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潰瘍性大腸炎~変化の記録~⑦私の劣等感のひとつは「しごと」

潰瘍性大腸炎の発病と低すぎる自己肯定感が無関係ではないようだ、と気づいたものの、どうしたらいいのか皆目見当がつきませんでした。

低い自己肯定感となった背景は複雑に絡み合っていると思います。
でもわたしの中の大きな劣等感は「しごと」と「お金」でした。

しごと歴

小さい時から植物やいきものが好きで、植物に関われる仕事がしたくて大学でも植物のことを学びました。就職したのは公園設計事務所。植物と人をつなぐ仕事に誇りを持っていました。

結婚して子どもが生まれても、0歳児から保育園に預け、仕事は続けていました。家事は分業、大変ながらも充実した日々。

2人目3人目が生まれても、0歳から保育園に預けて働き続けました。
いつの間にかほとんどの家事が私の仕事になっていました。キャリアアップとともに、夫には時間的余裕がなくなっていったのが原因です。

子どもが病気になってもカンタンには休めず、基本的に私が休むことになりました。当時の職場は在宅にしてくれたり、フレックスにしてくれたり、残業なしにしてくれたりとかなりバックアップしてくれましたが、小さな会社のことで仕事の量が減るわけではなく、わたしはカラダもココロもいっぱいいっぱいでした。毎日が苦しくなり、子どもたちに向き合う気持ちの余裕もなくなりパニックになりました。続ける意味が分からなくなり、下の子が3歳の時、15年務めた会社を辞めました。

私の中で「しごと」とは

仕事をしたい気持ち、社会の役に立ちたい気持ちはずっとあり続けています。でも正職員として仕事に戻ることはありませんでした。両立する自信がもう全くなかったからです。前のようにいっぱいいっぱいになってパニックになるのが怖かった。仕事も子育てもうちのことも、どれもが中途半端になるようでイヤでした。

だから仕事に専念できるまで待とうと思っていました。そう思っていたから「仕事をしていない自分」や「家庭中心の自分」を認めることができて、毎日を何とか楽しく過ごしていました。

結局、私は「ちゃんと仕事をしていない私」を全く認めていなかったということです。なんとか認めるために「未来の虚像」を作り上げてただけ。だからずっと自分にダメ出ししてたんだと思います。

あと一年たったら…という頃、潰瘍性大腸炎を発病しました。
その時はまた「仕事に専念する機会」を失った…とものすごくショックを受けました。発病してしばらくは体の不安と同時に、未来の自分への不安がどっと押し寄せていました。

けれども、本当に私はその時に「仕事に専念する機会」を失ったのか。
そもそも発病しなかったら一年後に「仕事に専念」してたのか。
こだわっている「仕事」とはどんな仕事なのか。

ここまで探って見えてきたのは心の奥にあるもうひとつのひっかかり。

それは母親のこと。
母も私と弟を0歳から預けて働き続けていました。でも3人目が生まれたのをきっかけに公務員を辞め、専業主婦になりました。
そんな母を見ていた私は、物心つく頃に「わたしはずっと働き続けよう」と思った記憶があります。

そう思ったということはおそらく「働いていないこと」に何らかの理由でマイナスの感情を持ったということです。
そのマイナスの感情が恐れとなって「働くこと=仕事」に対して異常な執着を発揮してしまっていたのかもしれません。

つまり、わたしが長年「仕事」に執着してきた背景には
「働いていないことが生み出すマイナスな感情を恐れていたから」
ということになります。

けれど「仕事に執着しすぎる私」は
「思うように働けない私」に自責の念を起こさせます。
途中で仕事を辞めてしまった…
仕事と子育てと両立できなかった…
ちゃんと働かないと認められない…

よくわからないマイナスの感情から逃れようと
「仕事」を追い続けていたら
自分自身を傷つけていた
っていう可哀そうな状況だった訳です。

思い込みを手放す

「病気にならなかったら仕事に専念していたか」
おそらく難しかったのではないかと思います。
私が執着していた「仕事」に具体的なイメージはありません。
恐れていた「マイナスな感情」もはっきりしません。
つまり求めていたのは全部が漠然としたものだということです。
きっと、正解が分からず迷走していたと思います。

なぜそう思うのか?

自己肯定感を「仕事をすること」で上げようとした時に実感したからです。
問題は「仕事」そのものじゃなく
もっと奥の方の「仕事」に紐づいてる思い込みや感情にありました。

だから自己肯定感を回復させるために私ができることは
「仕事」に対する執着、思い込み、感情を手放すこと。
そこがクリアになれば、仕事への考え方、仕事の仕方も変わるはず。

「しごと」の劣等感、今後どうなっていくでしょう。

つづく

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