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島日記 月に叢雲 風吹かば吹け

宵の口に小雨が降ったので月は出ないと思っていたが、夜中にあかあかと窓を照らしている。
丑三つどきである。
それでも庭に出てみると、中天に、雲に囲まれた月が見える。

ああこれが「月に叢雲(むらくも)」だ。
雲に隠れる月では物足りなさがあったが、まさしく雲の中の月、思い描いた月に叢雲だった。

「月に叢雲 花に風 思うに別れ 思わぬに逢う」

好事魔多しと似た言葉だが、こういうのは、「道歌」という。
道徳や仏の教えを短歌、長歌にしてわかりやすく説いたものだ。
禅宗では、禅語が漢字で説くのに対し、わかりやすく教えた「世語」がこれにあたるそうだ。

一休さんも多く詠んでいる。

「仮の世にまた旅寝して 草枕夢の世にまた夢をみるかな」
「有漏路より無漏路へ帰る一休み 雨降らばふれ風吹かばふけ」

有漏路(うろじ)とは煩悩に満ちた現世、無漏路(むろじ)は悟りの世界。

利休も、
「その道に入らむと思ふ心こそ 我が身ながらの師匠なりけれ」
「恥を捨て人に物問ひ習うべし 是ぞ上手の基なりける」

むかし、道徳や倫理という授業があったが、今もあるのだろうか。
あまり熱心に聞いていなかったが、今はいじめの問題もあるから指導は大変だろうと思う。
時代は変わっているが、いつまでも忘れられない言葉がある。

丑三つどきに起き出してnoteを書くのも風流かな。

春になったようだ
今年初めてのスイセン
葉のほうが多い無人市のダイコン、カブ

久しぶりにココアを淹れた。
菓子用のココア粉に牛乳とメープルシロップでつくる。
真夜中に飲むのもなかなかだ。

コーヒーには大きすぎるのでココア用にしているマグカップ。
赤い色のない部屋でひとつ目立っている。
グリーンもあり、冬のお気に入りである。

ボタニカル園で買ってきた多肉


今日も読んでくださってありがとうございます。

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