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ドラマ「コタツがない家」〜曲者ぞろいのホームコメディ

しばらくドラマの感想が書けてなかったけれど、今期ドラマも毎週楽しみにいろいろ観ている。
「きのう何食べた?シーズン2」も安定の良さだけど、今一番気に入っているのが「コタツがない家」だ。

オープニング映像で、深堀家の男たちを背中に乗せ力強く飛ぶ、万里江は逞しくカッコいい。
深堀家の男たちは私が養う!という気概と、頼りになり懐が深そうな主人公・万里江役は、小池栄子さんにピッタリ。
小池さんて観音菩薩っぽくないですか?
個人的には、めんどくさい年頃の息子に手を焼く万里江の姿に共感している。

そして、私が一番このドラマの中で注目してるのが、廃業寸前の漫画家である夫・悠作役の吉岡秀隆さん。
コトー先生のような真摯で誠実な役も吉岡さんの真骨頂ではあるけれど、悠作みたいに頼りなくてグータラしてる吉岡さんも良き。
口を尖らせ、嫁や義父に文句を言ったり、のらりくらりと言い訳してる時の顔が「北の国から」の純のまんま(笑)
働いてないのに家事をするわけでもなく、嫁に頼りきって一日中ソファに寝そべりゲームしてビール飲んでるだけのダメ夫だけど、どこか憎めない可愛げもある。
コトー先生の白衣も似合ってたけど、悠作のだらっとして妙に個性的な部屋着姿も味がある。

万理江と悠作の息子・順基役の作間龍斗くんは、初めて知ったと思ってたら「どうする家康」の豊臣秀頼だったのですね!あちらは髷姿も様になっていて、前髪を上げるとだいぶ印象が変わる。順基役の時の前髪が重いマッシュルームヘアと同一人物とは気付かない。
ドラマのSNSの方では、コタツダンスなるものを踊って盛り上げてるけど、さすが現役アイドルだけありダンスも上手。

万理江の父・達夫役は小林薫さん。
私は小学生の時からの小林薫ファンなので、出演する作品は無条件に観たくなる。
エリートサラリーマンから定年退職後は一転、万理江の母・清美(高橋恵子さん)と熟年離婚した後は、スナックのママと駆け落ちしたり(ハーレーに二人乗りして深堀家を去るシーンはキマってた!)なぜかこの時は日頃敵対している悠作が、男のロマンだよ!と妙にシンパシーを示し感激していたり(笑)
しかし、結局はママの家を追い出され宿無しになって放浪したりと、ちょっと情けない小林薫さんもいい。
それまでは横柄な態度で働かない悠作に毎日嫌味を言っていた達夫だが、深堀家に出戻り肩身が狭くなった途端、借りてきた猫みたいに大人しくなり、全員に敬語で話し愛想笑いしてるところがまた可笑しい。小林薫さんはコメディもお手のもの。

毎回、曲者ぞろいの家族同士が、あーだこーだとバトルを繰り広げるシーンは、最高に笑える。


ところで、コタツっていいですよね。
ああ、潜り込んで横になってぬくぬくしたい…。
うちの猫も、コタツを出すと朝から晩まで中から出てこなかった。
一度入ったら二度と出たくなくなる、人間も猫もダメにするもの、それがコタツ(笑)
このドラマの中では、タイトル通り深堀家にはもちろんコタツはなく、同棲中の志織(ホラン千秋さん)と康彦(中川大輔くん)のカップルの部屋にだけコタツがあるのだけど、板張りの床にコタツ。こういうスタイルが最近は多いのかもしれない。私も日本で暮らしていた時は、同じようにコタツを設置していた。
そもそも和室のある家も今は少なくなってきているような…。
こちらの国の在住日本人の中にもコタツを自作したという人や、畳をネットから買って(ヨーロッパ製の真四角なやつ)和室を作ったという人も居たりする。海外在住日本人は、日本的なものを作るために精力を注ぎ創意工夫しているなぁ…と感心する。

今作の脚本は「俺の話は長い」の金子茂樹さんで、スタッフチームも同じというだけあり、笑って時にしんみりして、ユルさもある独特のホームコメディはテンポも良く飽きさせない。

すでに7話まで話が進み、ついに漫画家を辞めると宣言した悠作を、再び同居することになった達夫が珍しく飲みに誘い、二人で出かけるのだがーーー
「娘と離婚してやってくれないか」
「もうこれ以上、娘を悲しませるのは勘弁してほしいんだ」
と、達夫は悠作に頼む。
いつもは飄々としている達夫が初めて見せた父親らしい顔に、たじろぐ悠作。

深堀家、最大の危機が迫る!
どうする、悠作!?


石川さゆりさんの歌う主題歌、その名も「ダメ男数え唄」も、パンチが効いてて歌詞もハマってます!
こういう歌こそ紅白で歌ってほしいという声多数。
ほんとそう思う(笑)



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