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ギアファンde日常。

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一次創作漫画『ギア・ファンタジア』のキャラクターの視点で、何気ない日常を見てみる日記です。
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記事一覧

ギアファンde日常。「バックスの散歩」

バックスの散歩 今日は、頭がやけにチクチクと痛む。 フォーが来てからというもの、こいつの…

もろこし
2週間前
3

ギアファンde日常。「エドガーと蒲公英」

エドガーと蒲公英 「あ、たんぽぽの綿毛!」 エミルの弾んだ声。 つられて「お?」と足を止め…

もろこし
2週間前
3

ギアファンde日常。『エミルと雨の日の朝』

エミルと雨の日の朝 ぱちり、と目を開ける。 窓ガラスから見える空を見ると、うっすらと灰色…

もろこし
2週間前
6

ギアファンde日常。「ナワーブと靴の中の小石」

ナワーブと靴の中の小石 エドガーと他愛ない会話をしながら、ギルドの庭を散歩していた時。 …

もろこし
2週間前
7

ギアファンde日常。「アートゥロと帰り道」

アートゥロと帰り道 夜の闇の中に眩しく浮かび上がる、街の灯。 その光に包まれながら、俺た…

もろこし
3週間前
4

ギアファンde日常。「エインズワースと強風」

エインズワースと強風 いや、風、つよっっっ! 外に出て、真っ先に脳裏に浮かんだのはその一…

もろこし
3週間前
6

ギアファンde日常。「フラジィルと掃除」

フラジィルと掃除 いけない。 私(わたくし)はそう直感した。 集中が途切れ途切れになっているのを感じる。 机に座り続けて、ずっと作業をしていると、どうしてもこういう瞬間が訪れる。 ふぅ、と深呼吸する。 このまま作業を続けていても進捗は出ないでしょう。 仕方ありませんわね。 そう考え、席を立つ。 給湯室に入り、布巾を手に取る。 少し水で濡らしたそれを持って給湯室を出て、机の上を拭く。 やがて、自分の机が拭き上がると、今度は空いている机。 グウィンドリン教授の邪魔をしな

ギアファンde日常。「ロビンとツツジ」

ロビンとツツジ 「あれ。こんな花、ここにあったっけ」 それはよく晴れた日の朝、家の庭を掃…

もろこし
3週間前
3

ギアファンde日常。「グウィンドリンと割れた小瓶」

グウィンドリンと割れた小瓶 パリン。 研究室の中に響く、甲高い音。 思いがけず聞こえてき…

もろこし
3週間前
5

ギアファンde日常。「グスタフと露天風呂」

グスタフと露天風呂 しんしんと山に積もる雪。 それを見ながら、わしは静かに湯に全身を沈め…

もろこし
3週間前
4

ギアファンde日常。『ベルフラウと梅の実』

ベルフラウと梅の実 「あ、見つけたわ」 そう呟く、私の声は心なしか弾んでいた。 葉っぱひ…

もろこし
3週間前
4

ギアファンde日常。「カルロと静寂」

カルロと静寂 仕事がひと段落ついた昼下がり。 俺は使い慣れた椅子に腰掛けて、しずかに目を…

もろこし
4週間前
4

ギアファンde日常。「マグノリアと朝焼け」

マグノリアと朝焼け 目を覚ますと、窓の向こうの空は淡い青から桃色のグラデーションになって…

もろこし
4週間前
5

ギアファンde日常。「フランツと待ち時間」

フランツと待ち時間 うろうろ。うろうろ。足がひっきりなしに動いてしまう。 ちらと駅の時計を見る。汽車のやってくる時間には、まだまだ早い。 はぁ、と小さくため息をつく。 落ち着きのない俺を見て、一番歳の近い兄が「父上もご一緒なんだぞ。少しは落ち着け」と言った。 口調に反して、その表情は穏やかだ。 幾つになっても、俺のことを小さな子供だと思っているのかもしれない。 それは少し不服だけれど、しかし、安心もする。 国王の依頼を受け、ユマーノ王国に足を運ぶことになった父上。 数日