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離島への旅 最終日振り返り

座間味最終日は、曇っていて蒸し暑い、梅雨入りを思わせる天気だった。
高速艇クイーン座間味は10時発。
普段、昼夜逆転生活を送っている割に、こういう時だけは早起きできる私。
6時に目覚めて、粛々と荷造りをした。

今回の旅も最高であった。
というか、沖縄に来て最高じゃなかったことがない。

私の沖縄歴は、北大時代20歳の夏に始まる。
当時、2学年上の先輩が沖縄に行くので一緒に行かないかと誘ってくれて、初めて訪れたのが阿嘉島(座間味の対岸にある島)だったのだ。
8月の真夏のことであった。
夜になると半袖では肌寒い北海道から、どれだけ脱いでも暑い沖縄に飛び、体は適応できずにめちゃくちゃしんどかったが、とにかく綺麗な海に感激した。
それ以来の離島好きである。

当時の離島には、日本人しかいなかった気がする。
今、帰りのクイーン座間味を見渡すと、5分の1ほどが明らかな外国籍の方だ。

島でよくカタコトの日本語で話しかけて来るのは、アジアの特に中国籍の方が多かった。
こちらは島の人が方言で話しかけているのだろうと思って返事をするのだが、どうも会話がチグハグだ。
向こうも私を島の人だと思って話しかけているのがわかり、2人で「てへへ」笑いをしたこともある。
そこから察するに、アジアからの旅行者を含めると3割近くは海外からの方なのだろう。

彼らはお金払いがいい。
というか、値段を気にしてる風がない。
私にとっては、600円のランチはけっこう高額で
「前に来た時は400円じゃなかったっけ?」
などと思い、200円の差を「島への寄付!」と考えないと払えないのだが、彼らはそんなケチくさいことはまるで考えてなさそうだ。

日本って安い国になったんだなぁ、と思う。

敦賀にいた時も、近隣の観光地「三方五湖」に台湾からのツアーバスが何台か来ていたのに驚いたことがあった。
国内でも知る人ぞ知る、福井県の観光スポットに海外からわざわざ観光に来る人がいるなんて。
福井には、恐竜博物館くらいしか見どころはないのでは?と思っていたのに。

それが今じゃ、国内の隅々までインバウンドの観光対象になっている。
座間味行きの船のチケット売り場で働く、私と同年代のおじさんも、カタコト英語で

「今日、この船に乗って座間味に行くと、日帰りはできない。なぜなら、帰りの船がないからだ。あなたは泊まるところを決めているのか?でなければ、行かないほうがいい」

と白人の青年に一生懸命説明していた。
Google翻訳も使いこなしていらっしゃる。
すごい。

説明を聞いていた彼は、英語も達者ではないようで、さっぱりわからないという顔をしていたが、最終的には、アジア系の女性が助け舟を出して納得されたようだった。

日本にいるはずなのに、ここはいったいどこなんだ?
沖縄はアジアのハブだというが、本当にそうなのだった。

私の好きな離島が、インバウンドで潤うのはとても喜ばしいことだ。
これから夏に向けて、世界中の人たちが慶良間ブルーを堪能しに来てくれたら嬉しい。
しかし、そのせいでどんどん物価が上がり、私がどれだけ切り詰めても遊べなくなるとしたら、それはとても悲しい。

これからどうなっていくのだろう。
慶良間の島々は、日本の庶民が遊びに行けないような、超ハイソなリゾートアイランドになっていくのだろうか。
なんとなく、過渡期の島を見てきたような気がしている。

**連続投稿814日目**

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