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〜極私的名著選評〜『格闘する者に○』①(4)

おはこんばんにちは!やっすんやで!
いやはやいやはや、前回noteより大分間が空いてしまいましたが、読者の皆さまにおかれましては、さぞ待ち遠しかったことでしょう。ええ。申し訳ございませんでした。
ということで、今回もタイトル通り、あくまで私的な名著選評なんてことをやっていきたい所存でございます。読むだけまじで無駄なので、今すぐ画面を閉じられることを強くオススメしまさぁ(唐突な江戸っ子の出現)

はいはい、前回の③では、物語の冒頭である漫画喫茶のシーンについて、可南子という主人公の人間性を余すことなく表しているよね〜的な話をして終わっていたと思います。
では具体的にどういうことなんだい、と。皆さまの中のリトルきんに君が暴れ出すのも時間の問題かと思われますので、簡単に説明していきましょう!

あ、何度も言いますが、過剰なネタバレが今後どんどん出現してきますので、未読かつ真っ新な脳味噌で本作を読まれたい方は、まじでこの先には進まないでください。僕は言いましたからね!ちゃんと忠告しましたからね!!!

というわけで可南子の人間性という点からですが、まあ一言で言うと、「怠惰」なんですね。就活はサボり、授業はサボり、アルバイト先でのやる気も芳しくなく、夜中に数メートル先の電気あんかの電源を落とすことさえ、廊下を通りかかった弟に託すというような奴なんです。
他にも可南子という人間がいかに怠惰な人間であるか、という描写は数多く出現しており、「彼女は怠惰である」という解釈については議論の余地は無いでしょう。無いですよね?(軽めの圧)まあ、あっても無視して先に進むんですけどね(偽装 交通事故 バレない)

まあ「怠惰」に関しては初読の段階でほぼ全ての方が理解することと思います。しかしこの可南子という女、ただ怠惰であるだけの人間では無いんですね。
では他にどういった性質を持ち合わせているのか、ですが、それはズバリ「意志の弱い正義感」です。
ただの「正義感」ではないところがミソと言いますか、この作品がたまらなく良い雰囲気を醸成している所以と言いますか、とにかく大事なんですよ。可南子の「正義感」が、「薄弱」であるという設定は。

さてさて、そろそろまじで何をいっているのか理解できる人が、この地球上に0人になってしまってきているやも知れませんが、私は気にせず進めます。何故なら【極私的】だから!!!!

正しく本文を抜粋する気力は無いので、なんとなくその場面を紹介します。可南子は就活(厳密に言うと説明会)をサボって漫画喫茶で漫画を読んでいたんですね、そしてそろそろ帰るか〜と恐らく背中を伸ばしでもしている最中に電話の音が鳴り出して、そちらに注意を向けると、これまたサボって漫画を読んでいたであろうサラリーマンが通話相手に対して言うんですよ。今出先で、今日は直帰するからボードに書いておいてくれ、と。
そこで可南子は、自らの状況をあり得ないほどの高さの棚に上げて、「嘘つき!ここは漫画喫茶よ!」と言いかけちゃうんですね。実際は言ってないんですけど、心の内ではサラリーマンが働いた不正に対して、それなりの温度で憤慨しているんですよ。

どうですか?ワクワクしてきませんか?()
こんな身勝手な主人公、ワクワクせざるを得ませんよね(強く自分に言い聞かせる)
この後も可南子という女性の、なけなしで脆弱な正義感、ともすれば「芯」や「軸」のように言い換えることができる類のものを、効果的に表している描写が散りばめられており、それを目にする度に可南子ファン、ひいては格闘する者に○ファンとしては胸の高鳴りを抑えきれないんですな。

と言うわけで約300ページに及ぶ本編の視点である、主人公の性質というものを、本作ではわずか1頁にも満たない文章の中で、簡潔にかつ正確に表現しちゃってるんですね〜。全く、三浦先生の力量の程は如何に、ってな感じなんですが。。。
他にも素敵で楽しい描写はもちろん沢山あって、私ごときが体系的にご紹介するにはいささか手に余ると言いますか、力不足と言いますか、とにかく最高な作品です!!!と言うことをお伝えしたい。そして何より、登場人物の一人一人が素敵な魅力を持っていて、その世界に入り込みたくなる作品です!!!!(今世紀最大のクソデカボイス)と言うことも併せてお伝えしたい。

ど素人が偉そうに、本作の技巧的な部分を評してしまいましたが、そんなつまらないことは脇に置いて、ぜひまずは本作を手に取って頂ければなと思います。

あ〜疲れた。甘いおしるこが飲みたくなってきたので、終わります。
あでぃお!!!

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