もろこしの限界貧民奮闘記〜生活保護受給・就活編〜

やってきました第2弾。
これを書いている私は今、変わらず埼玉のシェアハウスにいる。
そう、無事に申請が通り、生活保護の1回目の受給を終えたところだ。
今回は、申請後から受給までの流れと、現在の就活について簡単に書いていく。

もろこしの限界貧民奮闘記〜生活保護受給・就活編〜

ケースワーカーの家庭訪問

生活保護を申請した後日、市役所のケースワーカーの方が家庭訪問に訪れた。
目的はもちろん「生活保護を支給できるかの審査」のため。

主に聞かれたのはこんな感じ。
・自分の生活スペースの間取りは?(恐らく、支給額計算のため?)
・自室に鍵はかけられるか?
・同居人と完全に生計は別か?
・シェアハウスに引っ越してくる際に自分で持ってきたものは何か?
・今、生活をするために足りないものはあるか?
・生活保護を受給する可能性があることは、シェアハウスに住んでる人は了承しているか?

今回はシェアハウスであるため、質問の内容も普通のアパート暮らしとは若干違うところもあるだろう。
あくまで参考まで。

意外だったのは、てっきり自分が持っている荷物は全部点検されるかと思ったが、別にそんなことはなかったことだ。
自分から「自分が持ってる荷物は〇〇です」申告したのがよかったのか、安いシェアハウスに住んでる時点で資産になるものはないだろうと思われたのかは不明だが、荷物を広げるのも手間なのでお互いに手間が省けてよかった。

そして6月も終わりに差し掛かって来た頃、ケースワーカーから連絡。
「生活保護が支給できることが決まったので、受け取りに来てください」とのこと。

めちゃくちゃホッとした。
私はまだ埼玉のシェアハウスにいていいんだ…と泣きそうになった。
「生活保護申請が通りますように」と毎日参拝していた神社には、お礼の参拝に向かった。

実は義務ではなかった、生活保護の扶養照会

生活保護受給を阻む壁として、一部界隈では悪名高い家族への扶養照会。
これは要するに「生活に余裕のある家族の方は援助してあげてください」という自治体のお気持ちである。
まあ、国からしてみれば家族が援助できるだけのお金を持っているのに援助してもらわないのは色々マズイということなのだろう。わかる(元公僕並感)
この扶養照会が仇となって生活保護が受給できない場合もあるらしい。

しかしこの扶養照会、実は義務ではなく任意なのだ。
たとえば家族との仲が険悪で、家族に連絡が行くことだけは避けたい!という場合、扶養照会を行わないことができる。

ちなみにもろこしの場合、父親とは辛うじて連絡が取れる仲なので「生活保護を受給します。そちらに扶養照会が行くので対応してほしいです。援助できるお金がないことを書いてくれればいいので」と正直に伝え、回答してもらった。
父親が何かの間違いで「経済的援助が可能」と書いていない限りはまあ何とかなるだろう…多分…大丈夫かな…(一抹の不安)
父親、妻の介護と娘の世話で金銭的援助なんてとても無理だからな…伝われ…(念)

生活保護、1回目の受給

生活保護の1回目の受給は、市役所で直接手渡しとなる。
担当ケースワーカーとのやりとりになるので、事前に日付を予約しておくのが吉だ。

必要なものは
・ハンコ
・2回目以降の生活保護の振込先の通帳
・(申請日以降に収入を得た場合)収入の分かる通帳

金額を確認し、晴れて1回目の支給が完了。
その後はケースワーカーから、生活保護の説明を改めて行われるのと、今後提出する必要のある書類を用意してもらえる。

直近で関わりがありそうなところをざっとまとめてみた。

・生活保護の2回目以降の支給は指定の口座に振り込まれる(1回目の支給の時、口座を届け出る)
・生活保護受給中にあった保護費以外の収入は、全て届け出る義務がある
・借金は絶対ダメ!借金は生活保護における収入扱いとなり、借金元と市に2重でお金の返還義務が発生してしまう。どんなに細かいものでもお金の貸し借りはNG
・生活保護中は国保から脱退し、医療費は市から出るので本人負担はゼロになる。生活保護の受給者証と福祉課から支給される医療券(精神疾患の場合は、医療券ではなく自立支援医療受給者証)を持って病院に行こう
・生活保護中に収入がある場合、保護費と被る分は市に返還する義務がある。ただし給与収入は一部を経費計上できるため、働かない場合よりも手元に残る額が増える。働けるなら働こう
・ハローワークに行くなどの就職活動を行った場合、専用の用紙に前月分の就職活動をまとめて翌月に申告する義務がある
・義務とされていることを怠ることが続く場合、最悪だと生活保護が打ち切られることも…やったことは漏れなく報告しよう
・就職先が決まったり、病院が変更になったりした場合はなるべく早くケースワーカーに連絡しよう

あと、個人的にヒヤッとする人はするだろうなーという一言。
ケースワーカー「病院に生活保護に関する調査を依頼した時、病院に『該当者が働けるかどうか』も聞いてます。もろこしさんの場合は『負担の軽い仕事なら大丈夫』と言われたのですが、就職活動はしてますか? 」
わし「はい。今はハローワークで、テレワークやA型作業所などの負荷の軽い仕事を探してます」
ケースワーカー「なら大丈夫ですね」

医者の先生と自分の認識に齟齬があると、生活保護が受給できなかったりケースワーカーからの心象が悪くなったりする可能性があるな…と思った。正直者でよかった。
医者の先生には正直に自分の状態を話して、信頼関係を構築しておくことが大事である。

生活保護中の就活

30代になってくると、普通の就活サイトを使うのも厳しくなってくるので、私は大人しくハローワークを使っている。
なんだかんだ、公務員以外で一番長く続いた仕事はハローワーク経由だったしな(清掃員のパート)

私は現在、障害者枠での雇用を考えている。
生活保護より少し前のタイミングに申請した障害者手帳も無事入手し、仕事先を探している。
障害者雇用のいいところは、自分の障害の程度に応じて配慮をしてもらえることだ。
あと埼玉だとテレワーク求人がそこそこある。2年のフリーランス経験で在宅ワークに味をしめたもろこしにはありがたいことである。
他にも、障害者求人の中には、短時間勤務ができる「A型作業所」というものもあり、労働に身体を慣らすにはもってこいだ。

ハローワークの方に「A型作業所は多分すぐ受かるので、働く意欲があるならテレワーク中心で就活をしてみてはどうか」と勧められたのもあり、現在のもろこしはテレワーク求人への応募を主体としている。
中でも今回初めて受けた「トライアル求人」は、書類選考を待たずに必ず面接を受けることができ、自己アピールや会社へのヒアリングがしやすい。
また、雇用されてからも定着率が高いということなので、今後とも率先して応募していきたい。

次にnoteを更新するとしたら、就職先が決まるか保護が打ち切られるかのどっちかになるだろう。
なるべく前者でいたいなあ…。

おまけ


なんとなくそのうち聞かれそうなことなので、今、答えておきたい。
「生活保護を受給して生活は変わった?」というところ。

ぶっちゃけ、あんま変わってない。

もともと、トータルで見ると働いてない時間が長かったため、家で時間を潰すことには慣れている。
家で漫画を書いてたり、Slackを見たり、散歩したりすると1日が終わっている。
食事も、コンビニ飯こそ多かったものの外食はあまりしないので、コンビニ飯を我慢して自炊すれば食費も安全に削減できる。
酒もタバコもやらず、服のような高い買い物にも関心がないので、お金を使うことが友達とお茶するぐらいしかない。
そんな暮らしなので、生活保護を受給したところで大して生活水準は下がらないのである。

ゆえに安心して就活できる、というのが生活保護を受給しはじめて感じたことだ。
国に資金援助してもらう制度なので、審査は厳しいし報告することも多い。
しかし、この安定した生活基盤があるのとないのでは就職に対する余裕が段違いだ。

一応、自分の中で「来年の4月までに就職する」という目標があるので、相応の焦りがないわけではない。
しかしながら「本当に生活が立ち行かない」わけではないので、より自分が長く働ける先を探しやすい点では、生活保護を受給してよかったと思う。
もしかして、日本で一番生活保護という制度を有効活用してしまっているのでは…?などと自惚れてしまっても仕方ない(※仕方なくは無い)

そんな感じで、ゆるっと真剣に就活をしていく次第だ。

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