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コラム(26日)、円安に打つ手なし、金融当局による“悲しも痛々しい”リーク?「為替レートは市場が決める」イエレン米財務長官

米国の1−3月期G D Pは前年同期比1.3%増と市場予想(2.5%)を大幅に下回った。ブルームバーグによるとほぼ2年ぶりの低い伸び率とのこと。成長率が鈍化しすること自体は現局面では’歓迎材料。ただその一方で個人消費支出価格指数は同3.7%増と予想(3.4%増)を上回った。この結果、インフレが沈静化し成長率がマイルドな形で上昇する、いわゆるソフトランディングへの期待感に微妙な変化が生じている。成長率が低下しインフレだけが再燃すれば、これは教科書通りのスタグフレーションだ。市場

    • コラム(25日)、現代アートの第一人者・村上隆の世界、芸術の未来を先取り

      名前は知っているが展覧会を見たこともなければ、作品に直接触れたこともない。この人には常に“世界の”という形容詞がつく。何がそんなに凄いのか、日曜日(21日)に放送されたEテレの日曜美術館、「モンスター村上隆、いざ京都!」をみてその凄さを垣間見た気がした。日本の伝統美にマンガやアニメと言ったポップカルチャーが融合されたエンターテイメントが軽やかに伸びやかに、巨大な画面に展開されているのだ。埼玉県三芳町にあるアトリエは2700坪、スタッフは総勢160人にのぼる。これはアトリエとい

      • コラム(22日)、「オッペンハイマー」を観る、時代に翻弄された「原爆の父」

        今年のアカデミー賞受賞作・オッペンハイマーを観た。日本人監督のW受賞で沸いた「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)、「ゴジラ–1.0」についで3本目のアカデミー賞受賞作品の鑑賞。上映時間3時間という長編。法廷、聴聞会、原発の開発現場や私生活と、小刻みに画面が切り替わる映像展開。専門用語がふんだんに登場する会話など、一回観ただけでこの映画のすべてを理解するのは正直言って難しい気がした。それでも天才物理学者・オッペンハイマーが政府の強い要請を受けて開発の現場責任者に任命され、苦労

        • コラム(19日)、円安の原因は何か?複合的な政策ミスの可能性

          財界が介入を要請する事態に発展した円安、根本的原因はなんだろうか。ど素人がなけなしの思考をめぐらせてみたところで、簡単に答えがみつかるはずはない。それはわかっているのだが、ちょっとした好奇心に煽られることもある。ってなわけで、財務省が3月にスタートさせた国際収支有識者会合の資料に目を通してみた。この会合の正式名称は「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」とある。財務省が提出した資料の左上には小さな文字で「国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ」と書いてある。財務官僚

        コラム(26日)、円安に打つ手なし、金融当局による“悲しも痛々しい”リーク?「為替レートは市場が決める」イエレン米財務長官

        • コラム(25日)、現代アートの第一人者・村上隆の世界、芸術の未来を先取り

        • コラム(22日)、「オッペンハイマー」を観る、時代に翻弄された「原爆の父」

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          コラム(18日)、止まらない円安、財界も悲鳴、はじまったマネーの空洞化

          円安が止まらない。現時点(11時17分)のレートは154円ちょっとの水準。政府日銀は「行き過ぎた動きについては適切に対応する」(鈴木財務大臣)と口先介入を繰り返すだけで、円安防止に向けた具体策は一向に示さない。おそらく打つ手がないのだろう。介入すると予想されていた152円台もあっさり通過、新たな介入メドとされる155円台に限りなく近づいている。政府・日銀の体たらくに業を煮やしたのか、財界が悲鳴をあげはじめた。ブルームバーグ(B B)は「財界首脳から相次ぐ円安是正要望、『行き過

          コラム(18日)、止まらない円安、財界も悲鳴、はじまったマネーの空洞化

          コラム(16日)、補欠選挙、自民党の近未来を左右する島根1区

          長崎1区、島根3区、東京15区の衆議院補欠選挙が公示された。焦点はただ一つ。裏金疑惑に揺れる自民党が3選全敗となるか、保守王国・島根1区で1議席を確保できるか、その一点にかかっている。島根1区は前衆議院議長の細田氏の死去に伴うもの。長崎3区と東京15区はいずれも、政治資金規正法違反に絡んだ前職議員の辞職に伴うもの。島根1区の細田氏は元々安倍派の前会長。裏金疑惑は同会長の在任中に起こっており、その意味では3選挙区とも政治資金の不正に絡んだもの。肝心の裏金疑惑の真相は依然として藪

          コラム(16日)、補欠選挙、自民党の近未来を左右する島根1区

          コラム(15日)、学歴詐称が再浮上の小池都知事、天皇陛下も騙したか

          文藝春秋5月号が炸裂した。小池都知事の元側近である小島敏朗氏が同知事の学歴詐称に加担した実態を克明に公表したのだ。それに合わせてカイロで同居していた北原百代氏が、学生時代の小池氏の実態を生々しく報告している。これに対して小池氏は12日の定例記者会見で「卒業していないと言っておられるが、大学が卒業を認めている」と堂々と述べている。あくまで卒業したと、これまでの主張を繰り返した。どちらを信じるか、個人的には小池氏は明らかに嘘をついているとの印象を受ける。だが日本社会は小池氏を受け

          コラム(15日)、学歴詐称が再浮上の小池都知事、天皇陛下も騙したか

          コラム(12日)、正直ホッ、そして次に驚いた、水原一平のあまりにも巨額な負債

          米国の捜査当局は11日、ドジャース・大谷翔平の通訳だった水原一平を「銀行詐欺罪で起訴した」と発表した。この中で大谷については、「自分の口座からブックメーカーに送金を許可した形跡はない」と説明、大谷がこの件になんの関係もなかったことが明らかにした。3月に大谷が自ら行った会見で無実の印象を強くしたが、それでも大谷の関与を仄めかすような記事がその後も散見され、「ひょっとすると」という不安は拭えなかった。そんな不安が昨日の当局の発報で雲散霧消した。正直いってホッとした。と同時に一平が

          コラム(12日)、正直ホッ、そして次に驚いた、水原一平のあまりにも巨額な負債

          コラム(11日)、「何なんこれ」、ビースト車内で“怪心”の笑みを見せる岸田総理

          日米首脳会談がはじまった。さまざまな話題がテレビ、新聞、ネットで報じられている。そんな中で個人的には上の写真に注目した。岸田総理が自分のX(旧ツイッター)に投稿したものだ。バイデン大統領も同じ写真を投稿している。大統領の専用車ビーストに同乗して晩餐会に向かう一場面である。大統領が自撮りしたようだ。満面に笑みを浮かべる両首脳。とりわけ岸田総理のこんな笑顔は国内ではほとんど見たことがない。「会心の笑み」だろう。裏金疑惑、党員処分、能登半島地震、支持率低下などなど。批判の嵐に覆われ

          コラム(11日)、「何なんこれ」、ビースト車内で“怪心”の笑みを見せる岸田総理

          コラム(9日)、NIMBY(ニンビー)去ってリニア復活へ、これは次の時代に向けた吉兆だ

          静岡県知事の川勝平太氏が辞任する。同知事が静岡県政にどれだけの貢献をしたのか知らないが、とかく問題の多い同知事の辞任表明をみてホッとした。これで開業の見通しが立たなかったリニア新幹線のメドがたつ。なんとなくそんな気がした。後任が誰になるかわかんらない段階で、そんな気楽な予想をしても仕方がないのだが、次の知事には少なくとも普通の“常識”がある人に就任してもらいたい。それほど非常識な知事だった。ブルーバーグ(B B)は昨日配信した記事で同知事のことを「NIMBY(ニンビー)」と紹

          コラム(9日)、NIMBY(ニンビー)去ってリニア復活へ、これは次の時代に向けた吉兆だ

          コラム(8日)、米経済は堅調持続、遠のく利下げ予想

          米経済は依然として堅調だ。市場の一部にある早期利下げ期待は再び後ずれするだろう。というか年内の利下げすら怪しくなってきた気がする。経済が減速しないのだ。原因は簡単だ。労働市場が一向に弱くならないためだ。インフレが落ち着き、インフレを上回る形で賃上げが続いている。F R Bがどんなに政策金利を引き上げても、求職者を上回る求人が続いている。先週末(5日)に発表された3月の雇用統計によると、非農業部門の新規雇用者は前月比で30万3000人増加した。市場の予想(ブルームバーグ=B B

          コラム(8日)、米経済は堅調持続、遠のく利下げ予想

          コラム(5日)、「サカナAI」、非日本人が主流の日本的な会社に無限の可能性

          何の役にもたたない自民党の老害政治家たちによる裏金づくりと、それに関連した議員の処分という醜悪な権力闘争にうんざりしている折、日本の将来に明るい火を灯すのではないかと思われる会社があることを発見した。発見したと言うのはちょっと大袈裟で、個人的に初めて知ったと言うべきだろう。米グーグル出身の著名研究者らが日本で立ち上げた人工知能(AI)開発の新興企業、「Sakana(サカナ)AI」(本社:東京・港区)のことだ。昨日、久しぶりに行った図書館で日経新聞をみてそんな会社があることに初

          コラム(5日)、「サカナAI」、非日本人が主流の日本的な会社に無限の可能性

          コラム(4日)、財政赤字はどこまで許容できるのか?

          けさ目に止まった記事はブルームバーグ(B B)が昨日配信した財政赤字に関するもの。タイトルは「米政府債務は持続不可能-100万通りのシミュレーションで結論は一つ」。中身はというと最近「米議会予算局(CBO)は最新の予測で、米連邦政府の債務が対GDP比で昨年の97%から、2034年には116%へと上昇し、第2次世界大戦時よりも高くなると警告した」。この警告が妥当かどうか、自ら検証してみたというもの。その結果、「実際の見通しは(C B Oの見通しよりも)もっと悪そうだ」と結論づけ

          コラム(4日)、財政赤字はどこまで許容できるのか?

          コラム(3日)、桐生悠々を探せ、金権腐敗の自民党を“糺す”

          自民党は明日(4日)、裏金づくりに絡んだ党員の処分を決定する。離党勧告か党員資格停止か、伝えられる処分内容は毎日揺れ動いているようだ。ニュースを見ながらうんざりする毎日。この不快感をなんと表現すればいいのか、あまりの体たらくに呆れてものが言えない日々だ。そんな折に読んだ「石橋湛山に学ぶ『真正保守』の哲学」(文藝春秋4月号、保阪正康著、連載第41回)が私の怒りを代弁してくれた。己の拙い文書を綴るよりも、保阪の的を射た文書を紹介した方が個人的な怒りを率直に表現できる。今年は石橋湛

          コラム(3日)、桐生悠々を探せ、金権腐敗の自民党を“糺す”

          コラム(28日)、辞める人と辞めない人たち、岸田総理を襲うブーメラン

          岸田総理が近くパーティー券疑惑を招いた自民党の関係者を処分するという。もちろん党総裁としての処分であり、言ってみれば極めて私的な処分だ。政治資金規正法違反という立派な法律違反を犯しているのだから、本来なら国家がきちんと処分すべきだが、検察は違反に関わった派閥の会計責任者を処分しただけ。一部の国会議員は起訴したものの、これは例外中の例外。証拠隠滅を図ったことが発覚して処分されたに過ぎない。今回の件で検察はそういう意味では誰一人処分していないのだ。昨年末、全国から検察官を集め、あ

          コラム(28日)、辞める人と辞めない人たち、岸田総理を襲うブーメラン

          コラム(26日)、「ショックという言葉が正しいとは思わない」、疑惑を払拭した大谷会見

          最初は何を言っているのかな、と思った。会見は「正直、ショックという言葉が正しいとは思わない」という大谷の言葉で始まる。ショックじゃなかったということ?いやそうじゃない。「うまく言葉には表せないような感覚でこの1週間ぐらいはずっと過ごしてきたので、今それをうまく言葉にするのは難しい」、なるほど、そういうことか。通訳でもあり気の置けない友人でもあり、細々とした日常生活の“伴侶”でもあった水原一平氏に裏切られた複雑な心境を表現すると、こういうことになるのか。ショックを超えるショック

          コラム(26日)、「ショックという言葉が正しいとは思わない」、疑惑を払拭した大谷会見