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【安曇野から発信する潤一博士の目】27~温暖化、どうする地球 その1~

 地球の大気中に含まれるCO2(二酸化炭素)の濃度は、ppmという単位で表らわされます(1ppm=0.0001%)。産業革命後の1850年のCO2濃度は280ppm=0.028%でした。それが2020年には、410ppmを越えて、増え続けています。ところが、1850年以前の80万年間には、280ppmを越えたことはなかったのです(図ー1)。CO2が、このまま増え続ければ、“どうする地球”ということで、地球の歴史に聞いてみましょう。

図ー1
図ー2、モンブランの氷河、1919年(左)と2019年(右)、100年間で氷河は大きく後退している。
図ー3、地球の歴史における3つの安定な気候状態。

 地球の歴史では、図ー3のような、三つの安定な気候状態が出現しました。(1)アイスハウス期(現在と同じ状態)、地球の平均気温は15℃。南北極地には氷床(大陸氷河)が存在。(2)グリーンハウス期、CO2濃度は1000~2000ppm、平均気温は20℃~22℃以上。極地にも植物茂るほど温暖。中生代白亜紀の恐竜全盛時代など。(3)スノーボール期。平均気温は-40℃で、全球凍結し、赤道付近まで氷河発達。6億5千万年前や7億2千万年前に全球凍結期がありました(図ー4)。

図ー4、

 三つの気候状態は、CO2濃度の変化によって、出現しましたが、そのメカニズムについては、次回に説明します。

(地質学者・理学博士 酒井 潤一)

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