「着物を脱いだ渡り鳥」

 大学落研で落語にのめり込んで卒業してすぐに落語家になり、落語立川流二ツ目立川春吾として活躍していたが、2015年32歳のときに落語家をやめ、現在コント作家/落語作家/構成作家/ひとり芝居/ナツノカモ低温劇団主宰として活動しているナツノカモさんの本です。
 春吾さんの落語を聴いたことはないのですが、2015年12月に立川談吉さんの会に行ったときに、やめた春吾さんから譲られたという着物を着て春吾作の「おばけの気持ち」を演じたのが印象に残っています。
 あとがきに「実際に体験した出来事を、フィクションを交えつつ綴った自伝的私小説です」と書かれています。落語家をやめた理由についてはまったくふれず、内容のほとんどがやめた後の話なのですが、常に落語について考え続け、やがて落語を基にした自分独自の表現方法によって再び公の場に出ていく過程の物語です。

ナツノカモさんよる発刊によせてのメッセージ
https://www.akishobo.com/akichi/natsunokamo/v15

林家はな平さんのこの本についてのnote
https://note.com/humbug1984/n/n0fa93a3b5275

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