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「Be yourself~立命の記憶~Ⅱ」第6話

空白の中身

ホテルに着いて、チェックインを済ませた私は、ニノに言った。

「じゃ、荷物ちょっと置いてくるね。あ、お土産いつ渡そう?結構大きいよ。」
「あ、明日でもいいし、いつでもいいから。」
「じゃ、とりあえず置いておくね。忘れないようにしなきゃ。」
「俺、外でたばこ吸って待ってるから。」
「分かったー。じゃ、後ほど。」

私は、エレベーターで8階に上がって、805の部屋を開けた。

バンコクのスクンビットにある、アライズホテルは、単身者向けというかこじんまりとしたビジネスホテルだ。でも、内装がすっごくクールでラグジュアリー。さすが、彼が教えてくれたホテルなだけあるね。
ホーチミンのホテル、私、何も考えないで予約したら窓の無い部屋だったし。まぁ考え事するにはちょうど良かったんだけど。
ワインレッドとグレーの、オシャレなベッドカバーが、白いベッドに彩りを添えるように丁寧に置かれている。同色の正方形の枕が、きちんと揃えて斜めに立てかけられていて、美しい。 窓からは光が入り、明るくて開放的な部屋。あ、いやいや、気持ちまで開放的になっちゃダメだって。忘れるな―私―。

さて、お土産は後でいいって事だったんで、持っていくものはー・・・資料だな。 あと彼への手紙も。 あとは、ポーチの中にお財布、たばこー、スマホー、Wi-Fi―。えーと、大丈夫かな? もう一回。
お財布―、たばこー、スマホ―、Wi-Fi―。資料の中に手紙―。OK!
あ、あと名刺!
私は、バッグに名刺入れも入れた。仕事ですから

うーん、しかし、資料のせいでバッグがでかい。しかもこのバッグやなんだよなーかわいくなくて。ま、しょうがない、これが海外旅行スタイルだ。
ダサい女だと思われたらやだなぁ・・・。 ま、今日のお花柄のワンピースがかわいいから、いいよね!

と、ポーチを入れたバッグを斜めにかけて、そのまま、ホテルの部屋を出た私。
下に降りて、外に出る。
左右をキョロキョロすると、右側から彼がやってきた。

***

俺が手を振ると、

「お待たせしましたー。」

と、彼女が言った。
彼女の傍まで近づいた俺は言った。

「じゃぁ、とりあえずビールでも飲みますか。この時間だとあんまやってる店少ないんだ けど。」
「大丈夫だよ、ビール飲みたーい。」
「じゃ、すぐそこでいい?ホント他の店開いてなくて。1次会にはならねーな、0.5次会って感じで。」
「ウフフッ、全然大丈夫ですー。たばこ吸える?」
「吸える吸える。」
「良かったー。」

よし、ウケたウケた。
そう言って、歩き始めた15時半頃。 まだまだ、昼下がりという明るさで、日中の暑さも続いている。
俺達は、ホテルから歩いてすぐ近くのカフェバーに行き、テラス席に向かい合わせで座って、まずはビールを頼んだ。
客は俺達だけ。すぐにビールが来た。

「じゃ、まずはカンパーイ。」
「お久しぶりー。」

そう言って、彼女は手際よく、名刺を差し出した。
まさか、名刺を出してくるとは思ってなかった俺は、ちょっと慌ててスーツのポケットから名刺入れを出した。持ってて良かったー・・・。

お互いの名刺を交換し、今やっている仕事の話をした。
一人でやってるんだと思っていた彼女の会社は、パートの人員まで雇っていて、童顔でショートカットの彼女は高校生の時の面影のままだからか、にわかに信じ難い。
俺、自分が代表の会社、まだ一人なんだけど・・・。

彼女は、俺の名刺のデザインをカッコいいと褒めてみたり、俺の会社のHPを調べていたりと、話してみるとちゃんと仕事の話の出来る人だった。
あ、これ、やっぱり全然いい雰囲気なんかにはならないで、普通に懐かしい同級生との同窓会で、もっとこれから先の仕事の話とかするべきかな、と思っていた。
そもそも、昔の苦々しい思い出にはなるべく触れたくない・・・。

***

散々、仕事の話をして、夕方5時を過ぎた頃、他のお店も開き始めるという事で、彼にお店を変えようか、と言われ、私たちは道路の向かい側に行った。
歩いて15秒、車道を渡った先に、日本人街のような場所があり、垂直に100mくらいの路地が伸びている。 両サイドに、それぞれ、一軒家のような店舗がズラっと並んでいた。 あちこちに、日本語の看板。
「そらまめ」とか「はなれ」とか「俺の26」とか。パッと見ですぐに分かる日本人向けのお店。奥のほうには・・・、あ、大人の男性向けのマッサージ店的なものまで・・・。
ニノが、その中の、「ばんや」という3階建ての居酒屋に入り、その後をついていった。2階が半個室になっていて、掘りごたつ。

2週間以上前から食欲が無かった私は、食べ物に固執していなかったので、ゆっくり話が出来ればどこでも良かった。
まずは、私の疑問と誤解を解きたいんですよ。
ただこの時、資料で事前に作っておいた話の流れなどはスポーンとどこかへ飛んでいってしまっていた。

居酒屋のお座敷の、奥に私、手前に彼が座って落ち着くと、彼が言った。

「飲み物はどうする?」
「あたし、最近水割りばっかりでー。ウイスキーとかあればありがたいんだけど。」
「焼酎は?」
「なんか、焼酎飲むと、飲みやすいせいか、飲み過ぎちゃって。そんで翌日二日酔いするんだよね・・・。」
「じゃぁ、ウイスキーのボトル入れちゃおう。せっかくだから高いやつで。」

という事で、響のボトルを入れてくれた彼。
私は氷抜きの水割り。彼は普通に氷入りの水割り。

乾杯をして、彼が言った。

「まさか、こんな風に飲む事になるとは思わなかったよねー。」
「うん、そうだよね・・・。」

もう、私、色々聞きたい事が満載で頭が一杯。ノリ悪かったと思う。
彼は、一生懸命色んな話をしていたような気がする。だけど、私は、聞きたい事と言いたい事で頭がいっぱいで、話半分しか聞いていなかった。
聞きたい事につなげるために、彼の話の流れから、高校時代に付き合っていた頃の話をしようとするんだけど、何故か、別な話に戻ったりとかしていた。
すごく何度も、違う話ばかりされた気がする。
あと、彼は仕事の話を熱心にしていた。「タイから世界へ」って何度も熱く語っていた。 もう、正直、仕事の話はいいよ、と思っていた私。
ついには黙ってしまったと思う。 私、どんな顔をしてたんだろう。

***

スゲーつまんなそう・・・。あー、マズい、コレマズい・・・。
そこで、俺は切り札を出した。

「あ、俺の今の彼女の写真、見る?」
「あー、どれどれ?見せて、見せてー。」

よし、食いついたぞ。ね、気になるでしょ?

「なに、超カワイイじゃん、彼女。」
「タイ人なんだけどさ、飲食店5店舗くらい経営してるんだ。」

本当はマネージャーなんだけど、見栄を張った俺。

「へー、ヤリ手なんだねー、頭良さそうー。」
「まぁ、俺ほどじゃないけどね。」
「あれ?あなたそんな人だったっけ?」
「知らなかった?」
「知らないよー、だってあたし高校生の真面目なあなたしか知らないもん。」
「まぁ、そうだよね。」

そしたら、今度は彼女のほうから切り出してきた。

「あ、で、私、実は今回こんな資料を作りましてね」

黒いバッグから、クリアファイルの中に入れた提案書みたいなのを引っ張り出して言う。

「あなたとの接点を整理して、分析してみたんですよ」

『20年間の分析と考察、状況の整理と目標達成までのプロセス』と書いてある表紙を見せられた。

「何これ」
「なんでこんな事になったのか、誤解があると思って作りました」
「フフッ、タイトルすごいね」
「ウケるでしょ、これ仕事中に作ってたから」

そう言うと、資料をパラっとめくり、1ページ目を見せた。
事実検証1 接点 と書いてあり、その下の「16歳or17歳 告白して付き合う、キスして別れる」を指さして彼女が言った。

「私、あの時、帰り際にチューしたいって言いだして、チューしたじゃん?」
「う、うん。」
「あの時、私の事好きだったの?」
「いやぁ、まぁ正直言うと、プレッシャーだったよね。」
「プレッシャー?何が?」
「だって、君はさ、学年のアイドルだったワケよ。なのに、なんでこんな俺みたいなヤツと付き合ってんだって。」
「俺みたいな、ってどういう事?」
「だって、当時の俺なんて、将棋でいうと『歩』みたいなもんだよ?」
「ウフフフッ。」

よし、ウケた。もっかい言お。

「もうね、歩よ、俺なんて、マジで。歩!」

***

「ほ」って言ってるけど、「ふ」ね。
フフフ、彼、理系だなやっぱ。

「で、何でそんなプレッシャーなの?」
「分かんない?だって俺があなたの彼氏だって思われたら、何でコイツ?ってなるじゃん!もーすごいプレッシャーだったよ。」
「そうなんだ・・・。」(私、落胆。)
「だから、俺、誰にも言ってないもん。あなたと付き合ってた事。」
「そうなの?」

私、驚きを隠せなかった。高校生で、好きでもない人とキスするような男なんて、自慢げに他の人にバラしているはずだと思っていた。

「じゃぁ、電話くれた時は、どう思ってたの?」
「電話?」
「なんか大学生の時に電話くれたじゃん?」
「あれ?そうなの?いやー、俺それ全然覚えてないわ」

がくー。あんなに私にひどい事言ったのに覚えてないんですか・・・

「俺、その時、酔っ払ってたんじゃない?」
「いや?そんな風には聞こえなかったけどね。声は。だって結構ちゃんと喋ってたよ。」
「いやー、ホント?俺ホント覚えてないや、ごめんね!!」
「本当??」

私、彼が嘘をついていないか、じっと目を見つめた。彼はちゃんと私の目を見つめ返していたが、うーん、わからん。
全然、目をそらさずに見つめ返してくる。目は泳いでる・・・? いや、ワザと泳がせないようにしている? でも、本当の事が分からない。

※金さんのセリフはこの時すっかり忘れていた。
(腕をさわる、目をじっと見つめる、はダメよー。)

「いやー、私、あの時、すごい傷ついたんだよね。あなたが私の事迷惑だって言ったから。」
「や、だって俺ホント覚えてないもん、それ、ごめん!ごめんなさい!」
「まぁ、いいけど・・・。考えてみたらあなたとは1回しかちゃんと会ってないもんね。」
「いや、高校の時は2回会ってるよ。バレンタインデーの時、ウチにチョコ持ってきたでしょ。」
「あれ?そうだっけ?あたし、バレンタインデー覚えてない。」
「俺の父親が玄関で会ってるよ。お前にもこんな彼女が出来る歳になったのかーって言ってた。」
「そうなんだ・・・。」

記憶を辿ると、チョコを受け取ってもらえなかったようなそんな思い出が・・・すると彼が言った。

「それよりもさぁ、ひとつ忘れてるよ。」
「忘れてる?」
「俺たち、受験の時に一回会ってるんだよね、後楽園のホテルのロビーで。」
「え??そうなの??」
「覚えてないの?」
「ごめん、全然覚えてない・・・。ホントに覚えてない・・・。」
「で、ロビーで話してて、『飯どうする?』ってなったんだよね、俺、試験終わってるし、マックかなんか行こう、って話になったんだよね。」
「うん。それで?」
「そしたら、あなたさぁ、『じゃぁ着替えてくれば?』って言ったんだよ。」
「そうなのね。覚えてないけど。」
「今だから言うけどさ、俺んち、そん時、貧乏で服とかそんな持ってなかったんだよね。」
「うん。」
「だから、当然このまま出掛けるんだと思ってたワケよ。そしたら『着替えてくれば』って言うから、これじゃダメなのかよ!ダセーって事かよ!ってなってさー。」
「えぇぇぇ?!そうなの?私そんな事言うはず無いよ!覚えてないけど。」
「言った。言った。絶対言った。」
「えぇぇぇ・・・覚えてない・・ごめーん・・・。そうなんだ・・・。」
「だから、外出しちゃダメって言われてるって事にして、出かけなかったんだよね。」

あぁー、そうだったんだー。私、全然覚えてない。というか、あれ?なんとなくどんな格好して行ったかだけ、おぼろげに・・私めっちゃ気合い入れてオシャレしてったような気がする・・・。なのに、この人、私とご飯食べる事すらしてくれないんだな、冷たい人って思ったような・・・。私、帰りに電車で泣いたような記憶ある・・・。

すると、彼が言った。

***

「あと成人式でも少しだけ会ってるよ、俺にチラシだけ渡してどっか行ったよね。」
「あー!そうだ!あたしちょうどデビューしたばっかりだったから、当てつけに!」
「その後、俺、CD買ったもんね。」
「あ、それはお買上げまことにありがとうございます。」
「俺、その後、同窓会行っちゃったから会ってないよね。」
「うん、私も別な同窓会行っちゃったしね。」
「懐かしいね。」
「うん」

今日だって、二人だけの同窓会だ。こうやって懐かしい話に花を咲かせて、楽しい時間を過ごせている事が、海外に居る俺にとってはどれだけ嬉しいか。

すると、彼女が言った。

「あ、そうそう、あのですね、ひとつお話がございまして。」
「なんでしょう?」
「突然でちょっとびっくりするかも知れないんだけど、私、過去とか未来とか見えるんですよ。」
「へー???」

 何それ? 全然意味が分からない俺の顔を見て、彼女が言う。

「あ、全然分かんないって顔してるね。まぁ普通の人が感じないものを理解出来るんです。 例えば、前世とか、魂とかのようなものをね。」
「ふんふん。」
「それでね、私、あなたに伝えたい事があります。」
「何?」
「まずね、最初にバンコクに行くって連絡したでしょ?」
「うん。」
「その後あなたが空港に迎えに来るって言ったよね?」
「言った。」
「その頃からなんだけど、そっからずっと頭がフワフワして、眠れなかったんですよ。」
「ほう。」
「で、なぜそうなってるのかが、昨日分かったんです。」
「昨日?」
「ホーチミンのホテルで午前中。あたし全然出掛けられなかったんだよね、頭バカになりすぎて。計算もできなくなっちゃったし。」

は?!まさか、『私があなたの運命の人です』とか言いだすつもり?! イヤイヤ、ダメよ、俺、彼女居るし、君も既婚者でしょって、なだめて、でもお互い止められない!ってなったら、ホテルがすぐ隣なんだからマズい!!

とにかく、その場を取り繕うのに必死だった俺は言った。

「あぁー!!!あれね!」
「何?」
「ほら、あの、ほら、あれだよ、あれ!」
「何?」
「ほら、その・・えーと、何だっけ。」

・・・無理。誤魔化せなかった俺。 しょうがない、彼女の流れに乗るしかないと諦めた俺に、彼女が言う。

「まぁ、いいや。それでね。」
「はい。」
「どうしても眠れない事が多すぎて、頭がずっとぐるぐるしていまして。」
「はい。」

胸の鼓動が止まらない俺。

「で、やっと昨日の朝、結論が分かったんです。」
「何?」
「あなたが好きです。」

***

あら?私、何言ってんだ?違うぞ?違―う!!!!!!
手紙の話をしようと思ってたのに、自分でもビックリする位、全然違う事言ってる私は、下を向いて目を見開いていた。
そして、彼が言う。

「嘘だー、嘘だよー。なんで今更?」
「今更だよねー、ホント思う、なんで今更ー???」

私、あれ、違う違う、何でこんな事言ってんの、って思って、恥ずかしくなって両手で顔を隠して下を向いた。

「今更だよ・・・」
「そうだよね・・・」

と、更に俯いた後、間髪入れずに気付いた私は言った。

「あ!でもたぶん、私達付き合ってもうまくいかなかったと思うよ!」
「それは思う。」
「でしょ?だって、あなたとあたしだよ?うまくいくワケが無い!」
「確かにね。俺3歩下がって付いてくる女が好みだし。」
「今時そんな女居ねーわ!あ、居るか。それが彼女ね?」
「そう。親にも会わせてる。」
「早く結婚すればいいのにー。」
「まぁ、いいよ。それで?」
「あ、えーと、何だったっけ?あ、そうそう手紙。」
「手紙?」
「お手紙を持ってまいりました。」
「誰から?」
「それは分かんない。」
「どういう事?」
「いや、だからね、私、前世とか魂の叫びとか、そういうの分かるって言ったじゃない?」
「うん???」
「あ、あんま分かって無いね?」
「まぁ、半分くらいは。」
「まぁ、そうだよね。それで、今回のこの旅を何故する事になったかが分かりました。」
「ほぉ。」
「きっかけはウチの主人。彼が社内報に載っていた Konami さんを見て、私にベトナムの彼女に会ってくれば?って言った。」
「うん。」
「そんで、私は、Konami さんに会いに行くついでに、あなたに連絡した。」
「はい。」
「で、今、そのあなたにメッセージを届けてくれ、という人がいます。」
「だから、それは誰なの?」
「いや、だからそれは私には分からないんですよ。」
「なんで?」
「まぁ、なんででしょうね。」
「なんででしょうね・・・。」

オウム返しに、彼が言うので、話が止まってしまった。
うーん、今、手紙を渡すべきではない、と何かが語りかけている気がする。
すると、彼が言った。

***

「あ!カラオケ行こうよ!カラオケ!」
「えぇー??カラオケ??やだよー。」
「いいじゃん、俺、アイさんの歌、聴いてみたいもん」
「えぇー、やだよー。」
「だってじゃぁ、どうする?」
「どうするって??」

カラオケ行かないなら、後、あなたのホテルしか行くとこ無いけど?
そういうつもりで、俺の事好きって言ったのかと思って、俺は聞いた。

「どこ行くの?」
「どこ行くって・・・えぇ!いやいやいやいや、何をするつもりなんですか、あなた!」
「そんな事言ってないじゃん」
「いや、言ってないけど言ってるよ!何、その顔!」

ん?顔に出てるのか、俺?
真顔に戻した俺が言う。

「言ってないよ」
「言ってないか、あれ?言ってないの?」
「言ってないよ」(キリッ)
「そーだよね!言ってないよね!あーびっくりした!」

言ってないぞ、そんな事は言わないぞ、少なくとも俺からは。


「だから楽しく飲もうよ。次カラオケ行こう」
「おー!っていやー、やっぱカラオケはダメだよー。」
「だって好きなんでしょ?」
「うん・・・って、いや、あなたの事じゃなくて、カラオケね!カラオケは好きだよ!」
「じゃぁ行こう」
「あ、いや、だって、今さら恥ずかしいもーん」
「恥ずかしいってなんで?あなたプロだったでしょ?」
「プロだったっていっても売れてないしー。下手だしー。」
「いや、俺なんかより全然上手いでしょ。」
「うまくないよ―、下手だよー。」
「じゃぁ聴かせてよ。」
「うーん、どうしよっかなー。うーん・・・・・・いいよ!じゃぁ行く!」
「よーしそうこなくっちゃー。さ、行こ!」
「はーい。」

こうして、俺たちは、2軒隣のカラオケスナックへ向かった。

第7話へ続く
↓↓↓

#創作大賞2023

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