島日記 すたれていく言葉
いつもの色の朝焼けだ。
今日も穏やかな晴れの日になりそうだ。
平凡な日常にうんではいるものの、朝は平穏に迎えたい。
朝のルーティンが壊される出来事は起きてほしくない。
こんなふうにして、変化を嫌う年寄りになっていくのだろう。
先日借りてきた図書室の本の一つ「消えた言葉辞典」を眺めている。
へー、ホー、フーンと言いながら。
昨日「移ろいゆく」を書いたが、言葉の世界の移ろいである。
この本は三省堂の国語辞典に限ったもの。
以前、三浦しおんの「船を編む」が映画化されたが、辞書作りの大変さは素人でもわかる。
その中で削除していくのは辛い作業だろうと思いながらめくっていく。
ながら族、オート三輪、ファミコン、カーキチ、翔んでる、全学連等々。
キャラバンシューズもあった。
最初の山登りは、母のお下がりの赤いキャラバンシューズだった。
まだ三十年程度なのに死語になっている。
昭和の言葉が根こそぎ削除されている。
まだ骨董にはなっていない、時代遅れの言葉たち。
もうしばらく経てば、古典言葉になるかも知れない言葉たち。
しかし、こんな削除辞典もあるし、小説などでは残っている。
削除されても消えてしまうことはない。
言葉には霊が宿るともいう。
流行り言葉から懐かしい言葉に変わるだけ。
辞書には載せてもらえないけど、まだまだ誰かは口にしている。
「またキーマカレーを作ったので食べてください、辛口評価お願いします」
民宿の若いスタッフが喜色満面、こぼれるばかりの笑顔でカレー弁当を渡してくれた。
少し塩からかったが、明日なんと返事しよう。
今日も訪問くださってありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?