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BOOK REVIEW vol.006 脳ちゃんとタマ子

今回、ご紹介する本は、竹中りんごさんの『脳ちゃんとタマ子です!今回も星読みのyujiさんの“ライブ選書”の中から選ばせていただきました^^

“頭の中の世界”がオールカラーの漫画で描かれているよ!

“脳の力やしくみについて書かれた本”と聞くと、難しそうな書籍をイメージする人も多いのではないでしょうか?複雑な解析図やグラフ、専門用語が出てきたり・・・少し身構えてしまいそうになりますが、今回ご紹介する『脳ちゃんとタマ子』は難しい言葉は一切使わずに、“脳のしくみ”についてオールカラーの漫画でとても分かりやすく描かれています。実際、脳のしくみについて、これまでほとんど知識のなかった私も、脳への好奇心を刺激されながら、楽しく一気読みしてしまいました!

『脳ちゃんとタマ子』という「一体、どんな本なのかな?」と興味がわくタイトルと、表紙に描かれた印象的なイラストが相まって、実際に本を手に取った時、不思議なわくわく感に包まれました。この表紙に描かれているのは、漫画に登場する“脳ちゃん”という擬人化された脳みそと、主人公の“タマ子”なのですが、擬人化された脳みそって!?と最初は少し戸惑いました(笑)この脳ちゃんが、脳のヒミツを“脳みそ視点”で教えてくれる案内人で、主人公のタマ子は32歳のごくごく平凡な会社員。タマ子の抱えている悩みも「わかる〜!」と共感できます。

二人の会話や表情、リアクションの一つひとつが丁寧に面白おかしく描かれているので、「ふふふ」と笑いながら、テンポ良くあっという間に読み終えてしまいました。脳ちゃんもタマ子も親近感のあるキャラクターで、特に脳ちゃんはコテコテの関西弁だし、たまにコスプレ?してるところが可愛い(笑)

そしてイラストのタッチが柔らかく、優しい色使いがとても綺麗です。ページの片面や見開きが、1枚の絵になっているページには、美しい海、夕日、鳥、山、神社、宇宙・・・そして、その中に脳ちゃんとタマ子の二人が描かれています。一枚の絵の中にも物語が感じられて、ついゆっくりと眺めたくなります。

ページをめくるたびに“脳への興味”がわいてくるよ!

脳に関する本をあまり読んだことがない私でも、何の抵抗もなく読み進めることができた上に、「へぇ!そうなんだー!」と脳ちゃんの解説に衝撃を受けながら、タマ子と一緒に脳についての知識がレベルアップしていく感覚でした。そして生まれて初めて、脳のしくみについて「もう少し知りたいかも」と興味を持てたことは、私にとって革命のように感じられた一冊です。

詳しい内容はぜひ本を読んでいただきたいのですが、ページをめくるたびに脳への興味がわき、脳みそのこと=脳ちゃんのことがどんどん好きになっていきます。本来はおそらく説明が難しいであろう脳の力やしくみを、分かりやすく、そして楽しく知ることができる本ってあまりないのでは?と思います。読み終えた後も、自分の脳や、過去・現在・未来についての意識の変化に浸ってみたり…と、しばらく続く余韻がとても良かったです。

そして本の中には「はっ!」とさせられる名言もたくさん出てきます。ページ下には、脳ちゃんの言葉で『格言』が載っているのもポイント!この格言も胸に響くものが多く、本を読んでいる間も“格言チェック”をするのが楽しみの一つでした。

あるのは「今ココ」のみ。
忘れられない“つらい記憶”は変えられるよ!

過去のつらい記憶、何かの拍子に突然よみがえるイヤな記憶って誰にでもあると思います。私にも数十年間、繰り返し思い出すつらい記憶があり、ちょうどこの本を読み始める直前、歯磨きをしている最中に、ふとその記憶がよみがえりました。

それはもう30年以上前の記憶。当時、小学生だった私と兄に、親戚のおばちゃんが言ったひと言がトゲのように胸に刺さり、今も抜けていません。あの時の血の気が引く感覚も、ただ立ち尽くすしかなかった、おばちゃんの家の玄関の匂いも未だによく覚えていて、30年以上前の記憶なのに、今でもまだ私自身を苦しめていました。

「過去」自体は変わらんけど、自分の中の「過去」は変えられる

『脳ちゃんとタマ子』P81より引用

「なんで忘れられないんだろう」そう長らく思ってきたけれど、その理由がこの本を読んだことでようやく分かりました(そして感動…涙)。“忘れられないこと”にもちゃんと理由があること。そしてこの格言のように、私の中にある「過去」は変えられると知れて本当に良かったなぁ…と心の底からホッとしました。その出来事を、最低or最高のどちらにするかを決めるのは、他でもない「今ココ」の私自身なんですよね。

次は、わたしやあなたが脳ちゃんと仲良くなる番だよ!

この本を最後まで読むと、単に脳のしくみについての漫画ではないことが分かります。私のように過去の記憶にとらわれて生きてきた人にとっては、その縛りから解放されるきっかけになると思うし、「私なんて」とか「あの人ばっかり」とつい拗ねがちな人にとっても、人と比較するのをやめて、この先の人生に希望が持てる一冊となるのではないかな、と思います。

私はこの本が終わりに近づくにつれて、心の中に明るい光が差し込むような感覚になりました。心の重荷が少し軽くなり、これからどんな世界を信じようか、どんな未来を思い出そうか…と、本を読み始める前とは意識が変わっている自分を感じています。

この本で、大好きになった脳ちゃん。
私ももっと、私の脳ちゃんと仲良くなりたい。
そして脳ちゃんと一緒に世界を良いものに変えていけたらいいな!

脳ちゃんとタマ子に続いて、
次はきっと、わたしやあなたが脳ちゃんと仲良くなる番ですね!


(余談)

『脳ちゃんとタマ子』の各章のタイトルの語尾が、『〜してあげる!』で統一されているところがいいなと思ったので、私も小見出しの語尾を『〜よ!』に揃えてみたのですが、何だかただ単に語気が強めの人になってしまったような(苦笑)でも、まあいっか!ということで、今回はそのままにしておきます(笑)

yujiさんのスタエフと選書のアーカイブはこちらだよ!

最後になりましたが、yujiさんが『脳ちゃんとタマ子』をご紹介されていたスタエフはこちら↓(ライブ選書のコーナーは13:00あたりからです♪)

ライブ選書のアーカイブ(一覧)はこちら↓
面白そうな本がたくさん紹介されているので、ぜひご覧になってください〜!

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