵を掛ける文庫を このたび開庫いたします 詩をよむ心は 森にふる雨の愉楽にも にて みなさまに どのような雨が ふるのでしょうか

  • モパのメガネ illustration

    モパのillustration記事をまとめています。

最近の記事

閻魔様へ、3つの嘆願

「お客様、おカバンの中身を拝見させていただいても、よろしいでしょうか?」 皆さんは、このセリフを面と向かって言われたことがありますか? 私は、あります。 会計が済んでいない商品が、カバンの中に入っていないか、確かめさせて欲しい、と。 雑貨屋さんで会計をしている最中、 いつのまにか隣に立っていた女性に、 にこやかで、とても丁寧に、声をかけられたのでした。 肩からかけたショルダーバックとは別に、かごバックを傍らに置いていました。 涼やかな、くすんだグリーンで、コロ

    • 描くことはむずかしいことじゃない

      歌うたいでありバラッドメーカーの、斉藤和義は 自身の詩の中で 「頭をからっぽにして、声に身を任せれば歌は唄える」という主旨の言葉を 伝えています。 ときおり彼のシンプルで率直な言葉は、私なりの言葉となって浮かんできます。 ああ、描くことはむずかしいことじゃない 私がスタッフとして働く造形教室には、たくさんの子ども達がやってきます。 この前の教室では、キャベツを墨で描きました。 6才の男の子、まあくんが 最初は元気に、のびのびと描いていて ひととおり全部が描けたあと

      • くるす漢方薬局

        平日、早い午後の商店街は、比較的高い年齢層の出足が多く、 夜の食卓にむけて 目立たないけれど堅実な審美眼が あちこちでピカピカと光を放っています。 暮らしへの意欲が、静かに満ちている時間帯。 そんな穏やかな活気の中で、 ひとり 岩のように重たい足を ズルズルと引きずりながら歩くわたしは、 ひどい疲れを抱えていました。 なにかの報いなんだろうか。 重い体への対処は、もう、我慢しかありませんでした。  どうしよう。  体に力が入らなくてフラフラする。 このあと

        • 豆鬼

          森の入り口に住んでいて 頭のてっぺんから少しづつ緑色に変わっていく様で それとわかる パックリとふたつに割れた胸の中に 茹でた豆を隠して持つ その豆を食べた者は 一生その味を懐かしむという

        閻魔様へ、3つの嘆願

        マガジン

        • モパのメガネ 創作文庫
          5本
        • モパのメガネ 油絵の館
          0本
        • 緑雨手文庫
          2本
        • モパのメガネ illustration
          7本

        記事

          鬼えんぴつ

          小鬼の お風呂上りに 様子をみに行くと いつものように 小鬼は消えていて でも その身代わりみたいに 1本の えんぴつが 残されていた 部屋にもどり そおっと いっぽん 線をひいてみた 線は サラサラ流れる水へと かわった ためしに 魚を描いて 水を流してみたら スイスイ泳いで とっても気持ちが よさそうだった 鬼のえんぴつで バラを描いた 花壇で 今年初めて花をつけた ピンクのバラ 鬼えんぴつで 描いたバラは 香りを放ち 風にそよいで やさしく揺れた 鬼えんぴつ

          鬼えんぴつ

          ラムネの瓶

          ラムネの瓶

          絵の具の汚れ

          絵の具の汚れ

          あおちゃん

          きょうは ふたりでいっしょに絵をかきました。

          あおちゃん

          オリーブの葉

          余白が白い絵を 描きたいと思って 描き始めました オリーブの葉などの 乾いた植物から色をもらい 描きすすめるうちに  自然と浮かんでくる形象がありました いつもは 浮かんでは消えるままに まかせておきますが 今回は その形象を浮かび上がらせ 声を聞くように 形によりそって描いてみました 完成したあと この余白と形象はなんだったのかと考えてみると もしかしてこれは 本を開いている景色では、と 思い浮かびます  白い余白と縦にならぶ文字  ストーリーと湧き

          オリーブの葉

          さんぽ (折りたたみ絵本)

          「さんぽ」全景

          さんぽ (折りたたみ絵本)

          空のポケット

          空のポケット

          風景に

          大きな木の下に すわっていると 風景に 溶けていく       とけていく 気がつくと  私は あの ゆれる葉 に なって  山の上の あの 青い空は 私になる   輪郭は にじんで あいまい  いい大人なので 困ることにも たまに なるけど そんな時は 途方に暮れて また 大きな木の下に すわるといい

          風景に

          春暁

          春 暁             孟浩然 作             井伏鱒二 訳 ハルノネザメノウツツデ聞ケバ トリノナクネデ目ガサメマシタ ヨルノアラシニ雨マジリ 散ッタ木ノ花イカホドバカリ               出典『日本の詩歌28訳詩集』(中公公論社)  春暁 (しゅんぎょう)    孟浩然 (もうこうねん)    春 眠 不 覚 暁     処 処 聞 啼 鳥     夜 来 風 雨 声     花 落 知 多 少   春の暁  春眠 暁を覚えず  処処(しょ

          佐佐木信綱 短歌

          ぽっかりと月のぼる時 森の家のさびしき顔は 戸を閉ざしける              佐佐木信綱 作者は かわいらしい唱歌「夏は来ぬ」の作詞でも知られます「卯(う)の花(はな)(ウツギの花)の 匂う垣根に   時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ」アニメのように情景がクッキリとうかぶような歌を詠む歌人です月夜の廃屋寂しい情景ですが あじわいには ほがらかなものが混ざる気がしてなりません うしなわれた生活が家屋だけをのこし 暮らしの気配はかつての

          佐佐木信綱 短歌

          「注文の多い料理店『序』』宮沢賢治より

          ある時 ふかく味わう読書がしたいと 心にわいて なかでも詩によりそい 歩んでみたいと 思うようになりました。詩は暗唱がしやすく すぐにその世界をたちあげやすい そこがいい。濃くあじわうためには すこし噛みごたえがあるものも またいい。古語のように すこし意味がおぼつかなくても 音がうつくしいものは多く 読まれることを待つ詩が ひろがる景色を目にしました本棚をひらきなおし ひとり 愉悦の読書をはじめましたが ときどき 読んでいると浮かぶ色彩がありますたとえば『注文の多い料理

          「注文の多い料理店『序』』宮沢賢治より