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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

29.御託

翌朝プレイヤーたちは前日と同じ会場にいた。遠目に確認できる限り、追放された中学生の姿はないようだ。進行役の合図とともに本日の"会議"が開始される。やはり口火を切ったのはパサパサ金髪男だ。

 みんなは昨日の結果をどう見た?俺はデリートされたやつが騎士Aだと思っている。なぜなら…。

おそらくプレイヤー全員が最初に考察したプロセスを、さも自分だけが発見した新しい可能性かのように雄弁に語る。ここまで澱みなく語れるのは才能ではあるが、あまりにも残念かつ浅はかで、将来が心配になるほどだ。ソナタは途中で遮って一蹴することも考えたが、反発されると余計に無駄な時間が増えることを危惧し黙って耐えることにした。彼は熱弁を振るって満足したのか、他のプレイヤーに意見を求めた。

 なぁ。それ誰でも分かってることだから、いちいち説明しなくてもいいいよぉ。

パサパサ金髪男の表情が一変し、旧友への批判的なコメントが続いた。ソナタが予測していたとおりで、旧友が空気を読まず思ったことをそのまま伝えてしまうことも想定の範囲内だ。すでに15分が過ぎここまで有意義な議論は皆無である。

 時間が限られてるので目的を決めてから議論するのはどうでしょうか。

昨日一言も発言しなかったDチームの20歳前後の女性が建設的な意見を述べる。黒髪のロングヘアでスリムな体型の彼女の身長は170cmほどだろうか。

 賛成!Sを追放すれば良いのだから、その特定と、特定したSを確実にデリートしてくれる信頼できる国王を選出するのが良いわ。

Cチームのツンケン女が賛同し、具体的な議論の方向性を示した。

 そうしよう!じゃあまず昨日の国王は誰だい?チェックを使ったんだろうから、その結果もみんなで共有してくれないかな?

 それなら全員が自分の役割を正直に答えた方が話しが早いねぇ。きっとSとFOXはウソを付くだろうけど、ある程度絞れるからねぇ。

巨漢の提案はあっけなく一蹴され、誰も旧友の意見に反論するものはいなかった。全員が本当のことを言うかは別としてまずは各々"自己申告"をすることにしたのだ。プレイヤーの議論を聞いていた事務局は、タブレットに付属のペンを使ってメモを取れることをアナウンスした。

 私はSよ。

 僕がSだ。

Bチームのロンドと赤髪の女は昨日の主張を変えるつもりはないようだ。すなわち、どちらかは嘘を付いていることは間違いない。

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