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『オールドフィルムカメラがデジタルカメラとして蘇る「I’m Back Film」が登場』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2023.12.22


■オールドフィルムカメラがデジタルカメラとして蘇る「I’m Back Film」が登場

昔のフィルムカメラには今のデジタルカメラにはない質感や操作性などの魅力があります。とはいえ今やフィルムを買うのも現像するのも簡単ではありません。そこで登場したのがフィルムカメラをデジタルカメラにしてしまうキット「I’m Back Film」です。この手の製品はこれまでにもいくつか登場してきましたが、I’m Back Filmはその完成形と言える製品かもしれません。

古いフィルム式の一眼レフカメラをデジカメにしてしまうキット「I'm Back Film」が開発されました。

約10万円と高額で、届くのも来年7月とまだまだ先ですが、実験機に留まらず販売までこぎつけているのはすごい。

スマホで手軽に高画質な写真が撮れてインスタなどSNSに簡単に投稿できる昨今でも、フィルムカメラでピントを合わせて息を止めてシャッターを切る体験はすごく楽しいものです。

面白いけれど最近では仕舞い込んでいた、カビが生えて使えなくなった往年の一眼レフカメラをお持ちの方は、この「I'm Back Film」でデジカメ化して「体験を復活させる」のはとても魅力的ではないでしょうか。

またフィルムカメラを仕舞い込んでしまう原因のひとつはやっぱりフィルムにあると思います。購入も現像も大変ですし枚数制限もあります。だからこそ入魂の一枚が撮れるというのも一理ありますが、シャッターを切る快感を手軽に味わえる方が、より押し入れから古い一眼レフを引っ張り出す動機付けとしては強いのではないでしょうか。


大学生の頃のキヤノンAE-1&旧F-1の思い出

アナログなフィルム式の一眼レフカメラは全く詳しくないのですが、今の自分につながる思い出があります。

約30年前、大学では写真部に所属していました。そしてフィルム式一眼レフカメラの名機と誉れ高い、キヤノンのAE-1と旧F-1を使っていました。

ただこの2機とも当時の彼女からの借り物で、良いものらしいことはシャッターの切れなんかで感じていましたが、よくわかっていませんでした。

「機動警察パトレイバー」で有名なゆうきまさみ先生がパトレイバー以前に描いていた写真部(光画部)のコメディ漫画「究極超人あ~る」が大好きで、実際に写真部に入ったら楽しいだろうな、と気軽な感じで入部したのがキッカケでした。

モノクロのフィルムを暗室にした部室で手巻きして、数本撮っては暗室で現像と焼き付けを手作業でやっていました。こんな超アナログな写真体験ができたのは貴重だったな、と、今振り返って思います。

しかし、大学の写真部に在籍しているときに大きな転機がありました。
「デジタルカメラ」の登場です。


1995年、カシオQV-10が発売。ハマる。

 コンパクトデジタルカメラ、通称コンデジは平成を代表するIT機器の1つだ。その先駆けとなったのは、カシオ計算機(以下、カシオ)が1995年(平成7年)に発売した「QV-10」だろう。

 QV-10の登場以前にもデジタルカメラは存在したが、大型だった。QV-10は幅13×奥行き4×高さ6.6センチ、約190グラムというサイズを実現。単3乾電池4本で駆動し、どこでも手軽に撮影できた。センサーサイズは1/5インチ、撮影画像の解像度はQVGA(320×240)だった。時の流れを感じさせるスペックだ。

デジタルカメラを世に普及させた、事実上のデジカメ初号機「カシオQV-10」が、写真部在籍中に発売されました。当時から新しもの好きだった私は、QV-10の発売と同時に飛びついて買いました。

買って直後から、QV-10の新しい面白さにハマりました。

フィルムの枚数・お金・現像の手間を気にすることなくザクザク手軽に写真を撮れること、写真を紙焼きスキャンせずに直接ネット(当時はパソコン通信のBBS)にアップロードしてたくさんの人に見てもらえること、撮ったデジタル写真をPC上でレタッチや合成することなど、同じ「写真」なのに全く違う体験ができることに感動しました。

当時から、最新技術で価値観が変わるような体験、新しいビジネスアイディアが湧き出る興奮が好きでした。

QV-10の320x240という超低解像度では品質面ではフィルムカメラに全く及ばないのに、将来は画質は上がる、ネットで写真を大勢の人に見てもらえる、大勢が写真を撮るようになる、という未来のワクワクのほうにハマっていきました。

AE-1と旧F-1を使わせてもらっていた彼女と別れたこともあり、写真部も辞め、デジタルカメラで撮った写真でブログを書くようになりました。今から振り返れば、毎日noteを書いている今に直接つながる契機が、1995年のフィルムカメラからQV-10への移行だったと言えます。


「I'm Back Film」にはネットとAIが必要だ

最先端の生成AI技術と、何十年も前に作られたフィルム式一眼レフカメラが融合出来たら面白そうです。

「I'm Back Film」のセンサー部分はこのようにフィルムを装填するのと同じ手筈で行いますが、

写真をプレビューできる液晶を搭載した「本体」をカメラの下部に取り付ける必要があります。この「本体」側に撮影したデータが保存されます。

これ、カメラの背面に薄い液晶だけ取り付けて、データはすべてワイヤレスでスマホに記録するようにできないものでしょうか。

そうなれば、撮影した画像にその場で生成AIが処理を加えたり、データ転送の手間なくスマホから直接SNSなどに投稿ができるようになります。

そこまでやるなら初めからデジタル一眼レフカメラを使うよ、なんならスマホでいいよ、という人も増えそうですが、フィルムカメラを現代化するにはデジタル記録できるだけでなくネットやAIと連携できる機能はやっぱり必要だと思います。

かつてQV-10で写真がデジタル化された時にも面倒だと感じた、「写真データをパソコンに転送して、必要な加工を施して、ネットにアップする」の3段階の手間が残ったままだと、「I'm Back Film」は現代的な実用性が足りなくてまた押し入れに仕舞い込まれてしまうような気がします。フィルムや紙焼きよりマシ程度に留まらず、ネットと生成AIにも対応してほしい。

まぁ、フィルム式一眼レフカメラを持っていない自分が言うのはなんですが。

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