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東京建築巡り・中銀カプセルタワービル

こんにちは、だるまです。昨日16時にコーヒーを飲んだら今日AM4時まで眠れず、カフェインの恐ろしさを体感しました。睡眠不足をデフォルトにしてはいけません。

中銀カプセルタワービル

さて、今年の目標の一つ「解体前に中銀カプセルタワービルに行く」を達成しました。

中銀(なかぎん)カプセルタワービルは1972年、黒川紀章の設計により竣工しました。カプセルが積み重なったようなこのビルは「メタボリズム建築」の代表的な作品です。

中銀カプセルタワービル(筆者撮影)

メタボリズムとは?

メタボリズムとは生物学では新陳代謝を意味します。建築界におけるメタボリズムは、1950年代後半から日本で始まった建築運動のことををさします。

1960年に東京で開催された世界デザイン会議のためにチームが結成されました。浅田孝をリーダーに、菊竹清訓、黒川紀章、大高正人、栄久庵憲司、粟津潔、槇文彦などが集まります。

このデザイン会議で発表されたのが『METABOLISM/1960 - 都市への提案』で、海上都市や垂直都市など新陳代謝する奇抜な建築計画を世に出します。

ちなみに、槇文彦や大髙正人はメタボリズム建築の本流からは外れた、実地的な提案をしています(贔屓目)。

メタボリズム建築の顔

そのメタボリズム建築として残っているのが黒川紀章設計の「中銀カプセルタワービル」です。

カプセルを拡大すると、まるでジェンガのようです。一つ一つが宇宙船のような部屋になっています。実はこれらのカプセルは、取り外しができる=新陳代謝できるのです。

カプセル拡大(筆者撮影)

一度も付け替えられないまま

しかし、カプセルは一度も取り外しがなされないまま、解体が決定しました。2022年と聞いていたのですが、昨今の事情からどうなっているのかよくわかりません。(ちょうど本日TVで取材されたようです!)

工事に使うようなネットが建物にかかっていました。

老朽化したカプセルの底(筆者撮影)

カプセルを全国の美術館などに移送する、3Dデータ上に残すなどのプロジェクトが行われているようです。

おわりに

今回は、メタボリズム建築の一つ「中銀カプセルタワービル」を紹介しました。

メタボリズム建築は無機質な感じを受けてちょっと苦手なのですが、「新陳代謝する」という発想は、現代の都市において減築を可能にするアイデアなのではないかと思います。

本当に取り外しができることを、解体で知るというのはなんとも皮肉ですが、メタボリズムの精神がビルが解体した後も継承されることを望みます。

かしこ

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