モテキシュン

ゆるく写真を撮り、ゆるく文章を書いています。 写真のこと、エッセイみたいなものとか。 …

モテキシュン

ゆるく写真を撮り、ゆるく文章を書いています。 写真のこと、エッセイみたいなものとか。 誰かの何か、日常に寄り添えますように。

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キミのまつげ

けっして長いとは思わない。 彼女はもちろんいつも横にいる。 彼女はわたしにとっても、 それ以外のものにとっても憧れなのだろう。 「まつげ、めっちゃ長くない?」 「瞳(め)もめっちゃきれいだよね!」 「私もあの子みたいになりたいわぁ」 女子たちが彼女の周りを囲んでそう言う。 たしかに彼女の瞳は美しい。身長も高くて、細身でスラっとしている。 海外のモデルさんみたいに。おまけに名前もマリアという。 日本で生まれ育ったのに。 性格は穏やかそうに見えるけれど、 いつだって上から目

    • 日常

      好きな映画はあれよ。 タイトルは何かしら。 今日はあの子たちは池袋へ映画を観に。 帰りは遅くなると言っていた。 今は何月かしら。10月。 いいえ、もう12月よ。 仕方ないわ、10月のように暖かいもの。 あの子たちは。 今日は遅くなるのよ。池袋へ映画を観に。 バッハの平均律が流れている。 珈琲は私には甘く、あなたには苦い。 タイトルはもう思い出せないわ。 貴方と一緒にどこかで観たのよ。 そうよね。それでいいの。

      • バターの匂い

        6:44a.m. 物音に目が覚めて、気付くと自分だけ何の準備も出来ていない。まだ、ギリギリの時間。一人ならば余裕の。 6:50a.m. コーヒーを淹れないと。私の任務。というか、使命。どこかの人気のパン屋のパン。バターのそれがふたつ。パンを頬張り、そのまま洗面台で、ある程度の状態にする。 7:15a.m. いつの間にか遅くて、冷たくて温かい朝。少し早足で。この時間が好きで。だから少しの早起きも。 7:24a.m. なんとか間に合ったよう。彼女を見送りに来た少年と見合わせ

        • ペンギン

          あのペンギンたち。 ガラス越しに見える、あのペンギンたち。 こちらを見つめている。 きっとこんな光景を、 何度も目にしているのだろう。 少なくとも、数週間は。 それはペンギンで、 私は一羽の頭を軽く撫でた。 この空気は特別で。 そこに写る自分がまるで本物かのように思わせる。 そこでの時間は短い。 果てた時間は私を絶望させる。 帰れば、この纏った幸福を、 落とさなくてはいけない。すぐに。 そう、お気に入りのシャンプーで。

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        キミのまつげ

          プリン

          明るいブラウンにした。 きっと好きだから。 少しして、黒になった。 思うより長い時間で。 そこだけが甘い。 黒はとても苦くて、短い。 プリンより、 チョコレートケーキがすきだ。

          ネジ

          彼が帰ってきた。 とても長い旅であった。 どこへ行っていたのかは知らない。 何処であろうと気にすることではない。 彼がアパートを借りた。 もう旅には出ないのだろう。 私は、引越しを手伝った。 彼の宝ものたちを飾った。 どこかの喫茶店のコースター。 町のチラシ。押し花。 どこで撮ったのかも分からない写真。 それを大きく引き伸ばし、額に入れて。 「鋲でなくて大丈夫かしら」 少し、不思議がって聞いた。 「いいんだ。もうしばらくここにいるから」 少し、悲しく嬉しそうに彼は

          蜂蜜

          蜜を集めている蜂は、針を持たないのだと、 そう得意げに彼は教えてくれた。 私にとって、そんな事は何も意味を持たず、 まして蜂に針が有ろうと無かろうと近づくことはない。 私はその蜂が必死に集めた蜂蜜が好きではない。 あの、ヌッと甘い、いかにもという感じが 好きではないのだ。 「まるであなたの様ね」 絶望した。私はそうなのであろうか。 母の言葉は、優しかった。 私は母に彼のことを話した。 蜂の話も。 少しして、彼は別の女性と結婚した。 私は蜂であった。 ヌッと甘い、その蜜

          コーラの味

          もうそこには居ないと思うと涙が止まらなかった。 昨日までそこで、モクモクと、私は餃子が好きで、 仕事では今これをしていると話すあなたがいた。 急に連絡をして、時間が合えば会う。 そんなラフで適当な関係であった。 もう何年になるだろう。 時を重ねる毎に、不思議と。 何か、嬉しいこと、悲しいこと、辛いこと。 深くまでは分からないけれど。 それに反応して。 「なんでわかったの」 それを分かっていることを自覚して聞く。 「なんでだろうね」 それがなぜか分かっていて、そう答える。

          コーヒーの話

          珈琲に甘みが要ることはないのに。 予定もなく、ここ数日の天気予報に続く服装で外に出てしまった。すれ違う人たちは、もちろん今日にあった服装をしている。 今日はアイスティー。 それに、ガムシロップを2つも入れる。 冷たい、混ぜても。 今年は梅雨入りが例年より早いとか。 でも関係なく、外は暑く渇いていた。 それは、ここ数日の話。 甘い。飲む。 今日は何も無い1日だと思う。 メイクもせずに。 まだ苦い、15時だから。 夕焼けにグラデーションしている。 見えるかな。 そんな1

          コーヒーの話

          夏の決心

          タイトルは自分が子供の頃に聴いていた、大江千里の"夏の決心"から。ポンキッキーズが大好きだった。 "夏の決心"の歌詞の中にある好きなフレーズ。 あの頃は分からなかった。ほんとに夏休みは短い。 夏休みというか、人生はほんとに短いんだろうなと。 だから、今自分が何を撮りたくて、撮るべきか。 そんなことを考える写真旅に出ようと思った。 世の中には、未踏の場所が無数にあって、日々変化してゆく。自分が生まれる前からずっと存在している。その空気が失われないうちに。 未知の場所にあ

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          はじめまして。モテキシュンと申します。 どこか表現する場をさがしていました。 言葉を組みあわせるのが好きだったのかもしれない。それが今になって、表に出したいという気持ちに変わったのかな。 とりあえず書いてみようと思います。 ゆるい時間と一緒に、誰かの、何かに寄り添えるような文章を書いていたいと思います。 #日常 の、自分のなかのテーマを、 ゆるゆると #短編小説 や #エッセイ に。 これから、一緒に優しい気持ちで、 ゆるゆると眺めていってください。

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