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「それ、なんの役にたつの?」

目新しい仕事とか、技術にふれると、楽しくて没頭するわけですが、上司に説明すると決まってこんな会話になります。そのあたりを少し考えてみたお話。

たとえば、新商品のために、新しい技術を作る部署にいたとして、Webアプリがつくれる技術と環境を新しく手に入れたとしましょう。社内にサーバをたてて、ミドルウェアをいれて、言語を覚えて・・・そりゃもうわくわくですね!技術屋としては、ほんと楽しい時間です

で、これを社内でサービスをつくるためにどうしようかな?とか、商品に組み込むためにはどうしようかな?なんて考えながら、週報を書くわけです。「特記:こんな事覚えた、こんなツールが使えるようになった」と。

そんなときに、きまって こんな会話になります。

・それ、おいしいの?
・それ、覚えてなにか役に立つの?
・どんなアウトプットがあるの?

なんとなく事業仕分けの雰囲気すら彷彿とさせる質問ですよね(^_^;)。まぁ、そうなんですよ。仕事の時間でやることだから、結論がほしい、と。そして、それがビジネス価値としてどうなのか?と。

たぶん、自分が上司で結果をすぐに出せと言われてたら、私もそう聞いていたかもしれない。

んでもって、部下はこう答えるんです。「これができれば、業務が効率化できるし、書類も自動化とかできるし。スキルを身に着けました」、と。

でも、この回答は上司と部下の間に視点のずれ、すなわち求めてるものが違うんですよね。上司は着地点を見て判断したいから具体的成果を求め、部下は結果を出す準備を進めてる最中だから、手段の引き出しを増やすことを求めてる。

同じ様に仕事を進めようとしてるのに噛み合わない原因って「期待されている話の仕方が異なる」から。そして話の仕方が異なると感じるのは、「ちょっと情報を出すのが下手だった、あるいは報告が速すぎた」ことに起因します。

シーズ探索みたいな仕事では、実証環境をすぐに立ち上げるための「スキル」と「環境」が必要。その反面、「スキル」と「環境」は使う目的がなければ、先行投資で終わってしまう。しかし本来、しかるべき先行投資をしないと、アウトプットは出来ないが、そのアウトプットに直結できるかどうかすら、直接関与しない人にはわからない。なので、具体的な結果のイメージを求める。しかし、部下はそんなのやって見ないとわからないから、勉強しながら先へ進む。本当に使えるかどうかなんて、勉強して見ないとわからないし

なので、このギャップを埋める必要があるんですが、案外、話の進め方さえ工夫すれば何とか解決出来ると思ってます。

その方法とは、下記のように「内緒で少し先に進めてみる」。要は素直に報告するんじゃなくて、戦略練って報告せよ、ってことでしょう。

・ちょっと情報を出すのを伸ばしてみる(怒られない程度に)
・技術を身に着けたら、1つ社内向けサービスの骨組みを作ってみる
・着地点の公算がついたら、少し開発を進めて機能を1つ完成させる
成果が出せそうになった時点で上司に情報を出してみる
・「おいしいの?」と聞かれたら具体例で
 「こんなにおいしい!」と言う (この時の言い値は1.5倍で!
・上司が話に興味をもったら、一気に作り込む

着地点をあらかじめ見出して、相手がするであろう質問の答えを用意しておくって感じでしょうか。

ちなみに言い値1.5倍っていうのは、作り込むときに自分を追いつめてる仕掛け(笑)と、上司が具体的な結果をイメージできるようにする言い方です。こうしておけば、投資量と時間、最初の具体的な落とし所のバランスをとりながら、進めることができます。ここ、盛りすぎると後で死にますが…。

もっとも、「そんなん常識だよ!」という職種・ケースもあろうかと思いますが…意外とこんなところで躓いている人もいるようですよ(^^;

ま、前向きな「良い報告」はこうやって出したほうがいいみたいですな。
ちなみに、悪い報告は真っ先にしてあげてください。リカバリーに時間がとれるほうが物事進めるには有利なんで。

ってなわけで、そんなことを言われたら、試してみてください!


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