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世界のクリエイターが熱狂するSXSW!体験記 その2

世界で戦う日本のスタートアップが素晴らし過ぎた!

SXSWには、想像しえなかった未来、イノベーションに通ずる物作りを行って展示・フィードバックを得るという目的がありましたが、今回の視察においては日本のスタートアップ企業の輝きがすばらしく、出張報告の第2弾はそちらにもスポットを当ててみたいと思います。

また比較のポイントとして、他国のスタートアップとの比較、もう一つは大企業との比較も見ていきます。

まず、他国との比較ですがCESにおいてフランスではフレンチテックと呼ばれ、国が全面的にバックアップをして出展をしていました。今回はCESほどの規模での展示はなかったです。
その他の国も大きすぎる展示はなく、日本が展示密度と展示内容ともに抜きん出ていたように思いました。

そのような中で、もうひとつは「企業との協業」という視点です。今回は4つのパターンで企業とスタートアップの協業の形を見ましたので順に紹介してみます。

[1] 会話の可視化で知ったかをなくす「Transparent」

まず、個別出展のスタートアップも面白い企業が多くあり、その中で Transparentというサービスを開発している、元セカイカメラを開発した井口さんがISID America との協業によるサービス開発を行っていました。
このサービスは人の発言を様々なメディアを通して取得し、最終的に3次元のタイムラインで、あるときは”テキスト”、あるときは”画像”で表示、それらをリアルタイムにログ化し検索ができるようになるというもの。
会議の時やMTGの際に使うとよりお互いに意思表示が確実につながるとう訳です。井口さん曰く”知ったか”をなくせるサービスとのこと。
実用レベルではありそうでなかったUIで、今後β提供などが楽しみなサービスだと感じました。
ここでは、スタートアップ(井口さん)と大手企業(ISID America)が互いの技術とリソースで役割分担を行いながら協業している形がありました。

(参考) What is Augmented Conversation?​
https://medium.com/@iguchijp/what-is-augmented-conversation-e5bde874e756​

[2] 人間らしい自然な動きを実現し、初めて「不気味の谷」を越えたと言われるCG女子高生『Saya』

次に出展5年目となる博報堂アイ・スタジオは国内の尖ったスタートアップや自社事業・サービスと共に出展を行っていました。
その中でひときわ目を引いていたのが「Saya」です。Sayaはリアルタイム3Dアニメーションを今回100以上の動画に切り分けて、状態に応じて切り替えるようプログラムされています。
マットセンサーにより人がSayaの前に立ったことを検知し、カメラによる顔認識をする対象を特定、その人の表情を元にSayaの行動が変わるようになっていました。実際試して見ると自分の表情が笑顔になるとSayaも笑顔になり、その逆に不機嫌な顔をするとSayaが悲しそうにする。そのタイミングが絶妙でついつい引き込まれてしまうデモでした。
このようにマーケティング部分で大企業がスタートアップを支援する形も良い結果を生み出すモノと思われました。

(参考)以下のサイトでリアルに動くsayaが見れます!
https://twitter.com/mojeyuka

[3] 東京大学発のスタートアップも多く出展!

「Todai to Texas」として東京大学発のスタートアップが複数共同展示されていました。いくつもの面白い展示があったのですが、その一つ 「NinJa Drone」を紹介します。
NinJa Droneに関しては、飛ばないドローンとしてはタイヤをつけて走行するドローンはすでに存在しますが、高所に張られたワイヤーをつたいながらカメラを移動し、検査を行うというものでした。実際ドローンの飛行時間の短さは検査業務の妨げになっており、特に室内、今回はビニールハウスなどを想定して活用を検討していましたが、こういった移動方法の方が有用性が高いように思われました。さらにこの企業では、画像解析をクラウド上で柔軟に行うライブラリーを時間単位で利用できるサービスを利用しており、今後そういった画像解析のニーズにおける​​連係でMotionBoardとの協業の可能性もあると感じた次第でした。

[4] 変革の鬼と化したパナソニックさんが凄すぎた!!
社内コンテストの事業化にむけて最終着地をSWSXに!

そして今回もっとも印象が強かったのがパナソニック社の提供する「Panasonic House」でした!こちらはコンベンションセンターから歩いて数分の二階建ての店舗を借りており、1階は展示、2階はイベント・コミュニケーションスペースとして利用されていました。
他の日本人参加者のSNSでも絶賛されていたのはそのコンテンツで、メインとなる出展内容は1年間をかけて社内公募した70以上の企画の選りすぐられた7つを展示。製品前の試作レベルで出展しており、企画者が直接対応して応えるといった形になっていました。この公募は「Game Changer Catapult」 というアプライアンス社の社長直轄専任チームが運営をしており、取り組みとしては2年目ながら大きなインパクトを出していた。こちらは普段の業務の完全時間外でおこなったものだと言うのだからさらに驚きである。

大手のメーカーにとって、コンセプトより、より深い実現性を持った製品前の企画をオープンなスペースで出すことが今までの常識からすると考えられなかったような事であり、また、この場で訪れた他の企業がコラボレーションをその場で提案し実現して行っていることを聞き、こういったオープンイノベーションが今後の主戦場になっていくと強く感じた展示でした。

(参考)
http://gccatapult.panasonic.com/

(動画)パナソニック社の取組みを紹介する動画です。
https://youtu.be/mPlYvOdiiPI

上記HPにあるパナソニック社の社員の言葉↓↓↓

”「自分のアイディアで社会の課題を解決しよう、新しい価値を生み出そう、という情熱を持った人にとっての「発射台」」”
”「私たちのプロジェクトは、一人ひとりの情熱の上に成り立っています。」”
”「自分の信じるアイディアを実現するために寝食を忘れるほどに熱中してしまうそんなメンバーが集まっています。」”

このように多くの協業モデルの成功例を見ることができたSXSW!
もはや1社で世界を変える製品を完成させる時代は過ぎ去ったのと、完成までのモノのつくり方が大きく変わってきていると感じた今回の海外出張でした。

スタートアップの起業が増えている日本においてもウイングアークとしても数多くあるスタートアップと良い形でのアライアンスを提案し積極的につながっていく必要を感じた次第です。

以上

※第2弾の原文のタタキは集合写真家 でありMAGLAB代表の武市氏によるものです。

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