小説「ののはな通信」三浦しをん〜忘れ得ぬひと
今作は、1980年代に横浜のミッション系女子校で出会った、二人の女性の物語。
"のの"こと野々原茜は、クールで頭脳明晰だが、同級生に比べて家は経済的に貧しく、自分が分不相応なお嬢さん学校に通っていることに、どこか引け目を感じている。
いっぽう牧田はなは、天真爛漫な帰国子女で、外交官の家に生まれ育ったお嬢様だが、勉強は苦手で、東大以外は大学じゃないという父親のプレッシャーがある。
育った環境も性格も正反対な二人は、何でも話せる親友から、やがて友達以上の感情を抱くようになり、互い